第4回市場問題プロジェクトチーム議事録

平成28年12月21日(水曜)
都庁第一本庁舎7階大会議室

18時00分開会 

1.開会
○事務局 ただいまより、第4回市場問題プロジェクトチーム会議を開催いたします。
 本日の会議の議事進行を務めさせていただきます、市場問題プロジェクトチーム事務局の池上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、多くのプレスの方々にいらしていただいておりますが、本日の会議の様子は最初から最後まで公開しますとともに、あわせてインターネット中継を行っております。
 続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。
 机上に置かせていただいておりますが、順に、会議次第、出席者名簿、配席図、会議資料2点、会議資料1、第4回市場問題プロジェクトチームスライド資料と、会議資料2、中央卸売市場提出資料(豊洲市場における品質衛生管理について)でございます。
 何か不足等がございましたら、事務局までお声がけいただけますでしょうか。

 2.あいさつ
○事務局 それでは、議題に入ります前に、プロジェクトチームのメンバーをご紹介いたします。
 順にご紹介いたしますので、その場でご起立の上、一礼のほどをお願いいたします。
 まず、座長の小島敏郎専門委員でございます。
 続きまして、井上千弘専門委員でございます。
 次に、時松孝次専門委員でございます。
 次に、佐藤尚巳専門委員でございます。
 次に、森山高至専門委員でございます。
 次に、竹内昌義専門委員でございます。
 次に、森高英夫専門委員でございます。
 次に、菊森淳文専門委員でございます。
 最後に、12月7日から新たに専門委員に選任され、本プロジェクトチームのメンバーとなりました梶田普吾専門委員でございます。
 皆様、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議題に入ってまいりますが、この後の進行は小島座長にお願いいたします。
 小島座長、よろしくお願いいたします。

 3.議題
  豊洲市場の施設の安全性、機能について

○小島座長 それでは、第4回の市場問題プロジェクトチームを開催したいと思います。
 夜の6時から8時という、こういう時間になりました。要領よく進行してまいりたいと思います。
 まず、お手元に第4回市場問題プロジェクトチーム、資料1がございます。これに従って、本日の討議事項についてご説明をしてまいります。
(資料1 2ページ)
 前回、全体の流れを説明するときに、12月、第4回PTはコールドチェーン、HACCPなどを行うと。これがそのときの図です。
(資料1 4ページ)
 コールドチェーンやHACCPはどういうふうに位置づけられているかということです。
 卸売市場整備の基本方針と卸売市場の動向というものを見ていきたいと思います。
 今年の1月14日、卸売市場の第10次整備基本方針が策定されました。コールドチェーンと品質管理は、付加的な設備ではなくて、新規の市場、既設の市場ともに、もう「標準装備」である。
 その整備に当たっては、費用対効果などに考慮して進めてくださいということが書いてあります。
 費用対効果を考えていく際に、民間の委託でありますとか、PFIの活用とか、市場運営コストと市場使用料の抑制などに努めていかないといけないということも書かれております。
 具体的には、(1)で、費用対効果を考えて、卸売市場の経営戦略というものをしっかり作って、それに即した計画的な整備・配置をするということが書かれております。
(資料1 5ページ)
 コールドチェーン、HACCPは(5)にございまして、コールドチェーンの確立を含めた卸売市場における品質管理、これをしっかりしましょうねと。そして、その際、HACCPの考え方を取り入れた品質管理や外部監査を伴う品質管理認証、いわゆるISOなどですが、この取得に取り組む卸売市場にあっては、必要となる施設の早期の整備・配置に努めることというものを書いています。
 そして、施設の整備・配置に当たっては、コスト負担、それから導入の効果や必要性、こういうものも考えて、低温管理施設の整備に係る数値目標や方針を事前に策定しておきなさいなどが書かれております。
 豊洲市場は新設の市場ですが、新設に当たっては、原則として外気の影響を極力遮断する閉鎖型の施設とすることというのが、(9)に書かれております。
(資料1 6ページ)
 農林水産省の資料によりますと、具体的にコールドチェーンシステムを確立した施設を整備した例として、石巻の例があります。
 費用対効果という面で、効果のほうが、取扱金額が11%増えたというようなことが書かれております。
(資料1 7ページ)
 卸売市場の動向、客観的な状況はどうかということですが、これも農林水産省の資料ですが、水産物、青果とも、卸売市場経由率、取扱金額が、減少傾向にあるということで、こういう水産物、青果が減少――市場経由のものが減少しているという中にあって、豊洲市場が開設する。こういう計画になっているわけです。
(資料1 8ページ)
 そこで、豊洲の計画ですが、2つ目の丸ですが、豊洲市場の計画は、水産物では1,676トン、このものが、整備計画では――これは月ですね――これが2,300トンということで、築地の1.37倍という計画になっています。
 青果物については、築地は1,095トンですが、豊洲の計画は1,300トン、1.19倍ということになっています。
 全体の市場経由のものが減っている中で、かなり野心的な目標が立てられているということが、特に水産については言えると思います。
(資料1 10ページ)
 それでは、コールドチェーンですが、コールドチェーンというのはどういうふうに位置づけられているかということです。平成24年の東京都の中央卸売市場の施設整備計画ですが、閉鎖型の市場というところで、一貫した低温での温度管理の実現を目指すと。
 さらに、「清潔ゾーン」に応じた売場区分というところで、HACCPに準じた衛生管理の考え方を導入するということで、農林水産省の全体の市場整備方針に見合っております。これは9次ですかね。ということです。
(資料1 11ページ)
 それでは、現状はどうなっているかということです。
 東京都の中央卸売市場における卸売場の低温化率は、青果34.0%、水産36.9%、花き28%ということで、全国の中央卸売市場に比べて高いということになっております。
 築地を抜き出しますと、青果については70.6%、水産については37.1%の低温化率であるというふうに、東京都としては公表しております。
(資料1 12ページ)
 それをコールドチェーンにすると何がいいのかということですが、一つは品質・鮮度が保持される。二つ目は、青果と花きでございますけれども、熟度・開花・成長の進行の抑制ができる。三つ目が、微生物や病害虫の増殖を防止することができる。こういう利益があって、商品価値を維持してロスを削減するとともに、食品安全性のリスクの低減、取引先からの信頼の確保にも寄与するというふうに言われております。
 国が一定の施策を打つ場合には、その補助制度も当然あわせて行うというのが普通でして、市場整備、市場においてコールドチェーンを導入する際も、補助制度を設けております。
(資料1 13ページ)
 どういうことに留意しなければいけないかということですが、『卸売市場コールドチェーン導入の手引』というものを農林水産省が委託して作っております。
 卸売市場のコールドチェーン化の類型として、一つの道具は、冷蔵庫・保冷庫の設置をする。これは貯蔵・保管という目的のためです。
 もう一つが、卸売市場の低温化ということで、これはスルーしていく、販売までの保冷ということです。全館空調と部分空調というものがある。
(資料1 14ページ)
 この手引の中ですが、青果、水産のいずれにも、卸売市場は全館空調が理想的であるのは確かですが、現実には、ほとんど必要ありません。温度を下げればよいというものではないのです。ということで、①、②、③。
 ①水分を多く含んだ水産加工品。②氷が周辺に十分には置けない大型鮮魚類あるいは貝類。③が、凍結品で搬出までに多少時間がかかるもの。こういうものが低温化が必要な品目である。
 鮮魚は、氷または水氷の入った容器に入っているのが普通ですから、それで、そのまま動いていけば、それはそれでよいというふうに言っております。
(資料1 15ページ)
 それでは、青果です。
 青果も全部冷やすことはなくて、予冷品あるいは非予冷品でも、軟弱で品質保持が難しい桃や梅など、あるいは鮮度落ちして商品価値が下がると、こういうものは空調の管理、コールドチェーンが必要だということです。
 青果も冷やして入ってきたり出ていくということですが、文章の一番最後ですが、「何よりも卸売場での長時間にわたる滞留を避けること」、これが品質・鮮度の保持には有効であります。
 青果物に限らず、水産物についても言えることだということで、物流の時間を短くするということが大切だということを言っております。
(資料1 17ページ)
 次に、低温化施設・設備導入の留意点ということです。
 これも市場の高度化を図るということでございますが、投入する資金が無限にあるわけではありません。ということで、コストパフォーマンスを考えて機器・資材を選択してくださいということが2.3です。
 それから、メンテナンス。
 メンテナンスにお金がかかりますので、あらかじめメンテナンスをしやすい方法、寸法、構造、取りつけ位置、資材種類を念頭に置いて設計してくださいということで、メンテナンス費用の軽減から、常に良い状態で稼働させるための工夫というものが必要だということを留意点で挙げております。
(資料1 18ページ)
 次は、これは手引の最後に載っておりますチェックリストです。こんなにたくさんチェックリストがあるということだけご紹介しておきます。
(資料1 20ページ)
 続いて、HACCPに準じた衛生管理の考え方ということです。
 この件につきましても、東京都の施設整備計画の中に書かれておりまして、清潔ゾーンに応じた売場区分ということで、HACCPに準じた衛生管理の考え方を導入することが明記されております。
(資料1 21ページ)
 HACCPとは、これは食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法、いわゆるHACCP支援法という法律の支援策のパンフレットからとりました。原材料から出荷まで、一連の物の流れの中で継続的な監視をし、それを記録していく、チェックしていく。こういうプロセスがHACCPと、こういうことで説明があります。
(資料1 22ページ)
 HACCP支援法に基づいて融資をするということで、機材について融資制度があります。十字で重なっているところが温度管理、いわゆるコールドチェーンです。温度管理をする装置・設備等、こういうものに対しても融資をいたしますという、制度の説明です。
(資料1 23ページ)
 HACCPを取ると何がいいのかということで、EUに輸出するには、養殖場、漁船、それから、市場、水産加工施設、倉庫、加工船、全部、こういうところが全てHACCPの対応をしていないとEUには輸出ができない。
(資料1 24ページ)
 こういうことなんですが、次のデータですが、それでは日本から輸出されている水産品、青果というのは、どんな相手先なのかという統計を見てみますと、ほとんどがアジア、アメリカということで、EUの国としては、10番目にオランダと、12番目にイギリス。こういうのが出てきているにすぎないということです。
 現実から見ると、EUへの輸出というのは極めて少なくて、市場への食い込みということを考えると、ほとんどがアジア、アメリカ向けの輸出であるということが言えます。
(資料1 25ページ)
 そういう輸出状況を反映しているのかもしれませんが、対EUの水産食品取扱施設等認定又は登録の実績ということで、市場は0です。加工船も、認定も0ですので、余り多くはないということです。
 市場を登録するというのは、なかなか現実的ではなくて、市場にある、ある部分とか、工場とか、そういうものを認定していくということが現実的なんだろうというふうに思います。
(資料1 26ページ)
 国際的な相場観ですが、これも大日本水産会のホームページからとっていますが、ランキングで見ると、日本は33番目。
 中国が2番目で、HACCPの工場数が多い。そんなに品質管理が行き届いているのかと思いますが、これは仕組みの違い等々ではないかと思います。これが今の姿です。
(資料1 27ページ)
 さて、基本的な質問というところで、今日のコールドチェーンと衛生管理について、このような農林水産省の考え方、それと東京都の考え方から、基本的な質問として三つ挙げております。
 私のほうからは、「卸売市場の経営戦略」をちゃんと作りなさい。あるいは、「整備・運営コストと市場使用料の抑制」をしなさいとありますので、そのための工夫はどうか。「費用対効果(コストパフォーマンス)などの考慮」をしろと書いてありますが、どういうふうに考慮しているのかというのが(1)の質問です。
 (2)は、卸売市場ごとに事前に策定することとなっている「低温管理施設の整備に係る数値目標や方針」。こういうものはあるのか、あるいはどういうものなのかということです。
 (3)は、そのことが豊洲市場施設整備にどう反映されているのかというのが基本的な質問です。
 二つ目に、豊洲市場の施設整備計画。
 まず、目標値が、水産物で2,300トン、築地の1.37倍、直近の数字でいくとこうなりますが、青果で1,300トン、築地の1.19倍というふうになっていますが、これはどういうふうに設定したのか。そして、それは豊洲の建物設計にどのように反映されているかということです。
 ここまでがコールドチェーンとHACCPのことでして、この議論が終わった後に、若干の機能性に関する課題の質疑応答と、次回の第5回PTの検討課題についてご説明をさせていただきます。
 とりあえず、私からは以上です。
 それでは、こういうコールドチェーン、あるいはHACCPということの品質管理の流れですが、市場のほうから説明をまず受けたいと思います。よろしくお願いします。

○衛生調整担当課長 衛生調整担当の大場と申します。
 私から、豊洲市場における品質衛生管理の資料についてご説明させていただきます。
(資料2 2ページ)
 本日、ご説明させていただきますのは、①の食の安全・安心の確保、それから、③の多様なニーズへの対応についてです。
(資料2 3ページ)
 まず、品質衛生管理面から見た築地市場の施設の現状です。
 築地市場は、卸売場、それから仲卸売場など、施設が点在しておりまして、開放型の施設となっております。
 したがって、夏場は非常に高温になり、また湿度が高い状況になります。
 また、オープン型ですので、鳥ですとか害虫などが侵入しやすい構造になっています。
 また、各冷蔵庫、その他の施設も点在していますので、屋外を通った上で荷物を移動させなければならない、そのため、雨や直射日光を受ける状況にあります。
 こちらの左側の写真が水産の卸売場になっております。
 この真ん中から左側、こちらが卸売場でして、施設が狭いがために、こういったひさしをつけまして、荷物を一時的に保管しているという状況があります。
 また、右側の写真は、これは午前4時ごろですが、搬出の様子です。
 真ん中にありますトラックのほうに、ターレという場内の搬出の車両が荷物を運んで、トラックの外側に荷物を置いているという状況が見られます。築地市場では、狭隘化、老朽化のため、手狭な中でこういった作業を行わなくてはいけない状況でして、市場業者は、品質管理・衛生管理に十分配慮して作業を行っておりますが、既に限界が来ているという状況です。
(資料2 4ページ)
 続きまして、平成13年第7次東京都卸売市場整備計画におきまして、豊洲への移転が正式に決定されました。
 平成14年には、卸売市場へ商品を出す出荷者、そして市場で商品を購入する買出人など、実需者の方に対しまして調査を行っております。
 新しくできる市場に求められる機能といたしまして、衛生面・鮮度に配慮した保冷施設、コールドチェーンという言い方をしますが、こちらの充実を出荷者は第1位、そして買出人については3番目ですが、上位に挙げておりまして、コールドチェーンの充実が重要視されております。
(資料2 5ページ)
 続いて、平成14年5月から、市場関係者と東京都によります新市場建設協議会が設置されました。この場で、新市場の基本構想づくりについて協議を開始しています。
 平成15年5月に、「豊洲新市場基本構想」を策定されておりまして、この基本構想におきまして、外部からの風雨、直射日光を防ぐことができる施設、取扱品目ごとに最適な温度帯で流通させるため、品目の特性に応じた温度管理を行う、こういった豊洲市場の衛生対策のコンセプトが盛り込まれております。
(資料2 6ページ)
 次の資料は、食品の流通において温度管理の重要性を、コールドチェーンのイメージでご説明させていただきます。
 一般的に、コールドチェーンは、産地から消費者の手に渡るまで、低温・冷蔵・冷凍の状態を保ったまま流通させる仕組みを指します。
 こちらでご紹介しておりますのは、卸売市場を経由する商品の具体例として、水産物を3種、それから青果物1種を例示として挙げさせていただきました。
 産地で冷凍や冷蔵・予冷された商品は、冷蔵車などで卸売市場へ搬入されます。
 低温化された卸売場で競りにかけられた後、仲卸売業者が商品ごとに、ご自分の店舗で冷蔵ショーケースや冷凍庫で保管し、販売することになります。
 その後、買出人がそれぞれ品温管理しながら店舗へ運び、消費者のもとへ届く仕組みとなっています。
(資料2 7ページ)
 基本構想でお示ししました豊洲市場のコンセプトの具体化に当たりましては、ハード面の考え方、そしてソフト面の取り組みについて整理を行っております。
 生鮮食料品の取引の場でございます卸売場・仲卸売場などの市場施設を閉鎖型としまして、外気や害虫など食品の危害要因を防止するとともに、室内の温度管理を可能にいたします。
 ハード面の整備に当たりましては、東京都は、閉鎖型施設内を市場利用者の作業環境も考慮して、温度帯を保つ役割を果たします。
 また、市場業者は、商品の特性に応じまして、保冷設備や低温施設を整備いたします。東京都と市場業者の両者の取り組みによりまして、市場内のコールドチェーンを確保することとしています。
 続いて、ソフト面の取り組みですが、HACCPを軸といたしました衛生管理が、近年では国際標準となっています。衛生管理に関心の高い事業者だけでなく、市場全体として取り組むために、業界におけるHACCPの考え方に基づく衛生管理の手法の策定、推進を図っていくこととしています。
(資料2 8ページ)
 こちらは第3回でお示しした平面図ですが、豊洲市場は、こちらの黒い太い線、こちらが閉鎖型施設を示しております。水産、右側の青果、それぞれの建物の中において、バースから商品の搬入後、卸から仲卸、仲卸から買出人へと、閉鎖されて温度管理なされた中で、場内の商品の物流が完結する、そういった仕組みになってございます。
(資料2 9ページ)
 続いて、品質衛生管理のハード面の対応ですが、ご紹介として、まず、閉鎖型施設のため、商品の搬出・搬入口は限定されております。
 こちらの写真は、左側、水産卸売場棟の閉鎖型施設のバースに当たりますが、エアカーテンと表示されておりますが、こちらは、それぞれトラックの開口部から、こちらを通して商品を売場に搬入する形になっています。
(資料2 10ページ)
 続いて、高床式バース。こちらは水産卸売場と水産仲卸売場と、高さが異なりますが、トラックの開口部の高さに合わせましてバースを整備いたしました。地面からの水はねですとか、ちりや、ほこり、外気が入ることを防ぐように、高床式にしています。
(資料2 11ページ)
 続いて、ドックシェルター。こちらも開口部の密閉度がバースよりは高いものでして、冷凍品などをここから搬入する予定です。
(資料2 12ページ)
 各バースにつきましては、トラックの車両の長さに合わせて、ひさしを設置しておりまして、長い車長ですと10メートルぐらいありますので、それぞれのバースにつくトラックの車両長さに合わせたひさしの設置です。
(資料2 13ページ)
 続いて、売場ごとの温度管理です。
 まず、水産卸売場。商品によって適切な温度帯が異なりますため、卸売業者がそれぞれ設定する予定です。こちらの卸売場は10.5℃帯まで冷やすことが可能な冷蔵設備を、卸売業者が整備していまして、運用につきましては、業者が、効率性それから経済性も考慮して検討するということです。
(資料2 14ページ)
 続いて、水産卸売場の3階。2階にはウニ売場がありますが、割愛させていただいておりますけれども、3階に塩干・冷凍・加工品などを扱う売場があります。こちらも1階と同じように10.5℃帯まで冷却が可能となっています。
(資料2 15ページ)
 次のシートですが、お手元の資料と差しかえさせていただきました。
 まず、データの表現上の修正が間に合わなかったことと、それから、2枚写真をおつけしておりますが、もう一枚の写真のほうが、使用の了承をとっていない状態のものをつけていましたので、そちらの修正を行っています。
 こちらは水産仲卸売場の店舗になります。
 水産仲卸売場は、空調としては25℃帯の管理をする予定ですが、各仲卸業者ごとに取り扱う商品が違いますので、それぞれ取り扱う商品に応じまして、低温のストッカーですとか、冷蔵庫、そういったものを使用いたしまして、商品管理を行います。
(資料2 16ページ)
 続いて、青果です。
 青果の卸売場です。青果につきましては、現在、築地におきましても、冷蔵設備で低温化を図っていますが、開放型のため、運転効率には課題があったということです。
 青果につきましても商品に応じて温度帯を分ける必要がありますことから、ちょうど売場の真ん中にあります低温倉庫、こちらのほうは0℃から10℃帯までの温度帯を分けることができる倉庫でして、卸売業者が設置しています。
 また、こちらの低温倉庫につきましては、仲卸業者の利用も見込まれているということです。
(資料2 17ページ)
 続いて、青果の仲卸売場。青果の仲卸の店舗は、壁やシャッターで囲われている店舗と、仕切りを設けていないオープン型の店舗の2種類があります。
 各仲卸業者ごとに、プレハブの冷蔵庫ですとか、オープン型につきましてはビニールカーテンと冷房設備を併用いたしまして、低温管理が可能となるような設置を行っています。
(資料2 18ページ)
 また、多様なニーズへの対応ということで、消費者、実需者からニーズが高くなっております、水産で言えば、魚の切り身などの加工、それから商品のパッケージ、こういった作業が、より衛生的な環境で行えるように施設を整備いたしております。
 こちらの水産加工パッケージ棟、それから、転配送センターですが、東京都が建物を整備して、中の必要な設備等については各業者が整備を行っております。
 加工パッケージ棟は水産仲卸売場と専用の連絡通路でつながっておりまして、屋外に出ることなく商品を加工場へ持ち込んで、加工された商品につきましては、この写真の奥にございます専用のバースから搬出することが可能です。
 また、転配送センターにつきましては、水産卸売場と同様に10.5℃帯に冷やすことが可能です。他市場への転配送向けに機能強化をされております。
(資料2 19ページ)
 こちらは入場管理室。水産卸売場と仲卸売場に、出入口付近でございますが、入場管理室を設置いたしました。売場への入場時の手洗い、それから、靴底の消毒を行うための部屋です。
 専用のこうした部屋を設けることによりまして、買出人を含む市場の利用者が、食品への危害となる要因を持ち込むリスクを軽減するための施設となっています。
(資料2 20ページ)
 これまではハード面のご説明でしたが、品質衛生管理を行うためにはソフト面の対応があって初めてできるものですので、ソフト面での対策も強化を図っています。
 まず、市場業者と連携いたしまして、「品質・衛生管理マニュアル」というものを、HACCPの考え方を取り入れて、新たに作成いたしました。
 こちらでご紹介しているものはガイドラインということで、今後、各市場業者が独自のマニュアルを作成していただくことになっております。
 内容としては、各事業者が業務の作業工程を分けまして、右側がそれぞれの作業内容のポイントでございますが、それらを盛り込んだマニュアルを作成することになります。
(資料2 21ページ)
 さらに、市場業者の従業員の方向けに、わかりやすいハンドブックを作成しております。イラストを使って、なるべくコンパクトな内容といたしまして、市場業者の経営者の方が従業員の方に周知しやすいような内容としております。
 豊洲市場におきましては、食の安全・安心を担保する品質衛生管理をどう向上させていくかが課題の一つでした。
 今、ご説明させていただきましたように、ハード面の充実に加えまして、ソフト面での東京都と市場業者の連携による取り組み、これらの二つをあわせて、豊洲市場における品質・衛生管理の確保のための取り組みを実施し、できるだけ品質・衛生管理の向上を図られるような取り組みを進めていきたいというふうに考えています。
 ここまでが品質衛生管理の資料のご説明です。
(資料2 22ページ)
 続いて、前回の宿題となっておりました、豊洲市場の延べ床面積の内訳の資料です。
 前回はこちらの資料をつけさせていただいたと思いますが、赤枠で囲んだ市場基幹施設418,000㎡、こちらの内訳をおつけするということで、次のシート、こちらのほうでお示しをしています。
(資料2 23ページ)
 このうち、オレンジ色の「うち荷撒きスペース物流通路」、こちらの表現を先ほどの内訳のシートの表現と合わせていただいたものと、その下にあります、その他施設99,000㎡。この中に、転配送センターの表示が以前の資料にはありましたが、転配送センターにつきましては、上の市場基幹施設、こちらのほうに算入されるということですので、こちらの修正をさせていただきたいと思います。
 資料については以上です。

○小島座長 ありがとうございました。
 それでは、最初の私の基本的な質問についてのお答えをお願いしたいと思います。

○衛生調整担当課長 座長からございましたご質問ですが、豊洲市場それぞれの経営戦略ですとか運営コストといったものを、なかなか具体的に数字でお示しすることは非常に難しいんですが、卸売市場全体として、品質衛生管理というのは非常に重要な要素です。
 これまで食の安全・安心の確保のために、豊洲市場のみならず、各市場におきましても、冷蔵設備の設置ですとか、そういった取り組みについては推進してまいりましたが、今回、豊洲市場を開場するに当たりまして、とりわけ基幹市場として重要な施設である、新設の――新設といいますか、新しく建つ市場として、特に力を注いでまいった経緯があります。
 当然、市場業者と、コスト面の見合いも含めて、どういった設備を設置するかも、これまでの協議の中で検討をして決めてきた経緯があります。
 全体のご回答としては不十分かもしれませんが、あくまで今後の豊洲市場の展望、それからコストを考慮に入れた上での計画としていますので、これでご回答とさせていただきたいと思います。

○小島座長 2番目はどうでしょう。投入コストと、それの効果ということで、整備計画では、水産物で2,300トン/日、青果で1,300トン/日。直近の築地の実績と比べると、算数ですけれども、築地の1.37倍、築地のそれぞれ1.19倍ということになる。
 築地は狭い・古い・汚いとかと、こういうふうにずっと言われていて、本当に狭いのかということは、最後に出していただいた豊洲の延べ床面積というのは、何にどう使われていて、どこに重点があるのかということで、狭いのか広いのかという議論が整理されると思うのですけれども、質の面でいくと、コールドチェーンと品質管理が売りなわけです。
 そこに多くの資源、お金を投入して、よりよいものにする。それによるコストパフォーマンス、成果はどのくらい出てくるんだろうか。
 目標をまず2,300トン/日、水産物、あるいは青果の1,300トン/日というのは、どういうふうに設定したのかということと、この豊洲でそれを実現するということについては、設計思想に、あるいは設計の段階で、どういうふうに反映されているのか、なかなか難しい数字だと思うのですけれども、それについてはどうでしょうか。

○移転調整担当課長 では、私のほうからお答えします。新市場整備部で移転調整担当課長をしております竹村です。よろしくお願いします。
 今のご質問ですが、まず、水産物で日量2,300トン、青果で1,300トンという、この目標ですが、これは平成16年の基本計画のときに定めたものです。
 この数字を出した根拠ですが、当時の16年の取扱量、過去数年間、あるいは将来的な見込みを含めて、統計的に解析をして出した数字になっています。
 実際、昨年の平成27年でいきますと、かなり取扱量が減っているという現状はございます。ですが、まず、我々としては、今後、この豊洲市場で何が目標数値に近づける取扱量が出てくるかというところで考えているのが、これは前回の第3回の説明になりますが、まず、物流というところで、現在、築地におきまして、狭隘化というところがございまして、産地から入ってくるトラックが市場内に入れないだとか、いろんな支障が出ている。
 それにつきまして、豊洲におきましては、搬入側、青果あるいは水産含めて、十分な駐車場の――待機駐車場を含めて、バースと待機駐車場の駐車のスペース、これは確保しているということで、築地でなかなか入りづらいと思われている産地の方につきましても、豊洲のほうは入りやすいんじゃないのかというところで、そう思っていただきたいというところが一つありまして、それで、まず取扱量が増えるのではないかというのが一つ。
 二つ目が、今回のテーマになっておりますが、いわゆる閉鎖型であり、温度管理ができるという施設を整備しておりまして、これによりまして、築地で屋外で行われている荷作業、これが全て施設内で豊洲では行えるというところの品質管理、これが豊洲市場の一つの売りでございますので、この売りで世界的に発信して、取扱量を増やしていきたいというのが2点目になります。
 さらに閉鎖型、あるいは温度管理ができる施設というところで、今現在、仲卸さんのほうで輸出関係の研究等を進められていると思うんですが、確かに、ヨーロッパではHACCP、あるいはアメリカでいきますとFDA(米国食品医薬品局)の、国際的な基準にマッチしなきゃいけないというところのハードルがございます。
 ですが、豊洲市場におきましては、各店舗・施設が食品衛生法上の施設基準、これを全部クリアしておりますので、国際基準に向けてのそれぞれの店舗における加工室、あるいは加工パッケージ棟、あるいは加工パッケージの施設等々は、これらの国際基準に向けた施設基準、これがクリアしやすくなるのではないかというところがございます。
 それと、あと、先ほど基本コンセプトの三つ目にありました多様なニーズへの対応ということで、豊洲市場におきましては、先ほどご案内のとおり、5街区の3階に加工パッケージ施設、あるいは6街区に加工パッケージ棟を設けております。
 これによりまして、専門小売店あるいは食品スーパーさんのほうが、省力化あるいは在庫の縮小というところで、いわゆる納入者側のほうに1次加工だとかパッケージの作業を求めてきているというニーズがございます。これを豊洲市場では加工パッケージ棟あるいは加工パッケージ施設で行うことができるということで、新たにここも取扱量が増えるのではないかというところを見込んでおります。
 最後になりますが、7街区の4階、こちらに転配送センターというのを設けます。
 これによりまして、他市場への転配送の機能、あるいは首都圏流通のハブ機能の強化を図ります。これによりまして、取扱量も含めまして、市場に送られる物流量、これの拡大を見込んでいるというところで、これらの効果を豊洲市場では見込みながら設計をして、施工しているということがございます。以上です。

○小島座長 どうもありがとうございました。
 具体的な計算の積み上げをいただきたいと思いますけれども、それでは、一応の答えをいただきましたが、皆さん、ご質問いかがでしょうか。

○菊森委員 先ほど、2番のところで触れていただきました2,300トンと1,300トンの話ですが、一応の回答ということで承っておきたいと思いますが、産地からの搬入がしやすくなっているという点とか、幾つか論点を挙げていただきましたが、その可能性というのは当然あると思うんです。
 だけど、それが果たして1.37倍に当たるぐらいの大きな変化になるんだろうか。
 そもそも、荷の量というか、水産品に関しては、もともと原材料自体が減少傾向をたどっているということもありますし、卸機能の縮小ということも、先ほどプレゼンをしていただきました。
 その二つの要因によって、水産品の扱い自体が1.37倍に果たしてなるんだろうか。増やす要素として、輸出とか、いろんな転配送センターの話とか、挙げていただきましたが、果たして、どれだけ数値の基準を根拠を持ってこれが説明できるんだろうか。極めて、その点が私は非常に弱いのではないかというように思っております。
 一応の答えをなさっているという観点において、私は、それは意味があると思っておりますが、本当にそれが経営戦略に生かされて、本当に市場自体が生まれ変わる――私は「市場のイノベーション」という言葉を使っておりますが、築地から豊洲への移転ではなくて、豊洲で新しい市場をつくるんだという、それだけの気構えを持った方々が果たしてこれを実行していけるんだろうかというところ、次回にも触れることになるかもわかりませんが、そこの点は、あまり根拠が強いとは言えないのではないだろうかというふうに感じております。

○小島座長 なぜこれをずっと聞いているかというと、農水省の方針にもあるんですが、金さえかければ立派なものができるんですが、その投資が負担できないと、これはビジネスとして成り立たないですよね。
 だから、コストパフォーマンスが大切だと、繰り返し、繰り返し言っているわけです。
 これだけビジネスが拡大するということになれば、業者が使用料の負担が可能になるということなんですが、増えなければ使用料の負担が可能にならない。
 そうすると、過大な投資をしたがために、その支払いに苦しむことになるということなので、目標量は1.37倍、1.19倍、それがどれだけ実現できて、その商売がよくなることによって、これまでの投資というものがちゃんと払えていけるようになるのか。
 他にもいろんな要素がありますから、いわゆるコストパフォーマンスというのは非常に重要で、それをどういうふうに数字でもって蓋然性を説明していくのかというのは非常に重要な論点なので、次回にも関係しますので、全体が減っていく中で、今の、平成16年からもう10年以上たっていて、その間の水産物の変化というのは極めて大きいですよね。それを盛り返していくだけでも大変なわけですよね。
 だから、そこのメカニズムがどういうふうになっているのかということの具体的な説明を次回お願いしたいなというふうに思っています。

○森山委員 今日の会議の説明を聞いていまして、これまで豊洲市場がコールドチェーンを施設によって実現していますとか、新しい豊洲市場はHACCPを実現しますというふうに受けとめてきていた方は、我々も含めて多かったと思うんですが、実はそうではなくて、コールドチェーンを目指していると、HACCPを実現することを目指しているという、そういうような説明だったと思うんです。
 そうすると、そこで再度確認したいのは、コールドチェーンを実際に実現しているのは、あくまで施設が冷却されるとか、そういうことではなくて、今までどおりというか、どう言えばいいのかわかりませんけど、鮮魚の周りに氷があって、そこに氷水があって、発泡スチロールの器の中に入って断熱されていることによって、実はコールドチェーンはいまだに維持されているというふうに考えたほうがよろしいんですかね。

○移転調整担当課長 コールドチェーンと言ってしまうと、市場でいきますと、トラックは当然保冷車で入ってきて、そこで荷おろしがされて、売場に並べて販売されて、仲卸の店舗へ行って、また販売されるんですが、それ全部をじゃあ低温化にするのかというところは、理想ではあるとは思います。
 ですが、そこは、やはりコストパフォーマンスというのが当然出てくるというところで、東京都としては、いわゆる閉鎖型の中で空調管理しているという、水産仲卸・水産卸売場棟では25℃、青果のほうは22℃ということでご説明していますが、この中で、じゃあ、どこに何℃帯のもの、例えば鮮魚なら10.5℃、あるいはマグロも含めて10.5℃と、水産卸さんのほうで今設定をされていますが、あるいは野菜のほうですと22℃なんですが、仲卸さんのほうだと15℃が必要だというご意見もいただいています。
 ということで、それは品目ごと、どういう品目には何℃が適正、あるいはエリアの中でどこの区画を何℃帯にするかというところが今度出てくると思うんです。
 そこについては、現状というか、今の流れでいきますと、市場業者のほうでそれを設定していただいて、ご自身のところで冷却に必要な設備を設置していただいて、温度管理をしていただく。
 東京都は、野ざらし、あるいは外気そのままだと、夏場だと35℃だとかという外気から、いきなり10℃に冷やすだとか、15℃に冷やすと、これはやはりコストパフォーマンス的に厳しいだろうというところで、東京都としては、閉鎖型の中で25℃帯あるいは22℃帯、当然、空調で換気もして、それも25℃帯、22℃帯にして、一定の温度に施設の中を保つ。
 その中で、市場業者さんが、繰り返しで申し訳ないですが、品目あるいはエリアごとに設定した温度に、適正に温度管理をしていただくというところが、この豊洲市場のコールドチェーンという考えになります。

○竹内委員 そのために空調をしなければいけないと。建物の断熱性能というのと、空調のランニングコストとイニシャルコスト、だから、どのくらい空調しなければいけなくなて、どのくらいランニングしなきゃいけないということは、どのくらい検討されていて、それに対する結果が今どうなっているのかというのを見ると、あまり大した断熱性能を担保するようなこと、確保するようなことをされていないようにも思えるんですが、そこの検討をされているのかどうかというところをまずお伺いしたいです。設備だと思うんですが。
 というか、今までの経緯の中で、そこに対して、建物は大きいですよね、大きい建物を空調しなきゃいけない。それに対するランニングコストがかかるだろう、幾らかかるという話も出ていて、誰が負担するんだという話が出ていますよね。
 それと、イニシャルコストをかけて、このくらいの断熱性能にして、このくらいのランニングコストにする、イニシャルコストとランニングコストが全部常にあると思うので、そこの東京都としてのオーダーをどういうふうにされていたのか。
 設計事務所に対して、どういう仕様でそこの検討をさせているのかというところです。

○設備担当課長 まず、設計のオーダーとしましては、今、話がありましたように、25℃、22℃、それから7街区の水産卸売場等につきましては10℃まで、中に入られる卸売業者さんのほうが冷やすということで、それに対応すべく、建築の設備等はしてございます。
 それから、今、先生のご趣旨でございますが、東京都のほうは、当然、空調等に関しまして、以前お示ししておりますが、それなりのコストをかけてございます。
 実は、多分、その先のお話になるかとは思うんですが、果たしてそれだけのコストに見合ったものがあるかということになるかと思うんですが、申し訳ございません、その先の部分につきましては、我々は、まだ十分検討ができてございません。

○竹内委員 今の話をそのまま伺うと、冷やせるだけ、冷やせるものは作ったけど、幾らかかるかわからないんだけど、とにかく作ったんだよねと聞こえるんですけど、そういうふうにとってよろしいんですか。

○設備担当課長 当然、イニシャルコストを計算、もちろんわかってございますし、ランニングコストについては、おおよその想定ではございますけれども、数字は作ってございます。

○小島座長 省エネルギーというと変なんですが、温暖化対策で、できるだけ効率的にやっていく。建物なんかも、断熱性能を上げるとか、窓の仕様を変えるとか、そうやって水光熱費といいますか、電気代を減らしていくという工夫は、普通の住宅でもビルでも全部やっているわけなんですよ。
 だから、この豊洲市場を設計するに当たって、いわゆる電気代を減らすためには、断熱性能を高めればそれだけ減っていくという、もう当たり前のことなんですね、考え方としては。だから、そのことについて、設計段階で東京都はどういう指示を日建設計にされたのかというのが質問ですね。

○移転調整担当課長 当然、25℃帯、22℃帯に耐えられる断熱材を入れてくれということは、日建設計にもお伝えをして、設計をしてもらっているんですが、10.5℃帯という水産卸のがあります。これについては、普通の25℃帯の断熱ではなくて、さらにレベルが高いといいますか、そういう断熱材を入れるというところで、そういう設計の要求を日建設計のほうにしているというところです。

○森高委員 私の理解では、今のスライドの、例えば仲卸で常温管理が25℃で、青果が22℃とか、これは基本的なインフラの閉鎖型の市場を東京都が準備してあげて、その中で、品目によって業者さんが自分たちでいいと思っている温度管理を私的にやられていると。そういう市場を目指しているというふうに私は理解しましたが、そうじゃないんですか。

○移転調整担当課長 そのとおりです。

○小島座長 その上で、普通のマンションも建物もそうですけど、テナントさんが入ってきて、何℃、何℃というんだけれども、非常に断熱性能がいい建物と、断熱性能が悪い建物では、入ってきたテナントさんのエアコンの電気代が違ってくるわけです。だから、テナントさんが入ってきて、余りお金がかからないように建物をしつらえてあれば、その建物の価値は上がるんですよね。これは、BEMSだのHEMSだのとやっているやつですよね。
 だから、建物を今、設計するときに、テナントさんの電気代が安くなるような工夫をどういうふうにしていますかということです。

○移転調整担当課長 当然、必要な断熱は入れるということではやっていますが。

○衛生調整担当課長 今、竹村からもご説明がありましたように、10.5℃帯にする水産の卸売場、それから、青果につきましては、3階部分が加工・荷さばきができる専門の施設になってございまして、そちらも温度帯を15℃帯ぐらいにまで冷却できるような施設にしますので、そこの断熱材というのは、他とは違う、いわゆるスペックが高いもので断熱材を入れるような検討を市場業者と行っております。
 その分当然コストがかかりますので、その分のコストも市場業者さんが負担をしていただくということで、設計段階でお話をしてございます。

○竹内委員 そのときに、いろいろな仕様と、だから断熱材をやればやるだけイニシャルコスト、建物の工事費は上がっていくわけですよね。だから10.5℃のところはよりやらなきゃいけないからやりましたということだと思うんですが、今、僕らが図面を見ている中で、市場全体が50mmという、全然やっていないわけではないですが、コールドチェーンにするべく断熱性能としては、かなり低いなと僕は思うわけです。
 そのときに、いろんな事情があって、どのくらいランニングコストがかかるか、どのくらいイニシャルコストがかかるか、両方をてんびんにかけて、ランニングコストというのが物すごくかかるというふうにしないためには、イニシャルコストにお金をかけていかなければいけないはずで、そこをご検討されているのか、そのご検討をするということを日建設計に対して指示を出されているのかどうか。
 おっしゃるとおり、冷やそうと思えば冷えます。機械が大きければ。だけど、ランニングコストはかかるよと。
 だから、そこのところのいろんなものを、いろんな技術があるものを検討された上で、最後に今の仕様を設定しているのか、それとも、そこはもうお任せになってしまっていて、「温度帯はこうしてくれよ」、「わかりました」と言っているだけなのかというところで、マネジメントという観点からすると大きく違ってくると思うんですが、そこを検討されているかどうか、どういうふうに、具体的にそこが設計プロセスの中に反映されているかどうかということを伺いたいと申しております。

○建築技術担当部長 断熱性能についてなんですが、今、水産仲卸棟が25℃で、青果棟は22℃で、そこの部分は、特に特別な断熱材を使用しなくてもいいということで、今おっしゃった50mm、また区画によっては75mmという部分はありますけど、そういう仕様にしている。
 ただ、水産卸棟については10.5℃に管理するということで、その部分については、断熱性能というよりも、今回設置する場所等の関係で、地震時の建物の変形に追従できるような、そちらのほうで、いわゆる冷蔵庫パネルといいますか、そういうもので建物の地震時の動きに追従できるようなものが必要だということで、そちらのほうのスペックで決まっておりまして、それが、マイナス5℃以上に温度管理する場合に、それを使うのが、一番最低の厚みで、そういう製品が、しかも限られたものだということで、そちらのほうでスペックが決まっておりまして、水産卸棟については、そういう材料を使うということになっているということでございます。

○森山委員 実は、これは断熱材だけの問題ではなくて、平成25年に、建設省のほうが省エネルギーの法律改正を行っていました、建物の。
 ですから、平成25年改正の建設省の建物のエネルギー消費量基準で見たときに、この建物がどうか。そういうものを出していただければどうかなと思いますけど。
 PALというんですけど、PAL評価法で出した場合、こうなっていると。もちろん断熱材がこうなっていて、エネルギー消費量がこうなっていてと。
 何を心配しているかというと、当然ながら、外壁関係の断熱性能だけではなくて、例えば、今、仲卸、卸さんが、個別に冷却装置を準備なさるということになると、その場でその機械は排熱をしてしまうわけですよね。冷やそうとしている箱の中で、また熱源がいっぱい並んでしまうということになるわけです。そうすると、全体を冷やそうとしているのに、個別には熱源がどんどん生まれているという、すごくエネルギー的に矛盾しているような可能性がありますので、多分、そのエネルギー評価をすれば効率性というのはわかってくると思いますから、それを一度お願いしてみたらどうですか。

○設備担当課長 建物の基準でございますが、改正省エネ法、以前のあった、25年から改正でございまして、本体棟設計の段階では、まだ経過措置が使える段階でございましたので、前のレベルで想定しています。当時のPALとCEC/ACですか、これだけでもって評価してございます。
 東京都に、そもそも省エネの建物基準というものが、財務局、環境局とでつくったのがございますので、まず、その辺に準拠しながら、PAL等々につきましては、それにおさまるふうにということで検討をさせております。
 それから、今の建物の中の排熱でございますが、当然、建物の断熱仕様とはまた別の話になるかと思います。必要な内部で発熱する部分におきましては、想定した熱量を計算いたしまして、それに対応できる空調機を設けてございます。
 それから、仲卸業者さんが使う冷蔵庫ですとかストッカー、ダンベ類のものにつきましては、できる限り、放熱機――室外機の部分ですね、これを空調エリア以外に、実は通路の天井裏の部分に室外機置き場がございますので、そこに置いてくださいということを推奨してございます。
 ただし、いろいろ条件がございまして、そこに置けないものにつきましては、やむを得ず空調空間内に排熱が出てしまうんですが、そこにつきましては、排熱を想定いたしまして見合うだけの空調機をつけてございます。

○竹内委員 一応、ランニングコストは把握されているというふうに伺いましたが、具体的に言うと、今、数字としては、概算で開場後2,100万円かかるというのは何月のデータなんでしょうか。2,100万円って、冬と夏とで全然違いますよね、1日でかかる量が。
 その辺がわからないと、これが多いか少ないか、これは何をやるのに言っている数字なのかというのが、これは今のお話を伺っていると、25℃帯、22℃帯にするための概算がこれということで、何月という、その辺の話はどう把握されているんでしょうか。

○設備担当課長 申し訳ありません。設備のほうで、この中の一部しか数字をはじいてございませんので、何月かはわからないんですが、私どもが出している数字では、1年を通じての熱負荷を出してございます。
 年間でもってこのコストがかかるということで数字を出してございますので、恐らく1年間をトータルしたものの平均でもって出している数字かと思います。

○竹内委員 具体的に幾らかかるんですか。
 具体的に、それは、僕は市場関係者さんがものすごく知りたい数字だと思っていると思っているんですが、なかなか出していただけないんですが。
 1年間で幾らかかるんですか。これの365倍、78億とか76億とかかかるというので、認識としては正しいんでしょうか。

○設備担当課長 今、31ページですか、この表で見ますと、下半分の電気・水道、それから地域冷暖房、この部分については我々が把握している数字でございます。
 この地域冷暖房につきましては、年間おおむね8億円弱ぐらいの経費がかかるかと思ってございます。これもさっき申しましたように、申し訳ございません、春・夏・秋、それぞれどのくらいかではなくて、年間トータルで熱負荷を計算いたしまして、それに対応する熱料金ということで、地冷の料金が約8億円と想定してございます。
 ただ、実際、開場後どういった使い方をされるか、それから、さっきもちょっとお話がありましたけども、空調空間内にどれだけ排熱が出るか、どのくらいお客さんが来るか、そういったことも含めまして、あくまでも想定の数字でございます。

○佐藤委員 今のお話に関してなんですが、熱源はDHCから買っているわけですよね。熱供給会社から。
 それで、そことの関係で、多分、年間幾らの熱を買うというようなことをこれから契約されると思うんですが、冬場の場合、ほとんど空調は多分外気冷房だけで、外気を取り入れることだけでできてしまう。
 そのようなときに、外気を入れると、逆に15℃とか、冷え過ぎてしまうケースもあるわけですね。そういう場合でも、25℃管理をするために熱を買う予定なのか、それとも、その辺は外気冷房と中から発生する熱を調整することによって、熱供給からは熱は買わない方針なのか、その辺をご説明ください。

○設備担当課長 売場の空調につきましては、基本的に冷房のみです。それで、DHCとの契約ですが、通常と同じように、年間のピークに合わせた基本料金と、あとは使った分に応じた従量料金という契約になっています。
 ですから、冬場は、外気冷房がついていますので、その間は、当然、地冷の熱は、冷熱は使わないで済むということになります。
 25℃なり22℃より上になりましたら、当然、そこまで下げますが、外気冷房でそれより下げることができれば、そこはなりゆきの温度になってまいります。
 暖房は使用しません。

○小島座長 冬場は基本料金を払うということですか。何か違う契約というのはできるんですか。

○設備担当課長 基本料金につきましては、これは年間トータルのお金になってございます。年間一律です。

○小島座長 次回かもしれませんが、最初に、動かさないでも700万と聞いたときに、「えっ、動いたら幾らかかるんだ、これは大変なことだ」というふうに、最初から、皆さんも動かないところだけ心配されているんですが、動いたほうがもっと大変なのであって、動いた場合の、このお金を一体誰がどうやって吸収するんだという、最初にひっくり返っちゃったというのが、もう全然違うところが問題だと最初から言っているんですが。
 電気代ですが、コールドチェーンは外国でもそうですが、冷房代、冷却代に、すごく金がかかって、設備をつけるけど金がかかるから動かさないという、そういう運用になることだってあるわけです。動かしていたら倒産してしまうというので。
 そうすると、東京都がやる部分と、業者さんが設置して動かしていく部分があります。だけど、電気代はトータルですよね。業者さんが動かしていく電気代は、どういう根拠ではじかれたんですか。
 つまり、わからないわけでしょう。いや、それはわかっているということなんですか。
 説明が、東京都は建物を用意しました、あとは業者さんですという説明だと、業者さんがどういうふうにやるかは業者さんの判断ですよと。業者さんの電気代がわからないじゃないですか。そういうふうに考えてしまうと。
 そうすると、この数字、1日当たり930万円、電気・水道代がかかるということがはじけないんじゃないですか。ある程度の設定をしないと。
 そうすると、どういう設定を。業者さんは、それぞれ設備を置いて動かしていくが、その設備の置き方と、それからランニングしていくというのは、ある程度の設定ができていますよね。そうしないと数字がはじけない。それはどうなんでしょうか。

○建設技術担当部長 先ほど来、宿題を結構いただいていまして、次回、ライフサイクルコストをやりますので、今の話も含めて、次回に向けて整理させていただいてよろしいでしょうか。すみません。

○小島座長 では、次回、よろしくお願いいたします。

○佐藤委員 今のお話に関してなんですけども、一般的には、そうやって事業者さんが使う電気量については、分電メーターがありまして、そこで計測して、個別に徴収をするというのが一般的だとは思いますけれども、恐らくそういうことですよね。

○移転調整担当課長 売場は、今、調べさせますけども、店舗だとか事務室、これは個別に、ご指摘のとおりメーターがついていますので、それによって使った分だけ徴収という流れになります。
 それ以外は、また次回ということで。

○佐藤委員 いや、増設した冷凍機なんかは、全部あれですよね、当然ながら分けてするわけですよね。

○移転調整担当課長 そうです。

○設備担当課長 補足いたします。
 カロリーメーターなり電気メーターなり、それぞれついています。
 熱量計につきましては、例えば小さい部屋ですとか、小さい売場ですと、個別につけると能力的に下のほうが出ませんので、ある程度まとめた面積に一つずつついています。
 それにつきましては、使った熱量、いろいろと面積ですとか、電力使用量ですとか、こういったものを使って按分をして請求してまいります。
 当然、共有部分につきましては、東京都持ち、個別の場所につきましては事業者持ちという考えで、按分をいたします。

○森山委員 そうなってくると、やはりコールドチェーンで重要なのはあくまで氷ですよね。
 個別の商材の温度を10℃以下に保っているのは、やはり氷を詰めた発泡ケースだというふうに考えておいたほうがいいわけですよね。空気は25℃までですよね。
 売場は、ダンベっていう冷蔵庫のところは中にしまうでしょうが、その日、仕入れて動いていくというのは、これは以前、使い勝手のときも問題になったんですが、氷の製氷とか、氷をどういうふうに今度豊洲で準備していくのかというのが、足りないんじゃないかというお話も出ていたものですから、氷が大事なんだというふうに再確認させていただいてよろしいのかなと思うんですが。

○移転調整担当課長 確かに氷というところもあるんですが、確かに品質管理、ヒスタミン等の問題もありますので、氷を抱かしながらというところはあります。
 青果は22℃帯なんですけども、水産卸売場棟では、先ほどの資料にあったとおり、必要な品種・品目等で、卸会社さんのほうで10.5℃帯、あるいは常温、あるいは15℃、20℃帯なりで、エリアごとに設定されると思います。
 そこから、例えば積込場、あるいは仲卸売場のほうへ持っていく通路につきましては、これは、もう25℃帯というところなので、そこについては氷があったほうが、よりベターかなというところです。

○小島座長 14ページを出していただけますか。
 東京都のものもそうなんですが、コールドチェーンというのは品目別で、これは農水省のコールドチェーンの導入の手引。
 こういうものを一体にして何を補助するかというのを考えているわけですが、全館空調は別に現実的には要らないんですよと、コールドチェーンをやるには。
 鮮魚は、氷または水氷の入った容器、つまり発泡スチロールに入って、ずっと行けば、それはそれでいいんですと。
 つまり、農水省の考え方は、別に全部新規のものをつくれと言っているわけではないので、中央卸売市場も、地方卸売市場も、既設のものがいっぱいあるわけですよね。このいっぱいある卸売市場に対して、コールドチェーンだとか、品質管理を向上させようというのがまず基本ですから、当然、既設のものでできること、市場でもできることを農水省は言うわけですよ。
 だから、いろんなやり方があるし、そこで鮮魚というのは、通常、発泡スチロールに入って、この市場のプレゼンで言うと、サンマなんか、もう氷詰めして入ってきて、発泡の中に入って、市場の中でやりとりして、短期間にそこから出ていけば、これはもうコールドチェーンが確保されている。それは、どこの市場でも、それはできることだということだと思うんですよね。
 そこでは回転を速くして、なかなか卸売場で長時間滞留しないような工夫をしなさい、それでコールドチェーンを確保するようにしなさいとか、ありとあらゆるお金のかからない工夫をして、既存の市場ではコールドチェーンと品質の向上を図りなさいと。新設のところは、やっぱり閉鎖型でやってください、そのほうがよりいいですよねということなので、コールドチェーンとかなんかは新設の市場の専売特許じゃないので、そこをもう少し整理して説明していかないと、全部新設にしないとだめなのかみたいなことにもなってしまう。そういうことではないので、物事によって、コールドチェーンというのは確保していくいろんな方法があるんだと。閉鎖型では、こういう利点があるというようなことを整理していただいたほうが政策にも合うと思うんですよね。
 築地は、先ほど言いましたように、青果は7割、あるいは、水産は4割弱、既に冷温化ができていますと胸を張って言っているわけだから、それを前提に豊洲の話もしていただくのが適切なんじゃないかと思いますが。
 例えば、今のマグロについて、マグロは今、じゃあ、築地はだめなのかというと、そうではなくて、築地は築地のコールドチェーンがあって、衛生管理はどうかというのは別かもしれませんが、そういうふうに動いているのではないかと思うんですが、いかがですか。

○衛生調整担当課長 今、座長からお話がございましたように、築地におきましても、当然、品温管理に配慮して、荷を取り扱っております。
 ただ、冒頭にご説明させていただいたように、どうしても屋外に出てしまう部分がある。これは結果的に発泡容器の中で品温が保たれたとしても、いろいろな危害要因、虫ですとか、鳥ですとか、外気ですとか、そういったものの危害をこうむる可能性が非常に高いので、やはりコールドチェーン、品温の管理も大変重要なんですが、トータルの衛生管理というのが求められている。
 そこで、豊洲市場においては、閉鎖型の施設で温度管理が可能な施設にしているということです。

○菊森委員 豊洲市場をつくられるときに、恐らく閉鎖型というのは当時そんなに多くなかったと思いますし、今、地方卸売市場でも、この閉鎖型に踏み切ろうとしている市場は実際にはあるわけです。
 そのときに、実際に海外の例とか、あるいは、そういった事例をどこかでご覧になって、そこがどういう運営の仕方をしていて、何が問題で、どういうふうにコスト削減とか、要するにエネルギーの削減を図ろうとしているかとか、進もうとしていた路線を修正せざるを得なかった事例とか、そういったことについて、お調べになったことはあるのでしょうか。フランスの例が一つあろうかと思うんですけれども、その辺について。
 それを見ると、何が今後必要になってくるか。閉鎖型にした場合のコストがどれだけ増えるかということとか、あるいは、それを削減するためにどんな工夫ができるかということは、当然、事例を見れば出てくるわけですよね。だから、そういったことについて今までご検討されたことがあるかどうか、簡単にお答えいただきたいと思います。

○衛生調整担当課長 過去に、海外の事例としてフランスのランジスという市場に、市場業者、それから東京都の担当者も視察をしています。
 当初、ランジスも閉鎖型でして、10℃での全館空調というのを目指していたようなんですが、やはりコスト面の課題があるというふうに聞いておりまして、現在、空調の使用をしていないというようなお話も聞いています。
 最新の情報は聞いていないんですが、ここ近年のお話ですと、全館空調は止めている、換気のみということです。
 ただ、閉鎖型の施設の空間の中で、当然ながら冷蔵施設を使って品温管理をしていますので、衛生上はきちんと保たれているというふうに伺っております。

○森山委員 先ほどからの、今度、築地が今は野外になっているところで積み込みをやったり、荷作業している問題があるというお話なんですが、いただいた資料の8ページに、豊洲市場の施設はこうするんですよということで、黒枠でとじたところが閉鎖型施設における使用範囲だというお話だと思うんです。
 だから、結局、この黒の線の中で作業を終わらせない限りは、豊洲の利点というのは生かされないという状況なんだと思うんです。
 同時に、この黄色いところに屋根がありますよということを書いてあるんですけども、この黄色い屋根があるところで荷おろしをしたり、積み込みをし始めたりする可能性が僕はあると思うんです。
 そうすると、実質的には待機駐車場と言われているところも、どうしても時間がないと、先ほどのコールドチェーンの中にもありましたが、とにかく荷物を早く動かすんだと、滞留させないことがコールドチェーンの鍵なんだというところと関連してきますので、これは実際に、黒枠の中で全て作業が完結するとお考えなのか、黄色い部分も使うだろうという予想をされていて、そうなってくると、待機駐車場にもターレが出てきたり、フォークが出てきたりして、実質、今の築地と同じような使い方をされてしまうんじゃないかという心配もありますが、その辺どうでしょうか。

○衛生調整担当課長 今ご指摘がございましたように、築地での現状を考えると、そういった懸念があるのは確かです。ただし、豊洲市場において、搬入、まず産地から来た荷物を受け取るという重要な仕事につきましては、当然ながら、産地の方が保冷なり冷蔵なりをして豊洲に運んできたものですので、そこはきちんと温度帯を維持した形で搬入すべきかと考えます。
 また、積み込みが黄色い屋根の下で行われる可能性があるということですが、こちらは、都としては、当然、バースを通して荷物を積み込んでいただくべきかと考えますが、買出人さん、買参さん、様々な搬出方法を想定されていると考えますので、そこは皆様の商品の取り扱いの仕方というのがございますので、その点は、場合によっては屋根の下で積み込みが行われることが全くないとは言えませんが、基本的には、温度管理をきちんとした上で消費者の方に届けていただくのが市場関係者としての責任かと考えています。

○小島座長 青果のところのバースですけれども、これは10トントラック用になっていないですよね。ちょっと出てしまうんですよね。バースに入ってくるトラックの長さ。
 それと、ウイング車が出てくるから、特に青果なんていうのは産地から来て。
 そうすると、いわゆるどこまでコールドチェーンというのを厳密に考えるかというところも、全部が全部入っていって、外気に触れないというわけではないんですよね。
 青果の駐車場の駐車スペースって、はみ出てしまうんですよね、あれは線から。
 「結構、10トントラックって多いですか」と言うと、「いやいや、多いんですよ」と言われて、「えっ、はみ出ちゃうじゃないか」という。それと横のやつは、完全にはならないんですが、それでもコールドチェーンですよね。
 どういうふうに評価されますか。

○衛生調整担当課長 青果のここの部分は、ここは開放部になってございますが、屋根がかかっている部分になってございまして、大型のトラックは、こちらのほうで、こちらのバースにつけることが可能になっております。
 ですので、閉鎖型はこの黒い範囲ですが、いわゆるウイング車といったようなものも、この屋根の下でバースのそばに車をつけて作業ができるような、そういった設計になっています。

○小島座長 ウイング車でも、コールドチェーンですよね。というふうに考えているということですか。

○衛生調整担当課長 ウイング車の使用も、コールドチェーンの一つとは考えてはいます。
 ただ、実際、バースというのが、トラックの後ろ側から荷物を搬入する、そういった想定でのバースがほとんどですので、そういう意味では、一旦、屋根の下部分に荷物を出さなくてはいけない、そういった作業が生じますが、いわゆる直射日光ですとか雨を防いだ形での空間の中で作業を行っていただくような仕様になっています。

○移転調整担当課長 大型はとめられない、はみ出すというところなんですが、5街区の東側が卸なんですよね。
 青いところを見ていただくと、幅が広いところと、若干狭いところがあると思うんですが、狭いほうが中型トラック用のバースなんです。広いほうが大型のトラック用のバースでして、これは14メートル確保しています、長さ的に。ということで、十分大型車がとめられるスペースを確保しています。
 幅6メートルの、奥行きといいますか、14メートル、大型のバースが。
 中型のほうが、幅が3メートルで奥行きが8メートルということで、青果の5街区の卸側は、大型のトラック用のバースと中型のトラック用のバース、この2種類を用意しているというところです。

○竹内委員 市場関係者の方から伺ったのが、大きいトラックが入ると、隣も大きいトラックが来て、前の道路が待機場になっているから、待機場にトラックがいると出られないんだよねと言う話があるんですが、それは杞憂なんですか。という話を伺ったことがあります。

○移転調整担当課長 確かに図面上の、車両の軌跡等で、このバースの配置・運用は設計して決めてきています。確かに今、習熟訓練ということで、青果の卸さんがトラックを使って、実際にこの外周道路からバースに入って運用ができるのか。もう実地の検証を始められていると思います。そういうところでいろんな問題点は確かに出てきているというのは、我々も認識しています。
 それについては、卸さん、市場業者さん、卸さんだけではなくて、ほかの街区もそうなんですが、業界さんの実地検査、いわゆる習熟の訓練で出てきた問題については、全部拾い上げて、対応していきたいと考えています。

○森高委員 話題を変えまして、維持管理のことでお聞きしたいんですが。
 閉鎖型のスペースって、かなり広範囲のスペースになりますよね。
 特に常温の温度管理、これはハード面でやらないとだめだということとか、あとは衛生管理も、基本的にはオートシャッターとか、いろいろありますが、それもきちっとハード面で対応しないとだめだということで、これは日常のメンテナンスというのは非常に重要ではないか。
 他の市場、築地よりも、もっと大事かなと思っているんですが、そのあたりの体制といいますか、特に衛生面では、多分、清掃も非常に重要になってくると思いますが、これは、例えばどこかに委託されるのか、あるいは東京都のほうで独自にやられるのか、そういう体制も含めまして、何か考えられているかどうかお聞きしたいなと思っているんですが。

○移転調整担当課長 現状、築地の体制があります。清掃も委託しているか、直営でやっている、あるいは設備を含めてスポット的に対応しているだとか、定期点検はどうしているのかというところで、築地の施設で、今、築地市場のほうで東京都の組織があります。
 そこで、いろいろと日々設備の運転、あるいは市場業者さんの業務を含めて点検しているというところを、まずベースとして、豊洲のほうも、それを引き継いだ上で、新たにこれだけ広大な敷地になる。
 待機駐車場を含めて、駐車場のところも、本当に市場に関係している車だけが来ているのか、全く関係ない車が停まってしまっているとかいう場合もありますし、待機駐車場で、先ほどありましたけども、荷作業を始めてしまっているということもありますので、そういうところは巡視をちゃんと立てて警備をしていくだとか、そういう新たな面も加えて、築地をベースにしながら、この計画を立てていくというところです。

○森高委員 温度管理なんかは、特に空調の機械の維持管理とか、あるいはシャッターでも、トラブルが時々ありますよね。そういうところは、閉鎖型施設は非常に重要だと思うんですが。
 築地とは違うと思うんですが。

○移転調整担当課長 貴重なご意見ということで、新たな体制のほうに、今の委員のご意見を加えて、体制見直しを計画していきたいと思っております。

○小島座長 いずれにしても、費用対効果を考えていかないと、一生懸命つくった――先ほど出しましたが、コールドチェーン化したら1割ぐらい上がったとか、それは理由はよくわからないんですが、コールドチェーン化、あるいは品質管確保のためのHACCPに準じた考え方を採用するというのは、そのための投資をしているので、投資とその効果ということを考えないと、過剰な投資なのではないかという。
 過剰な投資というのは、金がいっぱいあればいいですが、それによって経営が圧迫されたり、会計が圧迫されたりということになると、それは、農水省だって、そこまでやってくれとは誰も言っていないという話になりますから、日本の中で唯一無二の巨大な市場ですから、もう二度とこういうものはないだろうとは思いますが、そこでどういうふうに費用対効果を考えてできているのかということを説明してもらいたい、数字で。
 例えば今回出していただいたこれもそうなんですが、これは最後、大分わかってきました。出していただいた、これですね。
 主要4棟の延べ床面積のうち、これも次回、もっと街区ごと、建物ごとという細かなものを出していただけると、豊洲って一体どういうところなのかというのがもう少しわかってくると思います。
 売場面積が、これは合わせて53,000㎡なんですが、例えば物流施設の物流通路が46,000㎡だし、屋内連絡通路が25,000㎡とか、ターレスロープが5,000㎡とか、物すごく通路が多い建物なんだということがだんだんわかってきました。物を動かしていくのに必要な通路というのもあるので、豊洲というのは、機能の向上というのは一体どこにあるのかというのがよくわからなかったんです。
 お店は、そんなに、狭いとか言われていたんですが、お店が狭いわけじゃないということが、これでわかりました。
 要するに通路なんだろうかという、あるいは荷さばきスペースなんだろうかという、そこの豊洲の特徴をもっと明確に把握するために、ぜひ、次回は街区ごととか、建物ごととか、街区ごとで機能が出ていますから、それを出していただけると、「なるほど、豊洲というのはこういう施設だったんだ」というのがわかってきますし、それから、負担を求めるエリアと、そうじゃないエリアを、全部負担なんですけど、全体市場会計で見ていく部分と、いわゆる使用許可を出して個々のところでお金を払っていただく部分と、そのスペースを分けていただけると、さらに一層、豊洲というのはどんなところかというのがわかってきて、いわゆる経営的にも持続可能なのかどうかというのが計算しやすい。
 そういうことになりますので、さらなるバージョンアップをお願いしたいというふうに思います。
 HACCPのほうはあまりなかったんですが、ご質問ありますか。

○森山委員 結局、HACCPについて言うと、明確にこうしますということじゃなくて、いわゆるパッケージ作業の加工場が、例えばHACCP準拠に向かって使えるように、使いやすくなるようにしてありますということまでですよね。
 現時点で、豊洲の市場が開場したからHACCP認定すぐ取れるというわけではないですよね。

○業務課長 HACCP認定を取るか、取らないかは、これは事業者の考え方だと思っています。
 我々は、施設についても、ソフトについても、それを取りやすくさせていただいた。そういう施設をつくって、ソフトも整備したという考え方です。

○小島座長 ありがとうございます。
 いろんな海外との比較をしてみて、日本の市場の形態でHACCPを取るというのは、ほぼあり得ないです。
 ここは、わかりやすくHACCPに対応しますというか、準じた考え方ということだから、準じた考え方って一体何なんだろうということをいろいろ見させていただいて、あくまで準じているので、それから、日本の市場がHACCPを取るということはほぼあり得ない。
 市場ではなくて、そこにある工場とか、そういうものをチェーンの中で取っていって、するということはあり得るだろうし、それは諸外国の例を見ても、それはあり得るだろうなということなので、これから、どういうふうに整理していくかというのも、外部に対しても正確に発信していかないと、何か市場がHACCPが取れるなどというのは、現実には即したものではないので、そこも整理をしていきたいというふうに思います。
(資料1 28ページ)
 機能性に関する課題が残っておりましたので、簡単に市場のほうから説明をお願いしたいと思います。
 一つ目は、豊洲市場での店舗や冷蔵庫等の配置です。
 築地では七つでしたっけ、昔は。今は、もう五つですか。冷蔵庫が――動いているときは七つですよ――あって、結構便利だったという話も聞きます。
 豊洲では、それぞれの街区に1個ずつ大きなものが出てくる。
 こっち側から向こうを見ると、すごく遠いということで、動線が心配だという声があります。そこはどういうふうにお考えか。
 それから、最初から言われていた、間口が狭い店舗。マグロが切れないという話ですが、それが一体、全体のどのくらいあるのか、どういうふうに考えているのかということに対するお考え。
 それから、氷がとても大切。氷の製造販売が築地ではあちらこちらにあって、簡単に手に入った。豊洲では物すごく遠いところまで行かないと手に入らないのではないかというような懸念もある。
 それから、これはなかなか大変かなと思うのは、電力、コンセントの配置です。スロープなんかは結構ターレのバッテリーを食ってしまうので、そうすると、ターレの数だけ充電口が欲しいというような話も出てくる。
 こういうお話もあるので、ここら辺の現在の市場のお考えを、どなたかにお答えいただきたいと思いますが。

○移転調整担当課長 まず、冷蔵庫棟の話になりますが、冷蔵庫棟の事業者の決定につきましては、築地市場の冷蔵協議会、これは業界の協議会になります。メンバーとしましては、氷を製造している事業者と、氷を販売している事業者でほぼ構成されている協議会でして、この協議会におきまして、7街区がホウスイさん、6街区が築地魚市場株式会社、いわゆる東市さんのほうに決定されたという経緯がございます。
 機能につきましては、確かに築地は、座長おっしゃったとおり、複数棟あります。容量的には、今の築地にある民間の冷蔵庫棟と、あるいは都が整備している冷蔵庫棟を含めました容量よりも、豊洲のこの2棟の冷蔵庫棟のほうが、収容能力的には倍以上の収容能力となっています。
 動線ですが、築地の場合は、ご存じのとおり狭隘化していますので、冷蔵庫棟へ向かう動線としまして、トラック等の自動車、一般の車両と、ターレ、あるいは人という動線が込み合っているということがございます。
 豊洲につきましては、前回、第3回のPTでご説明したとおり、7街区については、水産卸売場棟の東側にあり、さらに1階あるいは3階の卸売場と直結しているということで、そこには一般車両は当然入りませんので、ターレだけで、しかも、卸売場と直結している連結になっている。
 6街区につきましては、東市さんの冷蔵庫棟が水産仲卸売場棟の西側に設置されていまして、1階の仲卸売場、小口の買参人の方の積込場の4階で接続されている。
 ここにつきましても、4階の積込場とは接続されていますけども、そこについては、一般の車両は当然、冷蔵庫棟には入れないということで、ターレのみの動線ということで、動線を含めて、豊洲のほうが、かなり整理されているというふうに考えております。
 水産仲卸売場の店舗のことで、間口が1.5メートルの店舗が今どれぐらいあるかということですが、全体の築地市場の水産仲卸業者さんの数ですが、28年の事業概要によりますと、今は602となっています。現状は、もうちょっと減っていますが、事業概要の上では602。
 このうち1店舗区画、最小店舗区画で営業されている事業者さんが約3割いらっしゃいます。この3割の方が豊洲に行った場合、確かに狭いというご意見をいただいています。
 我々としては、店舗が狭いというご意見に対してどのように応えていくかというところで、営業許可、先ほどありましたように食品衛生法の施設の基準を所管しております福祉保健局のほうと協議を重ねまして、豊洲市場の例外措置というものを一応設けております。
 中身としましては、1店舗区画、最小店舗区画のお店が並んでいる場合のみになりますが、同じ品目を扱っている事業者さんの場合に限り、店舗間の間仕切りを不要にするという例外措置を一応とっております。
 この例外措置をとった事業者さんですが、現状のところ、21組、いわゆる42店舗の方が、先ほど1店舗事業者の方が全体の3割と言いましたが、そのうちの42店舗の方が、店舗間仕切り不要という措置で、今、豊洲市場のほうで店舗の造作をされているというところです。
 問題になっているのが、多分、大物さんのことだと思いますが、大物さんの場合は、1店舗事業者の数としまして、約60の事業者さんがいらっしゃいます。
 先ほどの店舗間の間仕切り不要という例外措置をとられている事業者さんですが、現状のところ15組(30店舗)というところなので、約半分の方につきましては、店舗間間仕切り不要という状況になっています。
 じゃあ、残りの大物さんに限りますが、残り30の方がどうなのかというところ、あるいは大物さん以外の方で、42店舗以外の方はどうなのかというところですが、これも東京都のほう、これは市場業者さん、東卸組合さんのほうと協議しまして、7街区と6街区に大物の解体場を設けています。ここでいわゆる冷凍マグロ等の解体ですね、バンドソーで解体されると思いますが、そこで解体できるというところが一つ。
 それぞれの解体場に作業スペースを設けていますので、生マグロ等、あるいは鮮魚等も含めますが、柵とりだとか、そういう加工ができるように、これも市場業者さんと今後運用について協議して、運用ルール等を決めていきたいというふうに考えております。
 続きまして、海水の使用ですが、海水の使用、これはろ過海水施設になりますが、これは豊洲市場の場合、民間の整備施設になります。東京都で整備していません。民間の整備施設になります。
 それぞれの、ろ過海水の給水口ですが、水産仲卸売場につきましては全てのお店に給水口を設けております。水産卸につきましては、1階に必要な給水口、ろ過海水についての給水口を設けているというところです。
 特に使用の用途ですが、これは福祉保健局、この豊洲市場も築地市場と同じことになると思いますが、この衛生管理を指導している市場衛生検査所というところがございまして、そこの指導によりまして、使用用途としましては、冷凍の魚の解凍、あるいは活魚水槽に使用していいという許可を得ています。
 実際に、じゃあ、床に垂れ流していいかというところのご意見がございますが、衛生検査所のご意見というか、指導の中で、冷凍あるいは解凍するもの、あるいは水槽、これは設備ということで名目をしていますので、本来であれば、排水管を所要の排水施設のほうへ配管工事をするものが原則だと。
 ただし、急場しのぎじゃないですが、トレー等を持ってきて解凍するという作業も当然出てくるというところがございます。それについては、解凍した水、あるいは水槽もそうですが、活魚を入れる水槽は、魚のふんだとか、当然、魚の汚れ等が海水にたまる。それを床にそのまま垂れ流すということになると、跳ねによって、まな板に飛んだり、器具に飛ぶという恐れもありますし、床にそのまま垂れ流した場合に、魚のふんだとか雑菌等が付着する可能性があるので、もし垂れ流すのであれば、その後に水道水で洗い流してくださいというのが指導になっています。
 ですが、原則はあくまでグレーチング、あるいは排水口のほうに排水管を用意して、そっちで流していただくというのが施設としてのルールになります。
 3番目の氷の製造販売施設の配置につきましては、築地におきましては今、6カ所の氷の販売所がございます。
 豊洲におきましては、自動製氷機室、いわゆる氷をつくる施設のお部屋ですが、これが5街区、6街区、7街区、それぞれ全ての街区に設置している。特に需要が見込まれる6街区につきましては、1階と、あと4階に、自動製氷機室を設けています。
 販売の場所ですが、これにつきましては、今後、市場業者のほうと、どこに置くのが一番ベストなのかというところを調整しながら決めていくという段階でございます。
 あと、電力、コンセントの配置ということで、まず、ターレにつきましては、7街区に約800弱、5街区にも800弱、6街区に1,200弱を設置していまして、トータル的に2,800弱のターレあるいはフォークの充電口を整備しています。
 現状、築地市場で、これは電動化されていないものも含みますが、ターレが2,200台弱、フォークが500台弱ぐらいありまして、トータル2,700台程度ということで、台数と見合いですけども、ターレ、フォークの充電口は、豊洲市場では完備しているという状況にあります。
 仲卸店舗の電気容量につきましては、この間の青果さんのヒアリングでも出ていましたが、30アンペアで足りるのかどうかというところがございます。
 これは別に青果さんだけではなくて、築地から移転ということなので、築地をまずベースに設計しています。
 その後、いろんな事業者さん、特に、青果の仲卸さんからも、途中で動力、いわゆる自分のところに、先ほどのコールドチェーンに絡みますが、プレハブ冷蔵庫なりを置きたいというご要望がございまして、動力系の電力については、1度、増強しています。
 その後、造作の工事ということで、我々としては、平成27年4月から築地市場内に造作相談室を設けて、築地の全市場業者さんのご意見・ご要望なりを聞いてきています。
 ですが、この間のヒアリングで出ました30アンペアで足りる・足りないという話が造作相談室には上がってきていなかったというのは、ここではご報告させていただきますが、いずれにしましても、足りる・足りないというところにつきましては、我々はどういう電気設備を置かれるかというところの状況を把握していませんので、この場で、できる・できないという判断は、できません。
 まず、そこの調査をして、それぞれの電気設備の最大消費電力を単に足して足りないと言っているのであれば、これは過剰スペックになるので、我々も対応できないんですが、どうしても運用的に足りないというお話があった場合に、それぞれの売場での電力量というのは、もう限られていますので、そこのお店だけに特化して電力量を増やすということは、個別の対応は我々はしたくありませんので、あくまで青果のほうは二つの、両組合がありますので、組合のほうと相談して、どういう運用をしていくかというところは、今後詰めていかなければいけないのかなと考えております。

○小島座長 ありがとうございました。
 現段階での市場の考えをお聞きしました。
(資料2 29ページ)
 次回ですが、第5回、業者の負担と持続可能性、それから豊洲市場の持続可能性。これは前回挙げた項目でございます。
(資料2 30ページ)
 「中央卸売市場における業務運営について」という、こういう通知が出ております。第10次整備計画ができまして、各市場に対するものですが、そこでも、もう中央卸売市場の業務運営の基本というのは、適正かつ健全な市場運営の確保。
 市場について適正かつ健全な運営を確保するということもそうですが、市場の関係事業者の経営の健全性も確保されなければならないということです。
 知事の、農林水産大臣の認可の移転というのは、安全性を含めた立地上の問題、その場所でいいのかということと、経営の問題、事業計画がちゃんとできているのかという、こういう適正かつ健全な市場運営という、両方がございます。こういうことも非常に重要なことですので、次回はこれをやっていきたいというふうに思います。
(資料2 31ページ)
 豊洲市場が開場した場合、適正かつ健全な市場運営というのが確保できるかということで、建設費用は、既にかかった費用、今後は償還が課題。
 建物だけで2,752億円。これは2015年の数字です。
 建物にこれからかかる費用という、概算ですが、建物・設備の改修費と、それからランニングコスト。この数字も概算だと思いますけれども、お金がかかりそうだということが、これでわかります。
(資料2 32ページ)
 どういうことをやっていきたいか。
 豊洲のライフサイクルコストが計算されていない。
 ライフサイクルコストとはということで、JSCAのホームページから使わせていただきました。
 建設費は建物の費用の一部でして、全体を考えると、光熱費、一般管理費、修繕改善費、点検保守費など、多くの費用がかかるということで、こちらが心配。
 一つは、豊洲移転後の業者の費用負担額は一体どうなるのか。家賃は変わらないのか。あるいは業者が支払う水光熱費は幾ら増えるだろうかとか、その他もございます。
 それから、市場会計、これの影響は。
 これまでの費用は、築地の売却益で充当するというように議会で答弁されていますが、できるのか。あるいは、これからの費用は留保資金と使用料で対応できるのか。
 こういうものをエビデンスに基づいて議論してまいりたいと思います。いろんな数字がまだ出ておりませんので、市場のほうには、作業をお願いしたいというふうに思います。

○事務局 座長、ありがとうございました。
 本日の議題は以上となります。
 限られた時間ではありましたが、豊洲市場のコールドチェーンや衛生管理などについて検討することができました。
 最後に、事務局より事務的な連絡をさせていただきます。
 本日の会議の議事録ですが、準備が整い次第、都庁のホームページに掲載いたしますので、あらかじめご了承ください。
 以上をもちまして、第4回市場問題プロジェクトチームの会議を閉会いたします。どうもありがとうございました。

20時05分閉会

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