第7回市場問題プロジェクトチーム議事録

平成29年3月29日(水曜)
都庁第一本庁舎7階大会議室

14時03分開会

 1.開会
○事務局 それでは、ただいまより第7回市場問題プロジェクトチーム会議を開催いたします。
 本日の会議の議事進行を務めさせていただきます、市場問題プロジェクトチーム事務局の池上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は多くのプレスの方々にいらしていただいておりますが、本日の会議の様子は最初から最後まで公開しますとともに、あわせてインターネット中継を行っております。
 続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。
 机上に置かせていただいておりますが、順に、会議次第、出席者名簿、配席図、会議資料3点、資料1「第7回市場問題プロジェクトチーム」、資料2「豊洲市場における液状化対策」、資料3「市場問題プロジェクトチームの取りまとめに向けた課題と今後のスケジュールについて」でございます。
 何か不足等がございましたら、事務局までお声がけください。

 2.あいさつ
○事務局 議題に入ります前に、プロジェクトチームのメンバーを御紹介いたします。
 順に御紹介いたしますので、その場で御起立の上、一礼のほどお願いいたします。
 座長の小島敏郎専門委員でございます。

○小島座長 小島でございます。よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、梶田晋吾専門委員でございます。

○梶田氏 梶田です。よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、佐藤尚巳専門委員でございます。

○佐藤氏 佐藤でございます。よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、竹内昌義専門委員でございます。

○竹内氏 よろしくお願いいたします。

○事務局 続きまして、井上千弘専門委員でございます。

○井上氏 よろしくお願いいたします。

○事務局 続きまして、時松孝次専門委員でございます。

○時松氏 よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、森高英夫専門委員でございます。

○森高氏 森高でございます。よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、森山高至専門委員でございます。

○森山氏 よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、菊森淳文専門委員でございます。

○菊森氏 よろしくお願いします。

○事務局 皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議題に入ってまいりますが、以降の進行は小島座長にお願いしたいと思います。
 小島座長、よろしくお願いいたします。

 3.議題
 (1)豊洲市場における液状化対策について
 (2)市場問題プロジェクトチームの取りまとめに向けて
 (3)その他
○小島座長 第7回目の市場問題プロジェクトチームでございます。本日の課題は、液状化対策でございます。この液状化対策をもちまして、一通り、これまで予定しておりました主な課題が一巡するということで、次回以降は、議題の2にございますが、市場問題プロジェクトチームの取りまとめに向けた議論を行っていきたいということで、本日の資料は、液状化対策と市場プロジェクトチームの取りまとめに向けての課題、今後のスケジュールという2つを用意しております。
 まず、今日の課題でございます液状化でございます。
(資料1 2ページ)
第7回のPTのテーマということで、大規模地震が起こった場合に、豊洲市場で液状化が生じ、汚染物質が、汚染土壌が地表に噴出してくるのではないか。
 これを、建物の地下はどうか、建物以外の敷地はどうかと、道路の下はどうかと、この3つの場所に分けて、いろんな質問が寄せられていました。
 液状化して噴砂がある、砂が噴き出してくると、食料基地としての市場機能が発揮できなくなるのではないか、こういう御心配もございます。
(資料1 3ページ)
液状化というのは、東京圏で、3.11で経験いたしました。そのメカニズムを、東京都の都市整備局の手引に従いまして簡単に御説明しておきますが、建物の建っている地下がありますが、粘土層という水を通さないところまでに、いろいろな土の種類のものがあります。この中に、地下水、水が入っているということで、3.11の場合には、下町地域、海抜が低い地域で、かつ地下水位が高いところ、こういうところで液状化が発生をした。そうすると、地面に砂が噴き出してくる。こういう傾向があるということであります。
(資料1 4ページ)
次ページが、写真がありまして、液状化による噴砂の発生状況、あるいは液状化で地盤が緩むと家が傾く。こういうようなことが起こったわけであります。
 地震で、地面の中の水が揺さぶられて、水同士の結合がなくなって土壌が沈没したり、陥没したり、水が噴き出してくる。こういうようなことが起こって、写真のような被害が起きるというふうに説明されております。
(資料1 5ページ)
そこで、今日の質問、まずは基本的な質問ですが、豊洲市場の液状化対策はどういう考え方で設計されているのかということが1つ目。
 2、3、4が場所でございますが、建物の地下はどういう対策を講じているか。仮に、その建物の地下で液状化噴砂が起きた場合はどうするのか。
 3ですが、建物以外の敷地です。ここではどのような対策を講じているのか。
 これは説明していただきますが、敷地建物以外の液状化対策として技術会議で決めたのはレベル1だと。震度5程度の設計。どうして、レベル2、もっと大規模な地震のときの対応をしていないのかということでございます。また、液状化対策はしているが、仮に、その液状化対策、噴砂が起きたらどうするのかというのが同じ疑問でございます。
 4番目は、補助315号線の道路でありますが、この道路のところでは汚染土壌が残っております。この汚染土壌が液状化によって地表に噴出してくる懸念については、どういう配慮をしているのかということでございます。
 これの質問というのは、東京都は液状化対策を実施しているということですが、地震時に封じ込めた汚染土壌や汚染地下水が噴出してくることが懸念される。もしその場合にはどうするの。そういうことが起こった場合にはどうするのかというのが基本的な質問でございます。
 以下、体系的に地震と液状化、豊洲市場のケースについて説明していただくのは余りなかったということでございますので、今日は体系的に御説明をいただきたいというふうに思います。
 それじゃあ、よろしくお願いします。

(資料2 1ページ)
○基盤調整担当課長 基盤調整担当課長の安間と申します。
 私のほうで、豊洲市場におきます液状化対策について御説明させていただければと思います。
 今、座長からの基本的質問でございましたが、説明の順番としまして、まず、豊洲市場用地でどういう対策をしてきたのか、それに対して、レベル2、いわゆる大きな地震ではどうかということを、まず最初に御説明させていただいて、その後に、道路下でございましたが、連絡通路ということで、補助315号線というものがございます。そこの高架下の部分での説明をさせていただいて、最後、まとめというふうにお話をさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 まず、豊洲市場用地におけます液状化対策の経緯でございます。
(資料2 2ページ)
こちらにございますが、豊洲市場用地につきましては、土壌汚染があったということで、平成20年、21年に、専門家会議、あるいは技術会議、そういったところで提言、報告をいただきまして、それを踏まえまして、新市場整備方針を策定しています。
 そういった中で、22年12月から、そういった技術会議、そういったところからの提言を踏まえまして、建物敷地外、液状化対策について設計していたところでございます。
 23年3月でございますが、東日本大震災がございました。ちょうど設計しているところでございましたが、その際に、こちらの写真にございますように、豊洲市場用地におきまして、まだその当時は、まだ何もない、未利用地の状態でございましたが、ここにございますように液状化に伴う噴砂がございました。
 大小100カ所以上ということで噴砂痕を確認してございます。これが発生した当時には、その後、技術会議の先生に見ていただきまして、噴砂がどういったものなのかということを評価、確認していただいております。
 噴砂は部分的なもので、1カ所当たりの噴砂量も少なく、全体としては小規模だったというふうな評価をいただいているところでございます。
 その後、設計。その設計の中で、結果としまして、液状化対策はもちろん必要だということを確認するとともに、東日本大震災があったことを受けましても、引き続き、考えている設計で大丈夫だというふうなことも確認をいただいております。
 その上で、こちらにございますように、23年11月から土壌汚染対策工事を始めていく中で、まずは建物敷地以外の部分、そちらについて液状化対策工事を実施してございます。
 建物の敷地につきましては、26年2月からの建物建設工事に伴って液状化対策工事を実施してございますが、建物敷地の液状化対策につきましては、23年10月、このあたりでございますが、そこから25年2月までの間に、建物実施設計の中で設計等々を実施してきたというところでございます。
(資料2 3ページ)
次に、こちらが豊洲市場全体図で、液状化対策はどこをやったかという絵でございます。
 絵で塗られているところ、こちらが液状化対策を実施しているところでございまして、建物のオレンジ色の部分、それから、建物敷地以外の道路ですとか駐車場といった緑色の部分、こういったところを基本的に液状化対策をしてございます。
 市場の加工パッケージ棟というところに矢印がついてございますが、こちらは地下施設が設置されている関係で、液状化層、いわゆる液状化するであろう部分がなくなったということで、こちらは特に対策をしておりません。液状化しそうな地層というのがなくなったというところでございます。
 それからあと、白地の部分が2カ所ございます。こちらは千客万来施設用地ということで、こちらは民間の施設、事業者さんがこれから建物をお建てになる際に液状化対策もあわせて検討していただいて施工していただく予定であるというところでございます。
(資料2 4ページ)
では、その液状化対策は、実際に豊洲市場用地でどういうふうにしていったかという流れでございます。
 そもそもの液状化というところでいきますと、よく言われているのが、条件として大きく3つあるというところで、まず1つは、地質が砂質であるということ。それが浅い位置ですとか、例えば粒がそろっているかとか、いろいろございますが、まずは砂質地盤であるということ。それからあと、それが固く締まっているんじゃなくて、緩く積まれている、緩い地層であるということ。それからあと、地下水があるということでございます。
 そこに、ある程度強い地震、あとは、ある程度の時間に地震が発生することによって液状化が発生するという状況になります。
 今、御説明しましたように、砂質地盤で、例えば緩いような地層、土の締り具合ということになりますので、まずは地質調査のほうで、こちらございますように、土の締り具合等、そういったものを調査しまして、液状化判定の対象となる地層を確認してまいります。
 液状化しそうかどうか、液状化しなさそうかといったところで、その判定をした上で、設計しまして、液状化を、深さ方向はどこまでやるか、範囲をどこまでやるか、そういった対策方法、範囲を決定してまいります。
 設計しましたら、もちろん次は工事ということで、市場用地では、また後で御説明させていただきますが、砂杭ですとかコンクリート杭といった、そういった改良の杭、いわゆる、杭を地中に造成して地盤を締固めるという工法を採用してございます。
 最後、4番目でございますが、もちろん締固めをして対策した後、液状化が本当にちゃんとできているかということで、設計の目標まで地盤が締固められたかを、チェックボーリングというボーリングで確認するというふうな作業をしてまいります。
(資料2 5ページ)
今の流れの中で行きますが、まず1番目の地質調査でございます。
(資料2 6ページ)
豊洲市場用地ですと、液状化対策を検討するために、改良前の地質構成、こういったものを、こちらにございます8カ所で調査して地質断面図を作成してございます。
 この8カ所というのは、液状化の判定に必要な、例えば土質の試験ですとか、そういうふうなものをしているところでございまして、もちろんこれ以外にも、地質がどういったものかというのは、ほかのボーリング調査でも確認をしてございます。こちらはそういった液状化対策を検討するに際して必要な情報を持った調査ということで、この8カ所で行っております。
(資料2 7ページ)
この後、5街区、6街区、7街区と順番に図面をお示しさせていただきますが、ひとまず5街区のほうで代表的に御説明をさせていただければと思います。
 まず、先ほど地層、地質で、砂質というお話をさせていただきました。
 ここにございますように、粘土分の混ざり具合ということで、例えば地質の調査結果から粘土分がどの程度混ざっているのか、混ざり具合といったことで液状化判定の対象となる地層を確認してございます。
 今こちらにございます埋立層ですとか沖積層といったところの砂質土といったところを黄色く塗らせていただいているところでございます。
 埋立層は、浚渫土を埋め立てをした層でございますが、この沖積層というのは、埋め立てをしたような人工的な層ではございませんで、こちらは自然堆積の地層になってございます。
 先ほど、最初のほうで3.11、3月11日東日本大震災のときに噴砂が見られたというふうに御説明しましたが、そちらの噴砂した砂というのが、こちらの埋立層の砂質土でございます。当時、噴砂した砂を見たら、貝殻とかが多く見られたということでございまして、こちらの埋立層からの砂質土が、上に噴砂したというふうに判断させていただいているところでございます。
 こちらの調査につきましては、横にボーリングのデータ、こういったところでございますが、基本的に深さ1メートルずつボーリング調査を行っております。
 今、黄色に塗っているところが液状化の判定をする、対象となる地層でございますが、これ以外にも、例えばYc層といった、シルト層、粘土の部分でございますが、そういったところについても、例えば砂分が多い場合には判定の対象となることがございますし、こういった砂質土であったとしても、粘土分の混ざり具合によっては、液状化の判定というところからすれば、対象にならないということもございます。
 これは、あくまでも砂質土の埋立層とか沖積層ということで一律色を塗ったような次第でございます。
(資料2 8ページ)
次が、6街区でございますが、同じように埋立層ですとか沖積層と呼ばれるところの砂質土に色を塗っているところでございます。
(資料2 9ページ)
こちらも、7街区でございます。
 こちらにございますように、着色した層、例えば粘性土とございますが、先ほど言いましたように、部分的には液状化する層、しない層というのがございますので、それは、それぞれ1メートルずつの中で液状化判定をちゃんと見ていくというふうな形をとってまいります。
(資料2 10ページ)
次に、設計でございます。
 今の液状化対象となる層を対象としまして、液状化判定をして設計してまいりますが、
(資料2 11ページ)
まず、建物の建設地の液状化対策の設計でございますが、まず対策目標としては、中地震、レベル1相当ということで、下にございますが、震度5程度の、構造物が供用期間中に必ず遭遇するであろう中規模程度の地震。こうした地震が発生した場合でも液状化はしないということが目標でございます。
 それからあと、構造物の供用期間中に起こり得る最大級の地震、震度6強から7といった、例えば東日本大震災とか阪神・淡路大震災というような大地震、こういったレベル2相当が発生した場合、そうした場合でも液状化の可能性が低いということを対策の目標としてございます。
 目標の設定ですが、中地震は、先ほど言いましたように液状化しないということで、修復の必要があるような状態にはならないということが前提になりますが、大地震の場合には、そもそも補修、補強とかをしようと思っても、利用できないような壊滅的なことにならないように、地盤の過大な変位とかがないようにということで、ちゃんと利用できる、再使用ができるようにというようなところで設計条件を設定しているということでございます。
(資料2 12ページ)
今度は、建物建設地外。道路ですとか駐車場の、目標のレベルはどうかということでございますが、建物建設以外の部分ですと、まずは、先ほど建物下と同じようにレベル1の地震動、震度5程度でございますが、こういった地震動が発生してもまずは液状化はしないということで、ここは目標レベルとしては同じでございます。
 ただ、建物建設地外では、対象目標としては、冒頭、座長のほうからもお話ございましたように、レベル1の地震動を対象としてございます。
 これは、目標設計の考え方としては、まず市場用地での道路とか駐車場は構造物ということではないものですから、例えばレベル2の地震動が生じた場合には補修や補強なりで対応していくということがございます。
 そもそもの基準で、埋立地ということで、今回、港湾の施設の技術上の基準というものを使ってございますが、例えばトンネルですとか護岸ですとか、そういう構造物に関しましては、レベル2地震動ということで、こういう機能を確保するというのはございますが、トンネルとかがない、いわゆる普通の一般道路とか駐車場、こういったときには、機能を損なわないとか、そういったような要求の規定がないものですから、何かあれば補修、補強で対応できるということになるものですから、設計の中では、まずはレベル1の地震動が発生しても液状化しないということを対象に設計してございます。
(資料2 13、14ページ)
その設計をしまして、敷地に対してこういう工事をしましょうということで、こちらでございますが、液状化対策の平面図でございます。これは工法別に色を分けてございます。
 こちらの凡例というところを見ていただきますとわかりますように、ほとんどが、いわゆる締固めの工法でございます。
 ただ、締固めの杭が、砂であったり、コンクリートであったり、砕石であったりということになりますが、基本的には締固めをしてございます。
 一部、ここの紫色の部分が格子状の固化ということで、コンクリートの層を打ちまして、そもそも地盤が動かないようにする、もしくは、黄色の部分は浅層混合ということで、がちがちに固めるというような形をしてございますが、基本的には敷地全体に対策をしていて、ほとんどが締固め工法をしているというような状況でございます。
(資料2 15ページ)
今の締固め工法でございますが、こちらにイメージを載せさせていただいてございますが、まず、通常、一般的にはサンドコンパクションパイルという砂杭の工法でございますが、下にイメージがございますが、液状化しやすい緩い地盤があったときに、鋼管を地盤に打ち込みまして、砂を中に入れていきます。引き抜きながら、上下にさせていきながら、どんどん、どんどん砂を押し込んでいきまして、砂を押し込んでいくことによって周りの土が締固まっていくということで、締固めを行ってまいります。
 コンクリートの固化杭を使っているところが一部ございますが、これは液状化する層が、不透水層という、有楽町層、不透水層という層を貫いて、上と下、両方で液状化する層があった場合に、砂杭ですと、下から上に水が通過してしまう。そうしますと、場合によって汚染とかがあった場合には行き来してしまうということもございますので、こちらの水が行き来しないように水が通りにくいということでコンクリートの固化杭を使っているということでございます。
 これは、液状化する範囲がこの不透水層を貫くような形なのか、それとも不透水層よりも上の部分で液状化層があるのかということで分けてございます。
 一つ話を忘れましたけど、不透水層は、こちらの粘性土、粘土でございますので、こちらにつきましては液状化の判定、液状化ということでいえば、液状化はしない層ということになりますので、ここよりも上の砂のところ、砂質の部分で液状化するところを改良していくということになります。
(資料2 16ページ)
レベル1とレベル2で、建物下はレベル2でやりました、建物以外の部分はレベル1でしたといったときに、同じ締固めで何が違うかといいますと、締固める固さといいますか、どの程度締固めるかということが変わってまいります。
 具体的には、間隔を、建物の下は密にする。密にすることによって、ぎしぎしに固めているということになります。
 建物以外の道路とかですと2メートル間隔の配置でございますが、建物下ですと1.5メートル間隔で配置しています。
 ですので、イメージでございますように、1.5メートルで密にしますと、その分ぎしぎしに固まっていくということになりまして、強い地震があっても砂はぎっちり固まっているので動かないということで、大きな地震に対しても強くなるというふうな形になります。
 もちろん、場所によっては土のもともとの状態というのがございますので、レベル2だから密にしている、レベル1だから粗いということではなくて、それは土の状態に応じて変わってきますが、イメージとしては、レベル2のほうは密に対策をしているということで、基本的には、建物下は1.5メートルでやっているというような状況でございます。
(資料2 17ページ)
今の液状化の対策でございます。
 締固め工法でございますが、実際に、東日本大震災のときに液状化の被害がありました場所でも、こういった砂杭による締固め工法が、このときは2メートルの間隔で打っている事例でございますが、そうしたところでも液状化とかは発生せずに被害がなかった、効果があったということも実際に確認されているところでございます。こちらは参考までにおつけさせていただいております。
(資料2 18ページ)
今、その工事をして液状化の杭を打ち込むというところまでお話をさせていただきました。
 それに対して本当にちゃんと対策できているのかということで、液状化対策の効果の確認、チェックボーリングというものをしてまいります。
(資料2 19ページ)
こちらに赤ですとか青とかで、いっぱい点が打ってございます。
 これが対策効果を確認するためにチェックボーリングという締固め効果を確認するテストを行った場所でございます。
 ここにございますように、建物の部分で73カ所、建物以外、道路とか駐車場で61カ所で地盤の締り具合を確認してございます。
 このチェックボーリングの結果をもとにいたしまして、改良した地盤の液状化の判定を行いまして、安全率ですとか危険度、液状化に対してどうなのかということを算定してございます。ここの黄色の部分は、先ほど申しましたように、締固めというよりは固めている場所ですので、こういったところはチェックボーリングとかは特にしてございません。
(資料2 20ページ)
改良前後の土の締り具合と申します。
 これは、締固めにつきましてはN値という、ボーリングで実際に上から錘を落として、どの程度固まっているかということを確認しますが、ここの各数字が、まず地層がございますHsと書いてあるのが埋立層の砂質、それから、Ysと書いてあるのが沖積層、自然にたまった層の砂質、そういったところが、改良前にある数字が、改良後に上がっているということを確認いただけるかと思います。
 こういったことで、実際にどの程度締固まっているかということで改良地盤の液状化がちゃんと締っているかということを確認してございます。
(資料2 21ページ)
先ほどのチェックボーリングの結果をもとに、それぞれの液状化判定をしたものが、こちらでございます。
 まず、建物建設地の液状化判定でございますが、建物建設地の目標としては、中地震、5程度のレベル1相当が発生しても液状化しないという目標に対して、達成しているかということで、何もしていない状態で、ここではFL値という液状化に対する安全率というのを用いてございます。これが1を超えていれば液状化しないと判定されるものでございますが、改良していない状態、いわゆる何もしていない状態ですと、FL値は、ここで数字を見ていただけますように、1よりも小さいというのが確認いただけるかと思います。それが、改良後ですと、右側にございますように、全てFL値が1よりも大きくなっているということが確認いただけるかと思います。
 中地震、いわゆる5程度の地震が発生しても液状化しないという目標、これが達成できているということが確認いただけるかと思います。
(資料2 22ページ)
建物建設地の場合には、もう一つ、大きな地震、レベル2相当、6強ないし7といった地震が発生しても液状化について可能性が低いんだというふうな目標を持ってございます。
 こちらにつきましては、Dcy、もしくはPL値。このDcyというのは、液状化によりまして地表が変位する量。それからあとPL値でございますが、こちらは液状化の危険度というものでございます。こちらで判定してまいります。
 ここにございますように、建物下につきましてはDcyという地表の変位量が5センチメートル以下で、液状化の程度は軽微と判定される。もしくは、PL値でございますが5以下で危険度が低いと判定されるというところでございます。
 座長の、先ほどの液状化のメカニズムでもございましたように、液状化しますと地表で変位が生じるということになりますので、その変位がどの程度のものかというふうなところ、あとは、地層1メートルごとにどの程度の危険性があるのかということを積み上げていったもののPL値というもので確認してまいります。
 こちらで、それぞれ判定していきますと、これが下のグラフにございますが、先ほど言いましたDcyという変位量がまず5センチメートル以下ということで、5のところに青い線がございます。それからあと、PL値という危険度も5というところに線が引いてございます。
 この5と5の中に入っているかどうかということでございますが、改良対策をしない場合には、はみ出しているものがございますが、右側のほうを見ていただきますと、それぞれ5と5の間の青い線の中におさまっているということで、これは変位、あるいは危険度が低いところ、軽微だというところにちゃんとおさまっているということになりますので、当初目標としていた大地震が発生しても液状化の可能性が低いということは達成されているというふうに判定しております。
(資料2 23ページ)
次に、建物建設地外、こちらは道路とか駐車場でございますが、こちらは、当初目標としては、こちらにございますが、中地震のときに液状化しないということでございますが、座長からの質問にございましたように、建物と同じように、レベル2地震動で液状化をして噴砂とか噴水、こういったものが生じることはないのかということでございます。
 こちらにつきましては、チェックボーリングの結果をもとにプロジェクトチームのほうに御報告をさせていただいて、実際にどうしたらいいのかというふうなことを御相談させていただいたところでございます。
 そうしたところで、港湾の基準に準拠した改良効果は十分に得られているという中で、レベル2地震動に対する安全性について、先ほど見ました建物建設地の基準を適用して、中地震とか大地震の液状化に対する安全性を検証するように御指導を受けたところでございます。
 港湾の基準でいきますと、先ほど言いましたように、トンネルとかではない、いわゆる平面の道路とかになりますと、なかなかレベル2ということの要求性能がないものですから、そういったことで建築の基準を使ってはどうだというふうな御指導を受けたところで、評価させていただいたところでございます。
(資料2 24ページ)
まず最初でございますが、建物建設地外の液状化判定結果ということで、先ほど建物下と同じように、まず中地震のレベル1が発生しても液状化しないという目標が達成しているかどうかということでございますが、こちらにつきましては、先ほど、建物下と同じように、道路とか駐車場、建物以外も、FL値という安全率は1を全て超えているということで、こちらは液状化しないというふうに確認できたところでございます。
(資料2 25ページ)
次に、その大きな地震、レベル2相当の地震が発生して液状化の可能性が低いと言えるのかどうかというところでございます。
 先ほど、建物下につきましてはDcyという変位量が5以下、PLという危険度が5以下というふうに説明させていただきました。
 道路とか駐車場につきましては、そういった建物下、杭に例えば影響が生じるとか、そういったことがない平面の部分でございますので、阪神大震災とかの被害の事例結果から、こういった場合にはDcyは10以下、あるいはPL値も10以下におさまっているということで、こういったレベル2相当の地震が発生しても液状化の可能性が低いんだというふうに、満足しているというふうに判定されるということでございます。
 こちらにつきましては、それぞれ10と10のところに線を引いて、この中に入っているかということでございます。
 まず、改良前の地盤につきましては、枠をはみ出ているものもございます。
 改良後でございますが、点が5街区で1個はみ出ているところがございますが、それ以外につきましては、まず10と10の中におさまっている。5と5との中にかなりおさまっていて、かつ10と10の中にもおさまっているというような状況でございます。
 ここにございますように、1個はみ出ている点がございます。
 地表の変位が大きいもの、これにつきましては、クリアしない場合には、もう一つPL値というもの、それも見ながら安全かどうなのか、液状化の可能性はどうなのかというのは総合的に判断という表現がございます。こうしたところで、変位は12から13ということで少し大きいんですが、PL値のほうが5程度ということで、安全度、危険度については低いというところから、こちらにつきましても、総合的に液状化の可能性は低いというふうに判定できると考えてございます。
(資料2 26ページ)
こちらは参考までにおつけしたところでございますが、3.11で噴砂が起きたというのを御説明させていただきましたが、3.11の豊洲市場用地で起きた地震動で実際にどういうふうになったかというところでございます。
 まず左側でございますが、青い線よりもはみ出ているものが何点かあるということが御確認いただけるかと思います。
 それから、それに対して右側のチェックボーリングの結果を同じようにしてございますが、御確認いただけますように、10と10の中におさまっている。基本的には5と5程度のところにおさまっているということで、改良がしっかり行われているということが確認できるかと思います。
 ちなみに、豊洲市場用地で発生した3.11の地震動でございますが、一番下にございますように、震度5で、最大加速度240ガルというふうな地震動があったというところでございます。
(資料2 27ページ)
そういうことで、今、御説明しましたように、市場用地につきましてレベル1、レベル2、大きな地震、中規模な地震に対して液状化が発生するかどうかということを御説明させていただきました。
 次は、補助315号線高架下用地の噴砂、噴水対策でございます。
(資料2 28ページ)
市場用地がございますが、そのうち水産卸と水産仲卸売場棟をつなぐ補助315号線という高架道路の下に連絡通路がございます。
(資料2 29ページ)
上に桁がかかっている、これが補助315号線の高架道路でして、その下に連絡通路がかかっているというようなところでございます。この連絡通路自体は、下の地面とは接していなくて、少ないところで10センチメートル、大体50センチメートル程度のすき間があいているというようなところでございます。
(資料2 30ページ)
補助315号線高架下用地ということで、下の部分にポンチ絵が描いてございます。
 315号線というのが画面に向かって走っていまして、こういった感じで5街区と6街区を結ぶような形で連絡通路がございます。
 まず、こちらにつきましても汚染がございました。
 汚染があったんですが、真ん中に緑色の丸が3つございます。こちらは東京ガスさんのガス管、中圧管が入ってございまして、掘削していったときに、こちらに変位、影響を与えないようにという条件がございましたので、汚染土壌につきましては、APの4メートルという赤い線入ってございますが、これよりも上の部分、こちらを掘って土を入れかえる、砕石とかこういった、ほかのものを入れかえていますが、4メートルよりも下の部分にある汚染につきましては、これはもう、こちらのガス管のほうに影響が生じてしまうということで、掘るとか対策するということができてございません。
 ですので、まず土壌汚染につきましては、こちらにございますように、AP4メートルまでは入れかえて、そこから下は残っているという状況でございます。
 残っている中で、上に上がってこないようにベントナイト混合土層とか舗装で封じ込めをしているというところでございます。
 一方で、今日の話の主題でございます液状化対策でございますが、ガス管のところに、近くで対策をしますと影響が出てしまいますので、離れたところで、ここだけは部分的に液状化対策をしていますが、基本的には真ん中の色を塗っていないところは何もしていないような状況というところでございます。
 結論として、ここの部分につきましては、液状化対策していない層、それから、そもそも汚染土壌が何もせずに残っているというような状況というのが高架下でございます。
(資料2 31ページ)
こちらにつきましては、液状化の対策はしていない、汚染の土壌も残っているという前提で、ここにございますように、レベル2の大規模な地震が発生した場合であっても地表に噴砂、噴水とかが出ないように対策を講じているというところでございます。噴砂、噴水、液状化をすることは前提としまして、それであっても上に出てこないということでございます。レベル2の地震動ということで、大きな地震が発生した場合に、ここで揺れが生じまして、どの程度の噴砂、噴水が生じるかということを計算してございます。
 そうした噴砂・噴水量をもとに、上に来ないように間隙、空隙があるような砕石層を設けてございまして、この中で上に上がってきた水とか砂を吸収するようにしてございます。必要な厚さというのが、計算上では65センチメートルでございますが、65センチメートル、100%埋まって処理できるということになってしまいますので、安全側を見て、2倍の厚さで1メートル30、130センチメートルの砕石層を設けて、上に上がってきたとしても、ここで吸収できるようにということの対策を講じてございます。
(資料2 32ページ)
 長々と御説明させていただきましたが、まとめということで、建物建設地につきましては、当初目標としまして中地震のレベル1、震度5程度、それから、大地震、6強といったところに対しまして、目標とした、液状化に対する改良効果が得られているというふうに考えてございます。
 一方、建物建設地以外、道路とか駐車場でございますが、まずレベル1地震動に対しましては十分な締固めがなされているということを確認した上で、大地震、レベル2相当に対しましても液状化の可能性が低い状態になっている。そういう確保ができているということも確認できたものと考えております。
 一方で、補助315号線高架下につきましては、液状化に伴う噴砂、噴水が生じるとした上で、レベル2の大規模な地震が発生しても、地表に噴砂、噴水が起きないように考慮した対策を講じているというところでございます。
 長々と御説明して申しわけございませんでした。以上でございます。

○小島座長 ありがとうございました。
 座長から1点だけ質問しますが、一番最初、2ページの写真がありましたよね。これが液状化対策の前に豊洲で起こったことですね。
 それから、液状化対策をした例として、浦安がありましたね。17ページですね。
 液状化対策をすると大丈夫という実例が挙げられているということです。
 26ページに、いろいろと同じ表があるんですが、左から右へ移る。液状化対策をする。縦軸がその危なさ程度ですよね。横軸がどれだけ土が動くか。
 赤線を見ると、危なさ程度はそんなに大きくはないが、動いたときには、5センチメートルないし6センチメートルぐらい動くということになるわけですね。横に伸びているときには。余り危なくはないですが、起きたらそのくらいは動きますよという、そういう図になっているわけですよね。
 そこで、5センチメートル動くとか10センチメートル動くというのは、一般の人の感覚からいうと、液状化のイメージで、どういうイメージになるんでしょう。
 先ほどの図でいうと、左でいうと、11センチメートル動いたのが、最初の、対策前の豊洲の絵だと。5センチメートル以内におさまっている、2センチメートルだとか3センチメートルだとか、その分が動く分には、浦安のああいうような対策をした場所で、もうほとんど影響がない。こういうふうに理解すればいいんですか、一般的には。

○統括課長代理(基盤整備推進担当) 御質問をありがとうございます。
 このDcyですとかPL値というのは、変位量というのは、液状化する層を対象に、その層がどのぐらいひずむかという、ひずみ量というのをグラフから読み取って、この数字を出すわけなんですが、それなので、実際に5センチメートル動きますとか10センチメートル動きますという、数字自体が動く物理的な移動量そのものをあらわしているわけではなくて、その目安というか、計算値、指標値なのです。
 それで、ここにお示ししているように、大体、東日本大震災が発生したときのPLとかDcyをプロットしたときに、実現象としてどんなものが起こったかというのが、このプロットと実現象を対比していただけるようにお示ししているので、これが5、6街区で何カ所か小さい噴砂が生じたというのが、Dcyで大きくて12ぐらいのときに、あのぐらいの量でしたよというのをお示ししているものとイメージしていただければよろしいかと思います。

○小島座長 補足をお願いします。

○時松氏 配付資料の43ページで、一応そのDcyという変位量とPLという値が出てくるんですが、これは実際にそのくらいの数字が出るほどの精度は、現実はなくて、そういう値で、もし液状化した場合に、液状化の程度というか、激しさがどのくらいかという、設計者に対してイメージを与えるということでできているもので、PLだと、5以下だと液状化しないか、しても軽微。Dcyに関しても、5以下、あるいは5から10以下で液状化の程度は、なしから小という感じで、かなり安全側につくっていますので、こういう値が出ていても実際には液状化していないケースはかなりあるということです。
 改良前の値は10を超えるような値になっていますけど、そういう場合には注意して液状化対策をするというような指標として使っているというのが実際だと思います。

○統括課長代理(基盤整備推進担当) 今、委員が御助言いただきましたとおり、参考資料の44ページのところに、基準のほうから引っ張った文章を載せさせていただいているんですが、委員がおっしゃったように、こういう指標が実現象とどのぐらい、指標に対応しているのかというのを、いろんな有識者の学者さんですとかが、兵庫県南部地震の被害事例をもとに分析しているんです。
 私がつくりました26ページの図のように、実現象とその地盤の特性というのを、兵庫県のポートアイランドですとか六甲アイランドのところでこういう図をつくって、5から10ぐらいだと実現象で沈下は生じてないというのを見て、指標の妥当性をチェックした上で、5から10なら大丈夫とかというような判断をする指標として使っているという数字でございます。

○小島座長 ありがとうございました。
 いつも、土木でも何でもそうですけど、こういうグラフと実際の現象がどういうふうに関係しているのか、実証されているのかという、前も河川の話とか、いろいろなお話をして、いろんな計算が出てくるんですけど、それが本当に実測と合っているのかとか、そういうところがすごく問題で、生活している場合には実測のほうが問題で、計算が合っていてもだめなものはだめなんで、計算と実測がどういう関係にあるのかという、そのイメージを聞いたものです。結構です。
 井上先生、いかがでしょうか。

○井上氏 非常に単純な質問から。
 チェックボーリングというのは、要するに、液状化対策が終わってすぐやられているのか、時間をある程度置かれてやられているのか、その辺はいかがでしょうか。

○基盤調整担当課長 工事が完了した後ですので、間を置かずにやっております。

○井上氏 先ほどのグラフでも、当然、チェックボーリングやられた後のデータというのはいっぱいあるんですが、それ以前の、改良前の地盤というのは数が少ないとは思うんですが、ここの地点と、一番最初に地質調査をやったときの、資料の6ページですね、位置と、今のデータでプロットされた点というのは、何か相関されているのか、また違う点で捉えているのか、その辺はいかがなんでしょうか。

○統括課長代理(基盤整備推進担当) 改良前のグラフに落ちている8つのポイントは、調査位置図で示した8つのポイントと整合しています。
 それで、5、6、7街区で、色分けを赤、青、緑でしていますが、5街区の赤い点が2個あるのは、調査位置で示している、それぞれ7と8の2点を示しているという形で整合しております。8つございます。

○井上氏 それから、ついでに、26ページですか。こちらの建設地のほうのデータの改良前というのは、これはどこに対応するんでしょうか。
 建設地外と建設地とあって、それぞれ七、八点ずつ出ているかと思うんですが、そこの対応がはっきりわからなかったんですが。

○統括課長代理(基盤整備推進担当) 25ページの改良前地盤の3.11被災時の左側の図ですね。こちらの8個の点も、先ほどの地質調査位置の8点になっていまして、その8点の土の締り具合ですとか粘土分の混ざり具合をもとに計算したプロットになってございます。
 なので、同じように22ページの左側の図も同じ8ポイントを使っているんですが、どうしてプロットの位置が違ってくるかといいますと、建物の下のところは上に盛り土がない状態の、地下水と地表面が同じ位置ですので、ちょっと危険度が高い状態になっていまして、25ページのほうは上に盛り土が乗っかっている分だけ、同じデータを使ってもちょっと低い数値になっています。

○井上氏 同じ場所のデータを使っているけど、前提条件が違う。よくわかりました。
 あと、参考資料のほうでつけていた、一番最後の46ページになりますが、これが現時点での地下水位のデータかと思うんですが、例えば7街区の一番左側のほうは、非常に地下水位が高くなった場所が局所的にあって、ほかの街区でも、割とポイント的に地下水位が高くなっているようなところがあります。
 これと、例えば改良工事との関係とか、あるいは、その他の汚染対策とかの関係もあるのかもしれない、何かその辺の因果関係みたいなものはあるんでしょうか。

○基盤調整担当課長 はっきりと因果関係を求めたというところではないのですが、例えば、7街区の、今、委員からお話があった左側の部分のところは、19ページを見ていただきますと、紫色の部分ございまして、これは、格子状固化ということで、どちらかというと壁みたいな形になってございます。
 コンクリートの壁みたいなものをつくっているような状態ですので、場合によっては、こういった影響もあるのかなとは思うんですが、ただ、一つ一つ、例えば、高いところ、低いところをつぶさに見ていってというところまでは至っていませんが、7街区に関しては、今おっしゃっていただいた紫色の格子状固化があるので、こういった部分もあるのかなというふうなところは若干想定ということはございます。

○井上氏 最後に、これは非常に素人的な質問になってしまうんですが、地下水位が目標値よりもかなり高い状態のところが部分的にあって、そういう状態と液状化が、もし仮に今何か大きな地震が起きたとして、そのときに何か問題が起きたりしないか、そこを教えていただけないでしょうか。

○統括課長代理(基盤整備推進担当) 委員の御指摘のとおり、今は計算条件の時点よりも地下水位が高い状態になってございまして、私のほうで、後ろの参考資料(資料2 46ページ)につけさせていただいた地下水位の中で、例えば今お話の出ました7街区の左側のほうで、4という地下水位があるんですが、こういうのも大分当初より下がってきていまして、依然として、これから下げていくことを目指していくんですが、仮に4の状態で液状化判定を同じように試算してみましたが、やや不利にはなるんですが、大きな問題はないということを計算では確認してございます。ありがとうございます。

○井上氏 どうもありがとうございました。

○小島座長 菊森先生、どうでしょうか。

○菊森氏 豊洲市場の敷地内及び、特に建物が建っているところについては、今御説明のとおり、ほぼ対応策が立てられているというふうに、私も理解させていただきました。
 私の質問は、市場というからには、市場機能というものを満たさないといけない。
 そうすると、卸さんも仲卸さんも運送業者さんも、当然そういった方々が出入りするということになります。産地がどこにあるかは別にいたしまして、東京都全体から見た場合に、豊洲の埋立地に至る道路であるとか、あるいは、そういった基本的なインフラが、3.11のような、ああいう不幸な地震が起こった場合に、どの程度寸断されて、市場機能が満たせなくなる日数はどれぐらいかかって、それをどう対応していくのかということについて、事業を継続するための一つの計画のようなものでありますけど、BCPみたいなもんですけども、そういったことについて、どの程度、御検討されたのか教えていただきたいと思います。

○基盤調整担当課長 まず、いわゆるインフラという部分でいえば、市場敷地内は、今、御説明させていただいたところでございまして、今度、道路とかになりますと、これは防災計画なり、あるいは緊急輸送道路なり、そういった中で、それぞれ道路の持つ機能、重要度がございます。
 あと、例えば橋梁とかトンネルとか、そういった構造物については、そういう地震があったときに壊れないのかどうなのか。
 それは、私どもの市場というよりは、それぞれ道路管理者の管理者なりが、そういったところで基準にのっとって適切に設計施工をしていて機能を果たせるようになっているというふうに考えてございます。

○菊森氏 実際に、かなり大規模な建物を建てたり施設を整備する場合に、この施設については市場機能というものをどのように確保するかということが最大使命ではないかと思うんです。
 そうであれば、その市場の実際のユーザーといいますか、業者さんたちがどのように動くのか、その人たちに支障がどの程度出てくるのかというシミュレーションは当然やってしかるべきだと思うんですね。
 これは市場部門であろうが、なかろうが、そういった東京都庁として、そういった横串といいますか、組織横断的にそういった検討をしておくべきではないかと私は思います。
 以上です。

○小島座長 何かコメントはありますか。大丈夫ですか。
 どうぞ。

○建設技術担当課長 直接のお答えになるかはわかりませんが、耐震性能につきましては、これまでも御説明したとおり、重要な施設ということで、1.25倍の耐震強度の前提で設計をしている。それから、あとは先ほどの、そこまでに至る道路はどうなのかというところにつきましても、重要度に応じて適切に対応しているというところしか、今日はここまでですが、そんな形で対応していると考えております。

○小島座長 森山さん、どうぞ。

○森山氏 私は3つほどあるんですけど、1つ目は、今回、液状化対策を決めるに当たって、参考資料の39ページ等を拝見しますと、まず、地表面から20メートルまでの範囲を調査対象、判定対象となさったということだと思うんです。
 それで、20メートルまでを調査対象として、実際にどういう対策をとられたかというのが14ページで色分けされている、いろんな締固め工法であるよという、そういう御説明ですよね。それを前提となる調査というのが、7ページあたりに示してある8つのボーリング調査をもとにやりましたと。
 特に質問としては、5街区、6街区、7街区もそうなんですが、黄色い地層部分が砂系統なので、液状化対象になる地層なんだという御説明があるわけですけど、結局、20メートルまでの深さを、この黄色い層を挟んだYc層というところも含めて、縦に締固めのサンドパイルを打たれているという、そういう考え方でよろしいんでしょうか。
 20メートルまでが調査対象になっていて、20メートルの中が液状化の判定を行っているということですので、この敷地全体、全て20メートルの深さまで、そういった工事をされているということなんですかね。

○基盤調整担当課長 判定は20メートルですけども、対策としては、まずYc層自体が液状化しない粘土層ということで、基本的にはその粘土層よりは上の部分でしてございます。
 先ほど、コンクリート杭という御説明しましたが、あそこはYc層、粘土層が薄いもんですから、そこの部分も含めて上下をまとめて対策する必要があろうということで、そこはコンクリート杭をしているということで、基本的にはYc層より上の部分でございます。

○森山氏 とすると、場所によっては深さが違うという、そういう考え方でしょうか。なるほど、わかりました。
 あと、2つ目の質問としては、先ほど、菊森委員のほうから、建物以外のというか、豊洲以外のインフラのお話もあったんですけど、実際に豊洲の建物だけを見たときに、建物と、建物以外という切り分けが、実際は市場ですので切り分けしづらい。外部通路といいますか、特に幹線道路から入ってくる空中に浮いている通路もありますから、あそこはどちらかというと工作物的な、建築物的な場所にもなっていますので、そういう意味でいうと、そういう機能を持っている道路部分というのは、実際には建物同等のレベル2の一応検討をされるべきではないかなというふうに思いますが、それはいかがでしょうか。

○基盤調整担当課長 今お話しいただきましたように、道路という道路、建物外というのは、あくまでも外構の部分でございまして、その建物と一緒につくっているような部分というのは、要は建物としてやっていますので。

○森山氏 周辺に取り巻いている道路は、建物と同等に厳し目に見ているということですか。

○基盤調整担当課長 いわゆる平面の外構道路はレベル1ですが、建物に乗っかっているといいますか、あの道路は建物のほうの設計でございます。

○森山氏 最後に、これも敷地との境目のことになると思うんですけど、いわゆる護岸工事、6ページにある緑のラインというのが、必ずしも土地の境目を示していないですよね。
 そこから外に、運河に向かって護岸があるわけですけど、そういったところと、敷地との液状化問題ですとか、あと、護岸に向かって側方流動が起こるんじゃないかって言われている。そういったことに対しては、今回検討はどうされているんですかね。

○基盤調整担当課長 まず、護岸につきましては、実は、11年から18年に整備をしてございます。
 こちらにつきましては、国の海岸保全施設の基準ですとか、港湾の技術用の基準に基づいて設計して、施工を実際にしているのは港湾局でございますが、そういうふうに伺っております。
 護岸につきましては、サンドコンパクションなり、ドレーンなり、そういったことで液状化対策を実際にしているということは承知してございます。

○小島座長 今の、森山さんの1つ前の質問なんですが、建物の下と建物外、建物外の外周道路ですよね。
 建物外はレベル1なんですよね、対策自体は。効果がレベル2相当ありますよというのが答えですよね。
 声がこもってよく聞こえなかったんで、そこを正確に答えていただけますか。

○基盤調整担当課長 まず、建物外はレベル1で設計して、レベル1の液状化しないということを確認した上で、今回、レベル2がどうだったかということを確認して、大丈夫だということを確認しているということでございます。

○小島座長 それでいいですか。

○森山氏 それに関しては、よろしいです。
 もう一つ追加で、先ほど、20メートルまでは調査対象にしましたが、実際には、砂質の土地の間にYcが入ってきている場合は、上のほうだけで考えましたという御説明だったと思うんですけど、これは、実際にYsという一つ下の砂質土のところは液状化の判定は出ているわけですよね。液状化する可能性があるという。
 これはサンドイッチされている状態ですけど、無視できるもんなんですか、間っていうのは。それが気になりました。

○基盤調整担当課長 まず、1つとしましては、Yc層よりも上の部分を液状化対策するということで、あと、今は地下水位が若干高目ですが、6.5メートルから地下水のない層というのもございます。
 そういった中で、Yc層とあわせての液状化しない層というものの厚さがある程度あるという中で、それよりも下のところで仮に判定があったとしても、それが液状化をしたときに、どの程度影響があるかという中で、総合的に判断して設計した上で、そちらについては対策をしなくてもよかろうということで判断してございます。

○統括課長代理(基盤整備推進担当) 補足なんですが、今、委員がお話しいただいた、20メートルまで判定するということを参考資料のところで言っていただいたんですが、その前のページに、参考資料の④、37ページのところに、判定深度とは別に対策深度の考え方というのを示させていただいていまして、それなので、判定深度と対策深度というのは、このような考え方の違いで異なっていますよというのを補足させていただいています。
 それと、地質想定断面図を見ていただきまして(資料2 9ページ)、例えば、7街区の、図でいうとB側です、7Bという側で、Yc層の下にYs層がございます。建物外の部分では、このYs層については、Yc層が厚くあって、その上は液状化対策をするので、この辺が局部的に液状化しても地盤被害は生じないだろうということで対策はしていないのですが、建築のほうでは、もともと大地震で見ているということもありまして、このYs層まで貫いて対策しているというような違いがございまして、その辺は、設計した地震動によってですとか、あとは、守るべき施設の特性によって対策深度も異なっているというような状況になってございます。

○小島座長 今、道路の話で、28ページですが、道路のところで地震が起きて、仮に液状化が起き、砂が出てきたという場合に、これも、僕は、最初はよくわかんなかったんですが、道路って、道路担当の領地というと変なんだけど、役所の縦割りでいうと、道路局、道路関係部局が全部面倒を見るわけですよね。
 地震が起きて、いろいろと不都合が起きたら道路局が責任をもって改修するということになっているんですが、ここは道路であっても、色が塗っている部分は、もし地震で液状化、不都合が起きたら、これは市場のほうが責任を持ってやる分野ということですか。そういうふうに道路担当部局と分けているという。
 境目があるからわからないんですが、例えば、十字路のほうに向かったところは色が塗ってないんですけど、あっちのほうで、もし液状化で不都合が起きたら、それは道路局だけど、あの塗っている部分で不都合が起きたら市場が対応すると、こういう仕分けになっているということでしょうか。

○基盤調整担当課長 今のお話は、ここの部分と、あと、こういったところのお話ですよね。まず、こちらの連絡通路の部分につきましては、市場のほうで水産卸と水産仲卸をつなぐ連絡通路を通すということで、道路のほうを上げていただいていまして、こちらは、市場以外で一般に通るような場所ではないので、噴砂とか、今は起きないようにしていますが、何かあったときの対応というのは市場側になると思いますが、塗っていないほうは、もちろん道路部分ということで、基本的には道路というふうに理解しております。

○小島座長 ありがとうございました。
 道路の下も道路局の所管ですよね、多分普通は。だから、それで聞いたんですけど。
 そのほか、いかがでしょうか。竹内さん、ありませんか。佐藤先生、ありませんですか。
 どうぞ。

○森高氏 確認なんですが、時系列で説明されてないのでよくわからなかったのですが、最初に、お手元の資料の2ページで、平成22年に建設敷地外の液状化対策の設計をされたということで、建物内はその後ですね。そういう理解でよろしいんですか。
 建物外が平成22年に液状化対策の設計をされていますが、建物内の液状化対策の設計は?

○基盤調整担当課長 建物部分は23年10月から25年2月に実施設計をしていまして、そこの中でやっております。

○森高氏 そうですか。工事も、そうすると2回に分けてやられているという理解でよろしいんでしょうか。

○基盤調整担当課長 はい。最初に建物外のほうをやりまして、その後、26年2月以降、建物工事が始まったときに、2ページですが、対策工事をしている。

○森高氏 そうですか。資料の14ページに建物内と建物外で区分された図がありますよね。
 資料2の7ページ~9ページのボーリング調査の地質断面図を見ていると、APプラス6.5メートルといって、今の地盤レベルよりまだ高い箇所があります。
 今は5街区、6街区、7街区って、今の地盤レベルが、6.5メートルで、巨大な基礎ピット底の地盤レベルは、APプラス2.0メートルです。そうですよね。
 そうすると、実際のボーリングはその工事の前にやられているんですね。地盤レベルは結構うねっていますよね。

○建設技術担当課長 基本は、APプラス2.0メートルまで液状化対策工事をしているというところで、そこでチェックボーリングをしている。

○森高氏 APプラス2.0メートルより下は液状化しないのか。

○建設技術担当課長 液状化対策工事は、APプラス2.0メートルより下については、20メートルの範囲内で。

○森高氏 やっているわけですね。

○建設技術担当課長 やっています。

○森高氏 質問は、そうすると、建物周囲はAPプラス6.5メートルありますから、厚み4.5メートルの土は、後で盛り土されたという理解でよろしいんですか。

○基盤調整担当課長 施工の順番として、基面の下でやっているところもあれば、施工の順番として上から施工しているところも中にはあります。

○森高氏 聞きたかったのは、後から盛り土したときの、盛り土のスペックってどうなっているのかというのを聞きたかったんですよ。

○基盤調整担当課長 盛り土のスペック自体は、要は30センチメートルごとに転圧して。

○森高氏 それは外部から持ってきたんですかね。

○基盤調整担当課長 建設発生土なり、土を持ってきて、それを締固め。30センチメートルごとに。

○森高氏 締固めながら30センチメートルごとに埋め戻したと、そういう理解でよろしいですか。

○基盤調整担当課長 はい。

○森高氏 わかりました。ありがとうございます。

○小島座長 よろしいですか。
 時松先生、何かコメントは。

○時松氏 事前にいろいろと気になるところは質問して、今日発表いただいたので、特に、今日の段階で新たに質問することはございません。

○小島座長 ありがとうございます。
 梶田先生はいかがでしょうか。

○梶田氏 皆さんの御質問でほぼ解決しました。ありがとうございました。

○小島座長 3.11のときに、築地はどうだったのですか。突然質問しちゃってごめんなさい。
 さっき、豊洲の敷地があったもんだから、築地はどうだったかなという。

○基盤調整担当課長 多分、噴砂とか噴水とか、そういったところはなかったというふうに、聞かれたときには御答弁というか、お答えはさせていただいているかと思います。

○小島座長 ありがとうございました。
 それでは、液状化の関係はこれで終了ということで、どうもありがとうございました。
これから、次回以降のプロジェクトチームの取りまとめに向けてということで、各委員からいろいろといただいていたようなことを整理してみました。
(資料3 1ページ)
 私が整理いたしました検討の素材ということでございます。
 今後、取りまとめに入っていくわけですが、その課題とスケジュールということについて、お話をしたいと思います。
(資料3 2ページ)
築地ですね。豊洲です。この議論をずっとしてきたわけです。
(資料3 3ページ)
家移りですから、これは前も出した図ですが、いろんなことを考えて家移りをするわけです。
 実は、建物を見て、いい建物だなと。大丈夫かと。駅から近いかとか、機能は充実しているか。一番重要なのは、家賃は幾らかとか、あるいは、マンションだと積立金が幾らになるんだろうか。
 普通、家を買ったり、かわるときにはお金のほうから考えて、幾らしかないから、この辺ということになるんですが、大体、こういうようなことを考えて家移りをするというのが普通なんだろうなと思います。こういう議論をずっとしてきたというふうに思います。
(資料3 4ページ)
まず、第2回目ですね。
(資料3 5ページ)
構造安全性ですが、構造安全性については、建築基準法の適用、法律です。この前提となる考え方について整理する。法令の適用については行政当局の判断だと。
 なぜ、これを取り上げたかというのは、6街区の建物で、提出された構造計算書が10ミリ、実際の工事は150ミリ。設計図もそうだったんですが、このままではだめだということで、明確な誤りがあったので、これは一体どういうことなのかということでございました。
 審議をして、この是正が必要であることについては異論なく、この部分は法令上の問題ですから、建築基準法の担当部局が記載の訂正というものを確認の上で、12月に検査済み証を発出したという行政手続があった。
 この点については、高野さんの御指摘があって誤りが発見ということでございましたので、これについては感謝いたします。
(資料3 6ページ)
市場の方々が心配されていたのが、業者の方々が心配されている、床が抜けるんじゃないかという、こういうことについては、もともと市場としての使い方、それに対応した床の積載荷重というのが設定される。
 日建設計から御説明を受けまして、そういう利用がなされるということであれば、700キログラム/平米は適切である。
 説明の中で、ターレの使用ということが基本で荷重を算出していただきました。フォークリフトの点も出てきました。1.5トンのフォークリフトだったと思いますが、そういうフォークリフトを使っても大丈夫という説明がありました。
(資料3 7ページ)
 大きく議論になりましたのは、地震のときの考え方で、地下ピットでありますが、日建設計の考え方は、委託を受けた設計事務所の判断に任されている事項で、建築基準法ではそういう日建設計の考え方も許容されているということで、それを確認して、建築基準法の部局は検査済み証を発出した。
 何でもかんでも細かく全部、箸の上げ下げから法令に決めているわけではありませんので、その範囲内で適切であるということでありました。
 高野さんの考え方。
 地下1階をベースにして計算すべきじゃないかというのも、これも高野さんが委託を受けた場合にはそういう構造計算をすることもあり得るということであります。それが誤りということではございません。
 ただ、建築基準法の所管部局というのは具体事例について判断するので、仮定のケースについてはそういう判断はないということでございます。
 専門家としての議論。
 どういうやり方がいいのかというのは、議論はあるだろうと。高野さんから専門家としての御意見をいただきました。それはホームページに掲載いたします。
 もし日建設計の御意見があればホームページに掲載いたしますが、これは専門的議論の掲示板ではございませんので、これを延々と東京都がやるということではございません。
 東京都としては、もうこれで終わりでございますし、PTとしてもこの整理をしたということで、これで終了というふうに考えております。
(資料3 8ページ)
 第3回の中で、使い勝手の話をしました。たくさんありますが、
(資料3 9ページ)
交通アクセスの議論だけ、課題として取り上げておきます。
市場を構成する人、生産者、出荷者から、市場に魚や青果が運ばれてきます。売り手があって、仲買がいて、買い出し人という方々がいます。
 消費者あっての市場ではありますが、その消費者とつなぐのが買い出し人、魚屋さん、すし屋さん、飲食店。こういうお客さん本位ということを考えれば、買い出し人の方々が一番大切ということでございます。
 この買い出し人の立場に立ってみると、どういうことになっているか。
(資料3 10ページ)
豊洲市場の交通アクセスは、東京都のホームページでございますが、ずれていくということで、大量輸送機関としては、ゆりかもめということでございます。あとは道路。
 こういうことになりますが、道路の問題は、仲買というか、買い出し人の人たちは、魚の仲買さんから買う、あるいは青果さんから買うというところが課題になるわけですが、ここから入ってくるか、ここから入ってくるか。前ここを議論いたしました。
(資料3 11ページ)
ここは、いずれにしても改善が必要。
 入口のところでこう入ってきまして、こういろいろ交差をしていくというところです。計算どおりに車が行けばいいんですが、大体渋滞というのは、一定の時間にたくさんの車が来るということでございますので、ここの改善をしなければいけないということと相まって、仲買の人がこっちから入ってくる、こっちから入ってくるということで、渋滞が起きる可能性はあるということでございます。
(資料3 12ページ)
買い出し人の方は、6街区の3階、4階というのを使うところでございます。
 もう一つ解決をしていない問題は、買い回りということです。
 築地の利点というのは、魚と青果が一度に買えるということでございますので、買い回りということが大切。この解決をしておかなければいけない。ここからここへ、こういうふうに回ってくる。一応、こういうバスを用意しているというのが今の解決手段でございます。
(資料3 13ページ)
築地は平面利用ということで、いろんなところから入ってくるということで、交通アクセスも買い回りということも非常に利点がある。これを豊洲でどういうふうに実現していくかというのがさっきの話です。
(資料3 14ページ)
コールドチェーン、品質管理というのを第4回で行いました。
(資料3 15ページ)
 この点も、日々どんどん進んでおりまして、平成28年1月、第10次の市場整備基本方針という農林水産省のものを見ています。
 これは3月に出した農林水産省のパンフレットから見ているんですが、市場整備の7つの基本的な考え方があります。このうちの経営戦略と、それから多様化するニーズへの的確な対応というのを取り出してみます。
(資料3 16ページ)
 経営戦略の確立ということで、競争力をつけていく。そのためのコスト管理ということも非常に重要だということで、市場の経営戦略を確立して、取り組みをしてください。これが基本的な考え方の1です。
 基本的な考え方の3。
(資料3 17ページ)
 このために農林水産省が例として挙げているのが、管理者制度の導入ということで、指定管理者制度の導入の事例、大阪府の事例、それから神戸市の事例、PFI手法の導入というふうに、農水省の基本的な考え方を第10次で例示しております。
(資料3 18ページ)
 次が、多様化するニーズへの対応ということで、ここでコールドチェーンの確立、HACCPに基づく品質管理認証の取得を通じた組織的、体系的な品質管理制度ということで提起しています。
(資料3 19ページ)
 その事例が、石巻の事例、それから、倉敷のISO22000を取ったという事例です。こういう事例が掲げられております。
(資料3 20ページ)
 そこで、豊洲市場のコールドチェーンについては、これはほぼ完璧ということでございます。いわゆる閉鎖型、そして温度管理ができるということで、これは大きな利点であります。
(資料3 21ページ)
 既存市場はどうなのか。農林水産省の改革の方向というのは、圧倒的多くは既存市場でございますから、既存市場はどうなっているかということで、築地を見てみますと、青果では低温下率が70%、水産では37%ということで、一生懸命やっているという部類に入るんだろうと、青果は。ということだと思います。
(資料3 22ページ)
 コールドチェーンなんですが、一番重要なのは、一生懸命やって市場会計がアップアップになっちゃいけないということですから、考え方の第一、経営戦略の確立ということで、ちゃんとそろばんをはじいてやっていかなきゃいけないということであります。
 そういう意味では、卸売場の低温化、これは市場の低温化ですが、全館空調というやり方もありますが、部分空調というやり方もあります。こればかりやっていると金がかかってしようがないということで、対応ができない。こういう考え方もあります。
 それぞれの財政事情を考えてやってくださいねということになっています。
(資料3 23ページ)
HACCP、これは前回やりましたが、EUは、それぞれの段階でHACCP認証を求めている。認定と登録というレベルは違いますが、認定というのはそれぞれの施設ごとです。市場全体がこういうものを取るわけではありませんで、それぞれの施設ごとにとっていくということであります。
 このHACCPというのが、これからの一つの流れということになります。
(資料3 24ページ)
このHACCPという品質管理の世界も日々進んでいて、先ほど例に出たISO22000ということは、HACCPをさらに進めていくということで、より広い対象範囲をカバーする総合的な食品安全対策ということで、ISO22000、FSSC22000という国際的な規格がございます。
(資料3 25ページ)
先日、3月25日の記者発表ですが、これは築地市場です。
 築地市場で第一水産が、これはISOプラスいろんなものがつきましたが、FSSC22000というものを取得いたしました。
 そういう意味では、既存市場でもHACCPであるとか、あるいはISOであるとか、FSSCであるとか、こういうことが可能であるということでございます。
(資料3 26ページ)
持続性であります。
(資料3 27ページ)
この持続性というのは、お金の話なんですが、いわゆる安全安心の経済的価値というものをどう考えるか。
 これは契約における瑕疵担保責任の議論にもなりますが、安心というのは気持ちの問題ではありません。土地の価格に反映する価値であります。通常のいわゆる土壌汚染のある土地の取引というのは、これが土壌汚染のない土地の価格としますと、対策費用、それとスティグマという嫌悪感ですね。
 一番端的なものは、殺人事件があった家の血のりがべっとりとついた壁、この壁紙をきれいにした。いいうちですねといっても、この問題があって値段は随分下がってしまいます。なかなか買い手がいないということもあります。
 ですから、そういう気分ということだけではなく、これが土地の価格、不動産の価格に反映する価値ということであります。
 そういう意味では、行政法上の安全対策以外、民事上の安全対策費用、あるいは嫌悪感を払拭するための安心対策、こういうものが土地の価格に入ってくる。多分、土壌汚染対策費用860億円というのは、こういう対策に使われたのだろう。至極理由がつく費用の支出ではあるというふうに思います。
(資料3 28ページ)
それは昔の話じゃないかということなんですが、昔の話が今後の市場会計に大きく影響しています。
 今は5,884億円という数値になっていますが、この非常に高い用地買収、非常に高い建設費用、これは別途入札の関係で審議し、瑕疵担保責任で議論になっていますが、これが非常に高いということになって、まだ充当しなきゃいけないお金があります。
 こういう価格の中で高価格というのは、手持ち資金が減少していきます。手持ち資金の保有資金の取り崩し、あるいは築地売却資金を充当していく。
 他方で、ライフサイクルコストというのがあります。大体建設費用の2倍以上というふうに言われておりますから、建設費用3,000億ということになると、6,000億以上これからかかる。このままいくと、市場会計が破綻するおそれがあるという問題になります。
(資料3 29ページ)
今の東京都11の市場の実力であります。
 これが収益ですね。150億ぐらい。これとこれ足すと、使用料110億ですね。31億と79億ですから、110億円の使用料をいただいております。管理費114億、使用料とトントンぐらいでしょうか。当然、議会に提出していくものですから、減価償却も入っております。
(資料3 30ページ)
収益以外の特別利益だとか営業外収益とか、こういうものを入れて、いわゆる営業成績の比較表というものを出しております。全体で180億円です。
 180億円で回っている会社が6,000億弱の投資をするというのは、通常は民間では考えられないことであります。これで会社がもっていくというのは、普通はない。これは公の会計だからということでありますが、これをどういうふうに考えていくかというのは今後の問題です。
(資料3 31ページ)
これも前に出しました。
平年度ベースです。築地市場の維持管理費、大体16億、15億ですね。76億、差額61億弱ですね。
 平年度ベースの61億円ということで増分ですね。平年度ですから、10年で610億、20年で1,220億、30年で1,830億円です。つまり、この物差しは毎年です。
 議論になったようですが、補償費を入れるとどうなるのか。
 補償費はよくわかりませんが、築地の費用と、それから開場前の豊洲市場の管理費、今は500万ということになっていますが、まだ減額の余地があると思っていますが、これを足して35億弱。この差額が42億5,000万ということになります。これに補償費を足していくのが築地開場前ですね。長くて1年、2年。ある意味では、瞬間風速ですね。
 瞬間風速と平年度ベースを比べるというのは物差しが違いますから、2つの違う物差しで比べるというのは、端的に言って誤りです。
 ということで、こんな算数みたいなことを書きました。30年たったらこうなりますよと、ただ掛けただけです。
 もう一つあります。11月7日に移転の場合。8月末ですけど、9月になって地下ピットの話が出ました。11月7日に移転していたらどうなっていただろうかというのは、一つの想像力の問題ですが、その後、地下ピット、地下水から、年を越えて地下水モニタリングの環境基準超え、営業不能の可能性があったと思います。
 過去、魚の関係は、第3水俣病事件がありました。昭和48年です。昔の話ですけど、私が一番最初に手がけた案件です。あっという間に魚が売れなくなりました、全国で。
 そういうことを思い起こしますと、こういうことの可能性はあり得ないわけではない。築地市場は5,000億強のところです。1カ月分でいくと440億円です。こういうことを基準にして、もし起こっていたら、補償なりなんなりを業者対応しなきゃいけなくなっていたということが想定されるわけであります。
(資料3 32ページ)
これは、前回お見せした市場から出た各市場の収支ですね。開場後の概算額。これは縮尺が合っていませんので、縮尺を合わせてみました。
(資料3 33ページ)
縮尺を合わせると、こういうことになります。これはよく役所がつくる、前のも後のもそうなんですが、こういうふうに、この縮尺を合わせてこの数字を見ると、いかに豊洲がガリバーであるかということがわかります。これは縮尺を合わせたものですね。
(資料3 34ページ)
 これは減価償却を除いたものです。
 この減価償却を除いたものを、同じく、
(資料3 35ページ)
縮尺を合わせてみました。これでもガリバーです。
 この問題を解決しなきゃいけないということでございます。印象操作という言葉がありますが、2つのグラフを見て印象が違うんです。ですから、こういうものをつくってみたということであります。
(資料3 36ページ)
 都議会に提出をする予算です。
 ここですね、平成40年で140億円の赤字になっています。前提がこういう前提ですから、企業債の借りかえもなし、売却収入は4,386億円です。
 この築地の売却利益が5年間で、均等割で入っていく。売場の整備改修費は50億円で現在と同じ。こういうような前提でこれをつくっています。
 これを、建物は60年もつということでつくってみました。
(資料3 37ページ)
その前のこれも同じですね。経常損益。これが減価償却を含む。これは含まない。それからお金がどれだけあるかという問題です。
(資料3 38ページ)
 60年です。これをずっと延ばしていきます。これは累損ですね。こういう60年を考えてみると、累損。このままですよ。
(資料3 39ページ)
 先ほどのキャッシュフローですが、幾らお金があるかというのをずっと60年延ばしていきます。ただ延ばしていくだけです。
 延ばしていくと、大体20年から30年の間に資金ショートが来ます。
 ただ、設備更新というものはしなきゃいけないということで、ここでお金が必要になるという数字になります。これが、さっきライフサイクルと言っておきましたから、60年後の姿を見たということです。もちろん、数字がありませんので、これは延ばしただけです。
(資料3 40ページ)
 減価償却は、おおむね3,000億ということを考えます。設備更新は不可欠ということで、この減価償却の中で、設備だけ、施設、建物以外というのはわかりません。これをもっと精緻に計算したほうがいいと思いますが、3分の1ぐらいとしましたら、1,000億です。
 これは仮定の計算ですから、もっと精緻に、今後していただかなきゃいけませんが、1,000億とした場合に、設備更新を15年でやります。全部はやりません、節約です。20%だけを更新します。
 これを単純に割っていくと15年ごとに200億円のキャッシュが必要になってくるというのが、さっきの、そこにお金が要ると。
 それから、もう一つ、手持ち資金は築地市場のお金でいきます。有償所管がえというか、行政的には、引継いで一般会計からお金を出すという、こういう手続になるわけですが、財産価格審議会が第三者的な機関です。これに諮問しないと、お手盛りになるおそれがあります。これは実質的な税金投入になります。ですから、適正価格でないといけない。
 前回の4,000億円は道路を掛けるという試算ですから、試算としては正しい。実際にどうなるかはわからないということであります。
 キャッシュフローベースで、さっき単独では30億円の赤字ぐらいということでありますが、この議論を入れていくと、もっと早く資金ショートが来る可能性があると。これはさらに詰めていただきたい。課題ですから。
(資料3 41ページ)
 豊洲移転というのが案として成り立つためには、解決策がなければ案として成り立たない。
 問題点はありますが、その問題を解決する方策。使用料収入を上げます、2倍にしますと、220億円になってプラス110億円になります。
 ただ、東京都の使用料基準は市場一律でありますから、豊洲の赤字を支えるためには、ほかの市場の使用料も上がるということになります。ほかの10の市場も使用料の値上げを甘受していただかなければいけない。
 嫌だとほかの市場がおっしゃって、もう一つのケース、豊洲市場だけ使用料を上げるということになりますと、これは豊洲の業者の経営が成り立たなくなるおそれがある。ここの使用料収入を上げるというのは一つの方策。
 それから、タコ足生活で対応すると。11の市場がありますから、ほかの市場を売ればいい。順次売っていって、それを市場会計に繰り入れて赤字を賄う。
 ただ、行政財産だから市場にあるのであって、これは市場の持ち物ではありません。普通財産は都民の財産であります。
 お金がない自治体は、それで学校をつくったり、こども園をつくったり、老人保健施設をつくったりしています。幸い東京都ではお金があるので、市場に組み込むことができるということであります。
 次に、税金を投入するという案です。
 そもそも減価償却分を見ないというのは、ずっと60年たっていく、そういうお金、この減価償却の3,050億円は税金で賄う。単純にわかりやすく言えば、そういうことであります。それでもキャッシュフローがプラスでなければならないということなわけですが、これも前回までの議論になりますが、市場規模が縮小の中でどうやって利益を上げていくのか。
 減価償却分というけちなことをいわないで、市場の赤字は全部税金で賄うんだという方法もあるかもしれません。あるいは、こういうものの合わせわざかもしれません。
 いずれにしても、そのお金の問題をどう解決するかという案をセットにしないと、これは案としては成り立たないということであります。
(資料3 42ページ)
 第6回補修・リノベーションです。
(資料3 43ページ)
頓挫した現在地再整備というのはどういうものであったか。こういうものを、すばらしいものに変える。築地の歴史を考えてみますと、高度経済成長の中、80年代は物凄い右肩上がりです。70年から80年まで。
 ごった返していましたので、市場規模はもっともっと拡大をするという時代です。こういうものがあってもおかしくはない。
 時代は変わりました。こんなものは要りません。
(資料3 44ページ)
なぜ頓挫したのか。それは過大な市場整備規模。取扱量が増加をする。40ヘクタール。現状は少子高齢化、水産物の需要減少という傾向がありますので、適正規模を考えなきゃいけない。
 それから、一番大きな課題は、業者間の互譲の合意の欠如です。いわゆる種地が確保できない。種地が狭ければ狭いほどローリングの回数が増えます。増えれば工費が膨張します。工事期間が長期化します。ですから、できませんということになります。現状は取扱量30%減ということでありますから、いわゆる種地の確保というのは、業者の互譲の合意というのが最低限のローリング回数につながる。これが一番大きなポイント。
 技術的にはどうかということですが、当時はまだ未熟だったんだろうと思います。現状では営業しながら改修する事例はいろんなところであります。あるいはアスベスト対策工事の事例もいろいろあります。技術的な問題以上に、こちらのほうが大きいことなんだろうというふうに思います。
(資料3 45ページ)
 狭いか。築地市場は狭いか。いろいろと見ていきましたが、業者から使用料を徴収する面積は、築地と豊洲はほとんど変わらないということがわかっています。
 しかし、床面積は1.8倍、敷地面積は1.7倍です。駐車場台数は増えているか。駐車場だけで見ると1.1倍です。一体何がそんなに必要だったんだろうということでありますが、物流としての通路、あるいは、重層化したことによるスロープ、そういうようなものが、かなりの部分を占めているということが、この比較でわかりました。
(資料3 46ページ)
 危ないか。古い、危ないか。これは、毎年3億円をかけています。それから、一生懸命やっていただいています。配置がえは2004年だったか、2006年だったかのが最後だと書いてありましたね、築地の本に。ということで、長い間なされていない。
 一応やれるところはやってきたということであります。
(資料3 47ページ)
 耐震診断もやっていただきました。16棟です。
(資料3 48ページ)
 この16棟のうち、できていないのが6棟です。していただいたのが5棟です。耐震性が確保されていた施設5棟ですね。この5棟は、営業しながらやっていただいたということですよね。営業が半年間とまったとか、1カ月とまったということではありませんから、営業をとめないで耐震工事ができたというのが5棟です。営業をとめないとできないというのが、逆に言うと、当時6棟だったと。こういうことだと思いますね。
(資料3 49ページ)
 仮設建築物の法令上の適正化・改修です。
 なぜこんなに多いのかなということは、築地市場の400億円かけたときの施設です。多くが、そのときの仮設です。これがそのままになっているということであります。
 これは、法令に適法化するか、あるいは壊すかということをしないといけない。
(資料3 50ページ)
 アスベストです。アスベストもいろいろやっていただきました。営業しながらアスベスト除去工事をした。つまり、アスベストは営業をとめなきゃできないというわけではないはず。やっていただいたはずです。アスベスト除去工事を完了した施設がこれだけある。
 でも、それではできないというのが、まだ残っているということですね。こういうのが今の現状だということであります。
(資料3 51ページ)
 地歴と土壌汚染調査です。地歴、建設局のものですね。環境確保条例施行後の工事箇所が8カ所あります。
 これまでのさっきのアスベストの除去工事も耐震工事もそうですが、営業を続けながらやるということで、いろいろと工夫してやっていただいたんだろうと思います。
 この土壌汚染調査も、まずは違法状態の解消ということで営業しながらやっていただくということが課題になっております。
(資料3 52ページ)
 さて、解決策です。
 まだ仮設の工事がある。建物がある。アスベストが残っている。あるいは地震のものがある。これは物凄い複雑なので、今の一つの案です。1階は市場、2階は駐車場。駐車場のやつは出てきませんが、関係者の協力が不可欠。
 これまでできた耐震工事、アスベストの除去、違法建築解消ということの工事計画の概念図であります。
 今のところ、設計1年、工期6年と。工事費用が500億ということですが、先ほどの農水省の計画を見ても、コールドチェーン、衛生管理というグレードアップをしなければいけないということで、ここら辺を見て800億ぐらいということであります。
 こういう話をすると、500億とか800億でできるのというふうに言います。「できるの」というのは、これは東京だけですよね。「そんなに安くて」と言われるんです。
 これは愛知県とかほかの県へ行くと、「そんなにかかるの」って言われるんですけど、これは東京の感覚が違うなというふうには思います。大体この辺を見込んでいるという案です。
(資料3 53ページ)
 これは関係者の協力ということでありますから、何もまだ調整しておりません。種地をつくっていきます。種地はここが基本ということで、中央区の協力が得られればこういうところ、あるいはこういうところ。これは市場の中ですね。こういうところというふうに移して、種地をつくります。食堂、いろいろありますが、図でこういうふうに移していくというのが第1ですね。
(資料3 54ページ)
 そして、解体・移設。
 これは、壊さなきゃいけないから壊して解体、移設ということです。
(資料3 55ページ)
この部分をいわゆる仲買の例の耐震工事のところをここへ持っていきます。
(資料3 56ページ)
 次に、これはあれですね。耐震工事と機能向上ですね。
(資料3 57ページ)
 ここへ行ったので、今度はこっちへ移ります。
(資料3 58ページ)
終わったらこういうふうに持っていく。
 道路があります。これは道路局と相談をしないといけません。この辺が空き地になっていくのか、この辺にまたつくるのかっていうのは、大体、青果がこういう感じになっていくでしょうから、ですが、いろいろ種地ができれば動かしていけるということで、もし、収益機能を向上させるということになると、こういうところであるとか、こういうところであるとか、こういうところであるとか、これは一等地なんですね、実は。ここまでは凄く賑わっていますが、ここは余り賑わっていないという一等地。あるいは、隅田川沿いの一等地、浜離宮のちょうど真向かいの一等地、こういうところで収益を上げていく。
 経営の感覚からいくと、税金と使用料だけではいけないということを考えると、こういうものも考えればいいのかもしれない。ここは余計なお世話ということであれば、その前の段階で終わる。こういうことになります。
(資料3 59ページ)
 スケジュール感です。
(資料3 60ページ)
 これは、去年の11月18日の記者会見のスケジュールです。専門家会議の審議が4月、市場PTの報告書取りまとめが5月ということであります。
 現在、専門家会議が約2カ月遅れであります。
 専門家会議の部分はありますが、市場PTとしては、基本的に、このスケジュールを守っていきたいというふうに考えております。そこで、今回、取りまとめに向けた課題というものを出しています。
 この課題を受けて、4月に素案を出し、5月に案を出していく。もちろん、この専門家会議の審議、評価というのが遅れておりますから、それは分離をするということにならざるを得ないというふうに思います。
(資料3 61ページ)
 プロジェクトチームの中の分離をせざるを得ないという、いわゆる豊洲市場の土壌汚染問題という、設置要綱にあるこの事柄であります。
(資料3 62ページ)
 プロジェクトチームの設置のときには、土壌汚染の安全性、これは2年間モニタリングの結果を確認しますと、こういうことになっていました。
 この後、盛り土の問題が発覚して
(資料3 63ページ)
専門家会議が設置されました。
 専門家会議の要綱を見てみますと、食の安全・安心を確保する観点です。専門家会議は安全と安心を確保するための検討会議です。
(資料3 64ページ)
 法律は一体どうなっているか。
 土壌汚染対策法の構造です。法律上は安全。
 法律上は、ここですね。いわゆる土壌汚染対策法は健康被害のおそれのある区域は要措置区域として指定します。これが法令上安全ではない。つまり、おそれがある区域ですね。
 この区域はどういう区域かというと、環境省令で定める基準を超える特定有害物質による汚染土壌がある。地下に汚染土壌がありますということと、2つの経路、水を飲む、汚染土壌に直接触れる、この2つの条件があるところは健康被害のおそれのある区域として要措置区域というふうに指定します。これが、俗に言うと法令上安全ではない、だから対策が必要だという区域です。
 それでは、豊洲はどうか。築地はどうか。
 豊洲は、まず形質変更時要届け出区域ですね。法律上、健康被害のおそれのない区域です。なぜか。
 つまり、地下には汚染土壌がありますが、地下水は飲まない、汚染土壌に直接触れないからです。だから、当初から、最初から下にベンゼンの環境基準の4万3,000倍のものがあろうが、シアンが930倍の汚染土壌があろうが、関係ないんです。法令上は安全です。
 さらに安心というところまで持ってくると、汚染土壌がない区域です。何の指定区域もされていない区域。これは安全で安心な区域です。法律の構成からいうと、ここで区切られているというのが土壌汚染対策法ということであります。
(資料3 65ページ)
 安全というのはどういうことなんだろうか。これは法律的・科学的根拠に基づく課題であります。健康被害のおそれがあると、立法府あるいは行政府が判断すれば、行政措置または立法措置を行って健康被害を防止する措置をとります。逆に言うと、法律で禁止されていない以上、安全、企業活動は自由です。
 こういう法律の考え方がもたらしたのが高度経済成長期の公害健康被害です。何の規制もされていなかった。企業活動は自由ということでありました。
 もう一つ、それでは、法律の規制がなければ企業は何の責任も負わないかということが問われたのが四日市です。
 法律上の規制は遵守していても、ぜんそく等が起きる。そういう場合には民事上の不法行為責任が生じる。そもそも、立地上の過失があるというふうに判決では言われました。
 公害規制は徐々に規制されてきて、法律上の安全というものは動いてきました。自由な企業活動ができる範囲も狭まってきたというのが、いわゆる法律上安全、科学的な根拠というものであります。
(資料3 66ページ)
 安全の科学というのは、行政と法律上安全ということから見ると、常に行政の判断は法令の規制とともにあります。
 水俣病はどうだったか。水俣病の原因は、もう早くわかっていました。熊大研究班、それから、チッソの病院長である細川さんの「猫400号実験」という有名なものがありました。
 しかし、水俣病の原因が有機水銀だといったのは科学ではありません。行政の判断です。政府統一見解です。その後、裁判所がそれを認めて民事裁判で不法行為責任を認めていったわけです。
 もう一つの事例、化学物質過敏症です。杉並病です。
 当時は、こういう化学物質過敏症ってなかなか難しいんです。個人の自覚症状があっても、心因性だとか原因不明。実際に症状はある。わかんない。公害等調整委員会で、いや、これは杉並中継所、ごみの中継施設だというふうに言われて、そうなのかということになる。
 気化経路です。
 今、問題になっている気化経路。
 これは、先ごろ新たな土壌汚染対策法の改正が閣議決定されました。国会でこれから審議されますが、その答申です。
 中環審の答申で、土壌汚染に起因する有害物質の気化経路による暴露については書かれています。土壌汚染に起因する有害物質の暴露経路の一つである大気中の揮散した物質の吸入、こういう健康被害についても検討しましたが、事例の報告がない。とりあえずは土壌の溶出基準で対応できるということで、当該暴露経路は考慮しないということですから、気化経路は今回の土壌汚染対策法の改正でも入っていません。したがって、法律上これを考慮しなくても安全です。
 しかし、先ほどから言いましたように、法律上安全ということと、実際に健康被害が起こるかどうかは別です。ということで、これを、当初から専門家会議は考えていたということができます。
(資料3 67ページ)
 さて、安全と安心というのはすごく難しい。法律と科学はここまでやります。法令上安全ではない。
 例えば、コップ1杯で、これに有害物質が入っています。環境基準値、水質基準値の10倍です。誰も飲まないです。
 コップ1杯、有害物質を含んでいますが、水質基準値以下です。大丈夫です。安全です。
 もう一つコップに水があります。有害物質を含んでいません。無害化された安全な状態です。
 一体どの水を飲むでしょうという問題です。
 次に、なぜ、お豆腐に「遺伝子組み替え大豆を使用していません」などという表示があるのでしょうか。
 遺伝子組み替え大豆を使用している豆腐と、そうでない豆腐。もちろんブランドというのがありますが、別に危ないと言っているわけではありません、法律は。どちらを食べても大丈夫です。これは、こっちのほうが売れるからですね。消費者としてはこういうものを好むからです。これが消費者の選択です。
(資料3 68ページ)
 さて、土壌汚染対策です。
 なぜ東京都はやってきたのか。それは無害化された安全な状態を確保するためです。これは、平成22年の議会の付帯決議です。豊洲市場については、無害化された安全な状態での開場を可能とすること。これは議会の付帯決議です。これに対して答弁があります。
 これの解釈です。
 まず第1、土壌汚染対策を確実に行う。技術会議により有効性が確認された土壌汚染対策を確実に行う。
 次に、操業に由来する汚染物質は全て除去、浄化されていること。土壌はもちろん、地下水中の汚染物質も環境基準以下になること。
 これが、付帯決議に言われた、無害化された安全な状態であるということであります。
(資料3 69ページ)
 しかし、今はどうか。
 技術会議が提案した地下水の盛り土は、なされていなかった。まず第1の違反ですね。
 第2、操業由来の汚染物質は、全て除去、浄化することはできなかった。
 3つ目、地下水の汚染も全て環境基準以下にすることはできなかったということであります。
 もちろん、かなりの汚染土壌は除去した。余り残存していないのではないか。あるいは、このままずっとモニタリングをしていけば将来的に環境基準を達成する可能性はある。こういうところがもう一つあります。これは言っておかなければいけないことであります。
 この盛り土の点については何らかの対策を検討中ということで、3月の専門家会議で紹介されました。
 したがって、現状の確認ですが、いわゆる無害化された安全な状態は達成されていませんが、専門家会議で対策を検討中であるというのが現状だということであります。
(資料3 70ページ)
 さて、東京都が行ってきた土壌汚染対策。法令上安全、こんなものは当初から安全です、こういう意味においては。
 東京都が行ってきたこの3つの目標は、それぞれ現状においては全て達成されていない。だけど、このために860億円を使ってきた。
 これは、先ほどの価値ということを考えると誤ったことではありません。
 土壌汚染を見るために法令が変われば、30掛ける30でやってきたものを、10メートルメッシュでやれば汚染土壌は見つかります。1メートル1メートルでやると、もっと見つかるかもしれませんが、法令はそこまで要求していない。これが法令による安全という問題です。今はまだこういう感じですね。
 この区域指定の解除をするというのは、ここから、ここへ移ることです。これは安心が担保されます。
 操業由来の汚染土壌は除去して、自然由来だけにするというのも、若干、この中で安心作用に移ります。地下水の環境基準も同じですね。これはモニタリングですけど。
 今、専門家会議でやっているのは、この問題ですね。
 黄色で、いわゆる今回の土壌汚染対策法でも法律の埒外とされた、大気経路の汚染物質の暴露。これの対策を今やっているというのが現状の確認ということであります。
 いろいろと法律、安全と安心ということが議論されていますので、整理した上で、市場PTの報告書というものを今後とも整理していかなきゃいけないということでございます。
 失礼いたしました。随分長くなってしまいました。時計をそこに置いてしまったので。
 一応、こういうような形で、次回、次々回ということで、PTの報告を取りまとめていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

 4.閉会
○小島座長 それじゃあ、よろしくお願いします。

○事務局 小島座長、ありがとうございました。
 本日の議題は以上となります。限られた時間ではありましたが、豊洲市場における液状化対策などについて検討することができました。
 最後に、事務局より事務的な連絡をさせていただきます。
 本日の会議の議事録ですが、準備が整い次第、都庁のホームページに掲載いたしますので、あらかじめ御了承ください。
 以上をもちまして、第7回市場問題プロジェクトチームを閉会いたします。どうもありがとうございました。

16時19分閉会

▲このページの先頭へ