都政改革本部会議(第18回)議事録

平成30年9月18日(火曜)
都庁第一本庁舎7階大会議室

10時31分 開会

 1.開会
○事務局(榎本)それでは、ただいまより第18回都政改革本部会議を開催いたします。
 本日の会議は、インターネット中継を行うとともに、タブレット端末を使用して進行してまいります。会議中、端末に不具合が発生した場合には、職員までお声かけください。
 また、本日の会議出席者は、座席表の配付をもってかえさせていただきます。
 なお、本日の会議は、12時までの会議を予定しております。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず、知事より御挨拶をいただきたいと思います。
 知事、よろしくお願いいたします。

 2.知事挨拶
○小池知事 おはようございます。
 ちょっとエコーがきき過ぎて、カラオケみたいになっていませんか。
 18回目になりました都政改革本部の会議、よろしくお願いいたします。
 先月、都政改革アドバイザリー会議も開催されまして、このたびから松本座長を迎えまして、委員の皆さんから、都庁の「しごと改革」、働き方改革をテーマに、さまざまな御意見をいただいたところでございます。座長には、ぜひ、筋肉質の、そして、まさに機能する都政にしていく、さらに磨きをかけていくために、いろんな御助言をいただければと思っております。
 これからは企業経営改革、働き方改革など、実績のある皆様でございますので、御助言を受けながら、改革のPDCAサイクルを確実に回していって、そして今申し上げた筋肉質の都政、目指していきたいと考えております。
 きょうの議題ですが、推進部会で議論を重ねていただきました「見える化改革」ということで、5つの局からの御報告ということであります。「施設サービス魅力向上プロジェクト」について、事務局から、それぞれの施設の点検結果、あちこちにべたべたといろんなポスター張ってありますよとか、かなり分かりやすいテーマだったのを御記憶だと思いますけれども、こちらのことについては、後ほど報告をもらうということであります。
 それでは、本日もよろしくお願いいたします。

3.議題
○事務局(榎本)ありがとうございました。
 それでは、本日の議題に入らせていただきます。
 まず、「2020改革プランの取組状況について」でございます。
 事務局から説明をさせていただきます。

○事務局(小笠原)それでは、事務局から「2020改革」の活動状況について御報告をいたします。
 資料1を御覧ください。
 一つ目の「しごと改革」についてでございます。現在、「3つのレス」の取組とあわせて、総務事務改革に向けた検討を進めているところですが、次回の本部会議では、総務事務改革の検討状況について報告をさせていただきます。
 次に、「見える化改革」についてでございます。本日、5局、7つの事業ユニットについて、報告をさせていただきます。残りの事業ユニットについてですが、11月にも本部会議を追加で開催することとさせていただきまして、10月・11月の2回の本部会議で、残り全ての事業ユニットについて報告を行いまして、その後、次年度の予算に反映させていくという流れで進めてまいりたいと考えております。
 「仕組み改革」についてでございますけれども、11月の本部会議で、PDCA型政策評価の検討状況について報告をさせていただきます。
 その下の「施設サービス魅力向上プロジェクト」につきましては、本日、点検結果を報告させていただきます。この後、各局で点検結果に対する対応方針を検討していただき、また、他の施設についても、「自律改革」として点検を行っていく予定でございます。
 次のページを御覧ください。「見える化改革」の進捗状況でございます。報告済みの22ユニット、本日報告する7ユニット、残りの32ユニットを色分けしております。先ほど御説明したとおり、10月・11月の本部会議で、残りについて報告をさせていただきます。
 事務局からは以上でございます。

○事務局(榎本)ただいまの報告に関しまして、御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、二つ目の議題の「見える化改革について」でございます。
 本日は、合計5つの局から、推進部会の議論を踏まえて報告をいただきます。各報告とも、60ページから120ページという非常に大部の報告書となっておりますので、本日は、抜粋版により報告をしていただきます。なお、報告書の全体版につきましては、会議終了後にホームページに掲載をいたします。
 また、各推進部会の報告が終わるごとに、意見交換ということにさせていただきたいと思います。
 それでは、初めに、推進部会Ⅰのユニットについて、建設局から「道路・街路整備事業」、「河川事業」の二つのユニットの報告をお願いいたします。

○西倉東京都技監 建設局でございます。
 2件ございますが、初めに「道路・街路整備事業」について御報告申し上げます。
 1ページ目、全体の構成を御覧ください。左側の第1章で、都市計画道路整備などの項目につきまして、現状と目標を掲げ、右側の第2章におきまして、1章に掲げた目標の実現に向けた課題と今後の方向性を取りまとめました。本日は、特に重要な目標・施策である、赤枠で囲んだ部分について御説明いたします。
 次のページを御覧ください。初めに、現状と目標です。
 次のページを御覧ください。まず、都市計画道路の整備の推進についてです。このグラフは、都市計画道路の整備の推進状況の推移を示したものでございます。平成27年度時点では、総延長3,200キロのうち、その完成率は約63%であり、いまだ道半ばという状況です。現在、計画的かつ効率的に事業を進めるために策定いたしました、「第四次事業化計画」に基づきまして整備を進めており、この計画では、平成47年度には完成率を80%にすることを目標としております。しかし、過去のトレンドで進捗した場合、約77%にとどまることから、事業の加速が必要となっております。
 次のページを御覧ください。自動車の平均旅行速度の向上についてです。グラフの一番右に赤色で示しているとおり、東京は時速17.7キロメートルと、国内外の他都市と比較いたしまして低い水準にございます。今後、先ほど説明いたしました都市計画道路の整備によりまして、長期的にはスムーズに走ることができる、正月並みの時速25キロメートルまで向上させることを目標としています。
 次のページを御覧ください。木密地域不燃化10年プロジェクトの特定整備路線の整備についてです。市街地の延焼拡大を遮断するため、特定整備路線(28区間・25キロメートル)の整備を推進しております。
 次のページを御覧ください。道路と鉄道の連続立体交差化による踏切除却の推進についてです。これまで、本事業によりまして、395カ所の踏切を除却してまいりました。しかし、都内には、いまだ1,050カ所の踏切が存在し、踏切渋滞や地域分断の原因となっております。図に赤い線で示しております現在事業中の6カ所の事業によりまして、2024年度までに51カ所の踏切を除却することを目標としています。
 次のページ以降で、課題と今後の方向性について整理をいたしました。
 8ページを御覧ください。第1章で掲げました目標の実現に向けましては、左側に記載いたしましたように、今後、事業の困難度の高い路線が増加するなどの課題がございます。これらの課題を解決し、道路整備のさらなる推進に向けまして、右側に今後の方向性を整理しております。
 次のページを御覧ください。第1に、道路整備の推進方策の強化についてです。一つ目の課題は、事業の困難度の高い路線が増加傾向にあるということでございます。今後は、鉄道と複雑に交差するなど、困難度の高い路線の割合が高くなるため、事業が長期化し、事業進捗のペースダウンが懸念されます。
 次のページを御覧ください。二つ目の課題は、関係権利者が抱えている生活再建への不安でございます。グラフは、特定整備路線で設けております、相談窓口における関係権利者からの相談内容を示したものです。補償の内容や移転先に関することなど、さまざまな不安を抱えてございまして、権利者それぞれのニーズを踏まえて、きめ細やかに生活再建を支援することが必要でございます。
 次のページを御覧ください。先ほど御説明いたしました二つの課題を解決するため、一つ目といたしまして、オープンハウスを実施して、関係者の理解と協力を促進してまいります。オープンハウスとは、開催中は自由に入退場でき、パネル等の展示にあわせまして、担当者が個別に質問等にお答えすることができる説明形態です。これにより、個別に丁寧に説明し、意見交換することで、関係者の理解と合意形成を促進してまいります。
 次のページを御覧ください。二つ目といたしまして、生活再建支援策の充実・拡大を検討してまいります。現在、特定整備路線では、生活再建プランナーによる相談窓口を設置し、関係権利者にさまざまな支援を行っております。今後、本制度の検証を行うとともに、緊急性のある他の重要な路線にも展開することを検討してまいります。
 次のページを御覧ください。第2に、職員のノウハウ継承です。グラフのとおり、ベテラン職員の大量退職により、若手職員の割合が増加する傾向にございまして、人材育成とノウハウの継承が課題となっております。
 次のページですけども、そのため、各職場で工夫しながら、OJTを一層充実し、人材を育成してまいります。写真は、一部の事務所における事例でございます。採用3年目までの若手によるグループ研修や、経験豊富なOBによる講義など、人材育成のための取組を他の事務所にも水平展開してまいります。
 今後とも、さまざまな工夫を凝らしまして、東京の防災や経済活力の向上の礎となる道路整備を着実に進めてまいります。
 説明は以上でございます。
 引き続きまして、「河川事業」について御報告申し上げます。
 2ページを御覧ください。建設局では、東京の地形状況に応じまして、主に茶色の線で囲んだ西多摩地域や島しょ部における土砂災害対策、青線で囲んだ多摩地域や区部の台地における中小河川の整備、赤線で囲んだ東部低地帯における低地河川の整備などを実施しております。
 次のページを御覧ください。河川事業を河川整備と河川管理に大別し、それぞれ現状を整理・検証し、今後の方向性を取りまとめました。
 次のページを御覧ください。現状と検証結果について、ポイントを絞って御説明いたします。まず、低地河川の整備ですが、地盤が低い東部低地帯で暮らす約300万人の都民の方々を水害から守るため、防潮堤や水門などの高潮防御施設を整備しており、伊勢湾台風級の5.1メートルの高潮に対応する防潮堤などは、おおむね完成してございます。事業の効果ですが、右上のグラフに示すとおり、昨年10月の台風21号では、約14万戸の浸水被害をもたらした昭和24年のキティ台風と同程度の3メートルの高潮が発生しましたが、浸水被害には至りませんでした。今後、発生が想定し得る最大級の地震や津波にも耐えられるよう、現在、防潮堤などの耐震・耐水対策に取り組んでおりまして、引き続き、着実に進めてまいります。
 次のページをお願いします。続きまして、中小河川の整備ですが、台風等による水害から都民の命と暮らしを守るため、時間当たり50ミリの降雨に対処できるよう、昭和40年代から市街地での用地取得を伴う護岸整備を下流から順次進めるとともに、画面右上の環状7号線地下調節池などの整備を推進してまいりました。この結果、河川の延長に対する治水安全度達成率は80%となり、浸水被害は着実に減少しております。また、近年の豪雨傾向を踏まえ、平成24年に目標整備水準を時間50ミリ降雨から区部河川で時間75ミリ、多摩部河川で時間65ミリ降雨にレベルアップし、対策を推進しております。画面下の事業の効果ですが、昨年10月の台風21号では、過去15年で最大となる総雨量345ミリを記録しましたが、28ある調節池のうち、14の調節池に水が入り、貯留するとともに、これまで整備してきた護岸等が効果を発揮し、河川からの溢水による被害はございませんでした。しかし、本年7月の西日本豪雨など、最近の水害状況を踏まえますと、水害対策を加速する必要性が高まっております。
 7ページを御覧ください。土砂災害対策ですが、ソフト対策といたしまして、地元自治体が作成するハザードマップの基となる土砂災害警戒区域等の指定は、防災事業の緊急総点検を踏まえまして、指定を前倒しし、来年度前半には都内全域で完了させます。引き続きハード対策としての砂防事業等も計画的に実施するなど、ソフト・ハード、両面から総合的に対策を講じてまいります。
 飛びまして、12ページを御覧ください。検証結果を踏まえました河川事業の課題と今後の方向性につきまして、ポイントを絞って御説明いたします。
 次のページを御覧ください。地震に対する安全性の向上と水辺環境の向上を図るため、整備を進めておりますスーパー堤防につきましては、今後は民間等の開発動向を早期に捉え、企画段階から事業者と協議が行えるよう、地元区や開発業者との連携を一層強化してまいります。
 次のページをお願いします。中小河川の整備につきましては、事業中の調節池に加えまして、防災事業の緊急総点検を踏まえ、整備に向けて新たな調節池の検討を前倒しして実施してまいります。
 次のページをお願いします。水防災情報につきましては、今般、総務局におきまして、「アメッシュ」等とのワンストップ化が図られ、都民が防災情報にアクセスしやすくなりました。建設局では、現在の河川水位などをリアルタイムで都民に提供しておりますが、今後は、使いやすさの向上や多言語化、GPS活用による現在地周辺情報の自動表示などによりまして、都民にわかりやすく情報提供をしてまいります。
 飛びまして、19ページです。水辺のにぎわい創出につきましては、他都市の事例も参考にしながら、民間活力も活用して実施しております両国エリアなどに加えまして、画面の右下になりますが、日本橋で首都高地下化の動きのある日本橋川におきましても、さらなる民間活力によるにぎわい創出を検討してまいります。
 次、お願いいたします。河川施設の保守管理につきましては、地下調節池・分水路に加えまして、砂防施設や海岸保全施設にも、従来の壊れてから直す対症療法的な維持管理ではなく、損傷や劣化等が進行する前に適切な対策を行う、いわゆる予防保全型管理を導入し、持続的な施設機能の確保と、コストの縮減と平準化を図ってまいります。
 今後とも、河川事業を着実に進め、水害等から都民の命と暮らしを守るとともに、首都東京のさらなる魅力向上に取り組んでまいります。
 説明は以上でございます。

○事務局(榎本)ありがとうございました。
 次に、交通局から「バス、都電、日暮里・舎人ライナー」ユニットについて報告をお願いします。

○山手交通局長 それでは、「バス、都電、日暮里・舎人ライナー」ユニットについて御報告をさせていただきます。
 次のページを御覧ください。報告書の概要でございます。本ユニットは、3事業に分かれております。一つ目の東京さくらトラムは、近年、赤字基調であることから、増客に取り組む必要がございます。そのため、桜やバラの装飾を施した企画電車の運行、また、桜の花びらを中心に番号を施したシンボルナンバリングの導入等を通じまして、観光資源としての魅力向上に力を入れてまいります。二つ目の日暮里・舎人ライナーは、近年、朝ラッシュ時間帯の混雑が激しいため、車両の増備等による混雑対策に取り組みます。また、沿線区と連携をいたしましたイベントの実施等によりまして、昼間・休日の旅客誘致を進めてまいります。三つ目の都営バスについては、事業規模が大きいことから、今回、重点的に分析を行いましたので、詳しく御説明をいたします。
 3ページを御覧ください。まず、都営バスの事業の全体像(概要)です。1日当たり約63万人のお客様に御利用いただいております。
 次のページを御覧ください。ここからは、都営バスの経営環境(他事業者との比較)についてです。
 次のページを御覧ください。各都市の経常損益の比較ですが、いずれの都市も経常黒字となっております。
 以降のチャートで、都営バスと各都市の生産性について分析をいたします。
 次のページを御覧ください。収入に関する比較です。各都市におけます均一制の運賃を比較しますと、都営バスが最も安くなっております。
 次のページを御覧ください。各都市の実車走行キロ当たりの乗車料収入を比較しますと、都営バスが最も高くなっております。
 次のページを御覧ください。一方、経常費用についても、都営バスが最も高くなっております。
 この要因について分析をいたします。
 次のページを御覧ください。バス事業の平均年収・勤続年数の比較です。各都市の物価の違いによりまして、地域手当が他都市より高く、人件費が高くなる要因となっています。また、地域手当を除いた平均年収を各都市で比較しますと、勤続年数が長いほど平均年収も高い傾向にございます。都営バスは、横浜、大阪に次ぎ、勤続年数・年収とも3番目となっております。今後、バス運転手の大量退職を控えておりますことから、平均年収は低下していくものと見込んでおります。
 次のページを御覧ください。都心は道路の走行環境が悪いことから、都バスの表定速度が最も遅く、輸送効率が悪くなります。これも実車走行キロ当たりの経常費用が高くなる要因の一つとなっています。
 次のページを御覧ください。都営バスエリア周辺の各民間バス会社について調査をいたしました。公表されている情報が極めて限定的であることから、比較は困難な状況でございます。
 次のページを御覧ください。ここからは、これまでの都営バスの経営改善・サービス改善に関する取り組みです。
 次のページを御覧ください。バス事業の経常収支は、2010年度までは黒字基調でございました。しかし、2011年度以降、東京電力株の配当、約25億円の収入がなくなったこと等から、赤字となりました。その後、経営改善を進めた結果、昨年度は8億円の黒字を計上することができました。
 次のページを御覧ください。バス運転手の人件費につきましては、2007年度から給料表の見直しを実施し、削減を図りました。現在、都バス運転手の平均年収は、2006年度と比較して1割ほど減少しています。今後も、給料表の見直し以前に採用した職員の退職等によりまして、平均年収は低減していくと見込んでおります。
 次のページを御覧ください。都バスの全路線のうち、赤字路線は全体の7割程度であり、それらを約3割の黒字系統で支えております。採算性が低い路線であっても、地域に必要な路線については、都民の足を守るため、公営企業として維持しております。
 次のページを御覧ください。各路線については、お客様の御利用状況の変化に対応した効率的な運営を確保するため、毎月、路線ごとのICカードの利用実績を把握するなどの分析に加えまして、毎年度、営業所からの聞き取り調査や現場確認を実施しております。その結果、必要に応じてダイヤの見直しを行っております。
 次のページを御覧ください。都営バスのサービス改善の取組です。バス情報表示装置の設置、全ての車両のノンステップ化、停留所上屋・ベンチの設置などを推進しております。
 次のページを御覧ください。こうしてサービス向上を図りながら経営改善に取り組むことによりまして、今後、収支は改善する見通しとなっております。
 次のページを御覧ください。ここからはバス事業を取り巻く事業環境です。
 次のページを御覧ください。まず、都営バスエリアの将来人口です。今後、都営バスエリアでは、ますます高齢者が増加することが見込まれます。
 次のページを御覧ください。臨海地域の中央区、港区及び江東区、3区合計の将来人口です。今後、ますます都バスの需要が伸びるものと考えております。
 次のページを御覧ください。訪都外国人旅行者数ですが、今後も増加が見込まれます。
 次のページを御覧ください。バス運転手の労働条件につきましては、2002年ごろは勤務時間が長く年収も高かったのですが、現在では、年収が全労働者平均を下回り、かつ勤務時間は長いままとなっています。
 次のページを御覧ください。全国の大型二種免許の保有者の状況でございます。左のグラフでお示ししたとおり、バス運転手の仕事としての魅力が薄れてきたことなどから、2001年と比較して、40歳未満の若手を中心に、新規免許取得者が減り続けております。これに伴い、右のグラフのとおり、保有者も全体で約25万人、率にしますと20%の減、40歳未満では60%の減というふうになっております。
 次のページを御覧ください。また、全国のバス事業者の中には、下の下線部分にあるように、バス運転手の不足が路線廃止や最終バスの運行時刻繰り上げの理由となっている例も出てきています。
 次のページを御覧ください。都バスの運転手は、50歳台が全体の半数を占めております。今後、大量退職が見込まれます。
 次のページを御覧ください。都営バス運転手の採用状況です。採用を再開した2006年度当初は17倍となっていた倍率も、近年では5倍程度となっております。また、近年、合格者に占めるバス運転手経験者の割合は減少してきております。
 次のページを御覧ください。今後の方向性について御説明をいたします。
 次のページを御覧ください。これまで御説明した都バスの経営環境、安定的な経営に向けた取組、そして今後の方向性を整理しています。今後の高齢者や外国人旅行者の増加を踏まえ、お客様ニーズに合った施策の充実を図る必要がございます。このことから、今後の方向性として、右下、オレンジ色の部分になりますが、誰もが利用しやすい都営バスの実現を掲げました。
 次のページを御覧ください。続いて、バス運転手の確保に向けた課題、方向性について整理しました。先ほど御説明しました運転手の不足などの全国的なバス事業全体の課題のほか、都営バスとしても、運転手の高齢化の進行、運転手の大量退職が控える中、臨海地域の開発等により乗客数は増加しており、バス運転手の確保が喫緊の課題となっております。このことから、今後の方向性として、職業としての魅力発信、魅力向上、バス運転手の育成体制の充実に取り組むことといたしました。
 次のページを御覧ください。まず、誰もが利用しやすい都営バスの実現に向けまして、地下鉄改札口を通過してからバス車内まで、ICT技術も活用し、途切れない情報案内の整備を進めてまいります。
 次のページを御覧ください。次に、さらなるバリアフリーの推進です。右側の写真でお示ししておりますが、車内の段差をなくし、高齢者の方なども車内後方までスムーズに移動可能なフルフラットバスを国内で初めて導入し、本年内に運行を開始いたします。
 次のページを御覧ください。次に、バス運転手の確保に向けて、運転手の仕事に関心を持ってもらえるような動画・ポスターを、都営交通の媒体を活用して広く発信するなど、バス運転手の職業としての魅力を広く発信していきます。
 次のページを御覧ください。次に、女性が働きやすい職場環境の実現に向けて、女性職員の更衣室、トイレ、休憩スペースなどの施設の整備・拡充を進めてまいります。
 次のページを御覧ください。最後に、バス運転経験を持たない採用者も増えてきているため、養成研修コースを2コースから4コースにレベルに応じて細分化するなど、バス運転手の育成体制を充実させていきます。
 このように、バス運転手の魅力の向上を図り、人材育成に力を入れるなど、その確保・育成に努めてまいります。
 説明は以上です。

○事務局(榎本)ありがとうございました。
 それでは、ただいまの推進部会Ⅰの報告に関しまして、御意見、御質問等お願いいたします。
 長谷川副知事、お願いいたします。

○長谷川副知事 それでは、私のほうから、3点について意見を申し述べます。
 まず、建設局の道路・街路の整備事業でありますけれども、道路は都民生活を支える基礎的な社会基盤でありますが、都が果たしている役割や業務内容については、意外と知られていないということが多いと思います。そういう意味で、今回の報告書は、道路・街路整備事業の意義や現状、そして課題を都民の皆さんに広く知っていただけるように、わかりやすくまとめていただいたというふうに思います。
 ただいまの報告の中で、今後整備していく路線は、困難度の高いものが多くなる傾向にあるという話がありました。事業を着実に推進していくには、これまで以上に関係者の理解が欠かせないというふうに思います。
 今後の方向性として、オープンハウスの実施でありますとか、現在、特定整備路線で行っている生活再建支援策の他路線への展開の検討など、関係者の理解と協力を得るための新たな取組が提案をされております。
 これまでの取組の成果をきちんと検証して、現場の知恵を反映させるなど、より効果的な道路整備が進められるように、検討を深めていただきたいというふうに思います。
 次に、河川事業についてでありますけれども、東京都には、過去、たび重なる浸水被害に見舞われてきたという歴史がございます。都民の命と暮らしを守るために、河川の整備を進めてきたことによって、高潮や河川からの溢水による被害は着実に減少してまいりました。しかしながら、近年、全国各地で水害が頻発、激甚化する傾向にありまして、水害対策のレベルアップが不可欠でございます。
 先週、知事から防災事業の緊急総点検を踏まえた今後の取組について発表いただいたところでありますが、新たな調整池の整備や、環七地下広域調節池の延伸などの検討、そして土砂災害警戒区域等の指定を加速化することなど、必要な取組を着実に進めていただきたいと思います。
 また、住民の皆さんが危険を判断できるための情報発信を強化していくということも大変重要であります。今回、水防災総合情報システムの充実についても報告がありましたけれども、改めて都民目線に留意いただいて、都民の皆さんにわかりやすい情報を発信できるシステムになるように、ぜひとも工夫をして開発を推し進めていただきたいというふうに思います。
 それから、交通局からは、バス、都電、日暮里・舎人ライナーについての報告がありました。
 都営バスを中心として、経営状況を他都市との比較や収支構造の点検・分析により、わかりやすくまとめてもらったと思います。
 都営バスについては、管理委託の拡大や、2007年度から実施をしている給料表の見直しなどで、経営改善が着実に進んでいます。
 また、バス停留所の案内表示装置の設置や全てのバス車両のノンステップ化など、さまざまなサービス改善に取り組んでいるという話もありました。今後、持続的な運営に向けて、人材の確保にしっかりと取り組んでいただきますとともに、さらに外国人の利用者の方々ですとか、高齢者の方々の利用が今後一層増えるということを踏まえていただいて、ICTの活用によるサービスの向上ですとか、バリアフリー対策などを一層進めていただいて、誰もが使いやすい都営バスを目指していただきたいと思います。
 一方、全国的に見ても、バス事業を取り巻く環境は非常に厳しく、また、一方では、世界的に自動運転などの新たな技術の開発や次世代自動車の普及が加速化している状況にあります。交通局においては、国内最大級のバス事業者として、これまでも燃料電池バスの導入に先駆的に取り組むなど、新たな技術の導入に努めてきておりますけれども、引き続き、技術の動向も注視をして、時代を見通した経営にも努めていってほしいというふうに思います。ぜひよろしくお願いいたします。
 以上です。

○事務局(榎本)ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 武市局長、よろしくお願いいたします。

○武市財務局長 道路の整備ですとか、河川の整備、非常に重要な仕事だと思いますけども、同時に、時間がかかったりコストがかかったりしますので、そういうところを、かかっても、それ以上に十分価値があるんだと、その辺をきちんと訴えられるように、是非していただければなと思います。よろしくお願いいたします。

○事務局(榎本)都技監、お願いいたします。

○西倉東京都技監 財務局長がおっしゃるとおり、大変時間がかかる事業で、河川で言いますと、50ミリに対応する治水安全度達成率が、80%まで来たということなんですけど、約50年かけてここまで来たということでございます。ただ、一たび整備が完了しますと、そのストック効果は絶大なものですから、それをわかりやすく都民に発信していくべく、今、パンフレットなども作成しておりますし、国交省とも連携を図りながら、あるいは首都圏のほかの自治体とも連携を図りながら、その効果を発信してまいりたいというふうに考えてございます。よろしくお願いいたします。

○事務局(榎本)ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、推進部会Ⅱのほうのユニットについて、教育庁から「社会教育・生涯学習」ユニットの報告をお願いいたします。

○中井教育長 それでは、教育庁からは「社会教育・生涯学習」について報告をさせていただきます。
 3ページを御覧いただきたいと思います。教育庁が担う社会教育については、1の社会教育の振興で、その下に文化財の保護という形で、大きく二つに分かれますが、文化財の保護については、おおむね適正に事業が執行されているという評価をいただいておりますので、きょうは社会教育の振興についてお話をさせていただきたいと思います。
 5ページを御覧ください。社会教育につきましては、社会教育法がございますが、そこでは「市町村主義」、市町村が主体となるということで規定をされております。そういう中で、都道府県は、区市町村を支援する形で広域的な条件整備等を行うということになっております。
 10ページを御覧いただきたいと思います。東京都が担っている社会教育の体系でございます。社会教育事業は、ソフトの事業のほうでございますが、都立学校の開放等々ございまして、とりわけ今日的な課題を抱えているのは地域学校協働活動というものでございまして、地域において、学校の活動について、どう支援をしていくかということが一つの課題となっております。一方で、社会教育施設については、大きく都立図書館と、それとユース・プラザがございますが、これについても、若干、後ほど御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、地域学校協働活動についてでございます。次ページを御覧いただきたいと思います。地域学校協働活動については、そこにございますとおり、様々なセクターが多様な活動をしております。そういう中で、特に地域の高齢者をどう活用していくかということが、今日的な重要な課題となっております。いま一つは、企業・経済団体、あるいはNPO、こういった団体を学校活動にどう連携・協力してもらうかということがもう一つの課題でございます。
 12ページを御覧いただきたいと思います。こういった様々なセクターをどう取りまとめていくかということで、図の右側にございますが、地域学校協働本部という組織、名称からすると、かなりしっかりした組織のようにイメージを持たれますが、これは様々なものがございまして、数人のグループ、そういったものがネットワークをつくるような形で、地域のコーディネート機能、あるいは多様な活動の主体となっていく、それを継続していくといったような、グループ活動というふうにイメージしていただければと思います。その中核となるのが地域コーディネーターという人の存在でございまして、この地域コーディネーターをいかに育成し、地域学校協働活動をうまく運営していくかということが重要なポイントとなるものでございます。
 14ページを御覧いただきたいと思います。地域学校協働活動というのは、平成20年から始まっております。小学校・中学校のそれぞれの学区で活動をしておりますが、年々増加はしておりますが、現在でも小学校で6割弱、中学校においても6割弱というところにとどまっております。こういったことから、さらなる活動の充実・強化を図っていく必要があると考えております。
 15ページを御覧いただきたいと思います。その地域学校協働活動の要を成すのが、先ほど申し上げました地域コーディネーターでございますが、地域コーディネーターに現在なっていただいている方の4分の3は、PTA活動だとか、学校運営協議会等の関係者ということでございます。この地域コーディネーターをさらに増やしていくためには、元気高齢者の活用が考えられるわけでございますが、下の円グラフの真ん中の図を御覧いただきたいと思いますが、現在までのところ、60歳以上は22%にとどまっているというところでございまして、ここをさらに拡大していくことが必要かと考えているところでございます。
 次に、20ページを御覧いただきたいと思います。そういうことで、コーディネーターの充実を図る必要があるわけでございますが、左が現在の取組状況でございまして、それぞれのコーディネーターは、それぞれの学校区の中で、地域未来塾だとか、放課後子供教室だとか、学校支援活動だとか、それぞれ事業ごとにコーディネーターがいるという区域も多いわけでございますが、これを地区の中で、それぞれの事業ごとではなくて、地区としてまとめていく必要が一つあると考えております。さらに、右側を御覧いただきたいと思いますが、そのためには、各学校区だけではなくて、区市町村で統括コーディネーターを設けて、学校区の濃淡があるところをならしていく、まだコーディネーターができていないところにコーディネーターを配置するといった、統括的な機能を区市町村単位で設ける必要があると考えております。そして、さらに東京都は、企業やNPOなどの、なかなか地域ではできない、そういった事業を、プログラム提供等をしたり、コーディネーターの育成等をしていく必要があると考えております。
 さらに21ページ、次ページを御覧いただきたいと思いますが、そういった取組の中で、元気高齢者の具体的な活動をする拠点づくりというのも重要かと思っておりまして、これについては、福祉保健局と連携して、学校敷地内に拠点を作るということを進めてまいりたいと思っております。
 次ページを御覧いただきたいと思いますが、この表の緑で囲ったところが、ただいまお話ししたところでございますが、もう一つの大きな柱が社会教育施設でございまして、都立図書館については、中央図書館が現在築45年たつということで、老朽化がかなり顕著になってきているということで、その老朽化、建替えをどうするかという問題とあわせて、AI時代における図書館のあり方というのを、これは全国の図書館の共通の問題でございますが、考えていく必要があるということ。それから、ユース・プラザ、これは区部と多摩地区に一つずつございますが、若者を中心に体育活動や文化活動を行う拠点でございますが、PFI事業で20年の契約になっております。これが平成35年・36年度に、それぞれ終了いたしますので、その後を見据えたあり方の検討が必要というふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

○事務局(榎本)ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告に関しまして、御意見、御質問等があれば、よろしくお願いいたします。
 猪熊副知事、お願いいたします。

○猪熊副知事 今回は、都の教育庁が広域的な立場から実施している社会教育、文化財保護行政について、現行の施策・事業を幅広く点検していただきました。
 ただいまの報告では、地域と学校が相互にパートナーとして活動する、地域学校協働活動の普及・定着を進めていくというお話がありました。元気高齢者や企業、NPOなど、地域の方々が、この地域学校協働活動に参加することは、学校・地域コミュニティ、双方の活性化につながることだと思います。学校で言うと、児童・生徒の学力の向上にも資するということですし、地域住民の生きがい、自己実現、あるいは地域の拠点としての学校ということで、大変意義のあることだと思います。
 今回、施策のモデル案として、元気高齢者に活躍いただくイメージが提案されておりますけれども、モデルとなる成功事例を打ち出していくことが非常に重要だと思います。学校の働き方改革にも資する取組だと思いますので、是非、区市町村、教育委員会と連携を図り、学校の理解も得ながら、具体化していっていただきたいと思います。
 以上です。

○事務局(榎本)ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
 それでは、続きまして、推進部会Ⅲの報告でございます。
 まず、産業労働局から「農林水産業対策」、「雇用就業対策」の二つのユニットについて報告をお願いいたします。

○藤田産業労働局長 それでは、産業労働局、まず「農林水産業対策」から御説明をさせていただきます。
 1ページ、2ページは、報告書の概要でございます。
 3ページをお願いいたします。これが分析の視点でございます。中段、青枠のように、法や制度の改正が相次いでおりまして、今後、東京の農林水産業を取り巻く状況が大きく変化してまいります。今回、こうした変化に対応するために必要な施策について検証をいたしました。本日は、農業分野に絞って御説明をさせていただきたいと思います。
 次、4ページでございます。東京の農業の特徴でございますが、単位面積当たりの収益性が高い、あるいは消費地が近接をしておりまして、生産者の顔が見える、新鮮で安全・安心な農産物を提供している、また、輸送に伴う環境負荷が少ないというメリットもございます。これに加えまして、農地は防災や環境保全、教育など、多面的な機能を有しておりまして、農業の振興は、都市においてこうした重要な役割を果たしております農地を維持し、都民生活に潤いと安らぎをもたらすことにつながっております。
 次に7ページを御覧ください。東京の農林水産業の現状でございます。都心部から、多摩・島嶼部に至るまで、幅広い地域で農林水産業が営まれている現状がわかるかと思います。
 次に8ページを御覧ください。担い手の現状でございます。農家数は、25年間で4割以上が減少しておりまして、これらは農業者の高齢化、あるいは後継者の不足が原因というふうに考えられております。
 次に9ページでございます。農地の状況でございます。左の図のとおり、農地は減少の一途をたどっておりまして、また、右の枠でございます。東京の農地の4割以上を占めております生産緑地でございますが、これはその多くが制度発足をいたしました1992年に指定をされております関係で、2022年に営農義務を課された30年の期限が参りますので、農地の減少が加速化することが懸念をされておりまして、これがいわゆる生産緑地の2022年問題と言われているものでございます。農業の担い手育成を急ぐ必要がございます。この問題に対処するために、いろいろ手を打っているわけでございますが、こういった課題を控える中、今般、新たな法律が制定されまして、農地の所有者が安心して生産緑地を貸し出すことができる仕組みが整いつつございます。今後、こうした新たな仕組みを十分活用し、担い手となる農業以外の分野からの新たな就農者、あるいは経営規模拡大、あるいは農業者の確保・育成を強化していく必要がございます。
 次に14ページですけれども、こちらに担い手の確保・育成に係る現在の施策を体系的に示したものでございます。今回は、赤枠部分の①、②、③ということで、それぞれの段階別、三つの段階に分けて検証を行っています。
 16ページをお願いいたします。まず、就農に至るまでの支援でございます。新規就農者数、毎年50人から60人程度で推移しておりますけれども、農家数は年平均で282戸のペースで減少しておりまして、こうした状況から、担い手の確保・育成対策を一層強化する必要があり、特に農外からの新規就農者の確保に力を入れる必要がございます。このため、今後は個々の就農希望者の状況を適宜把握いたしまして、どの程度の所得を目指すかといった営農モデルや、農業開業資金、それから農地の確保など、継続的にアドバイスを行うハンズオン支援体制を整備してまいります。
 17ページをお願いいたします。農業者へのアンケートの結果でございます。就農当時に研修を受けたかったことということでアンケートをしておりますが、いずれも農作物の生産技術の向上を挙げる農業者が最も多くなっております。また、右に行きまして、研修の形式といたしまして、年単位や長期間での研修ニーズが高くなっていることがわかります。このような声がございますことから、今後は、都有地などを活用し、農地や栽培施設等の実践フィールドを用意した上で、新規参入者が時間をかけて農業技術等を体系的に学ぶことができる集合研修の実施が有効でございまして、農林水産振興財団の機能強化の上、積極的にこういった事業で活用してまいります。
 次に19ページをお願いいたします。就農者の定着支援の段階でございます。先ほどのハンズオン支援体制の整備にあわせまして、その後の定着に関しましても、農地・住宅の確保、あるいは販路開拓等の支援をいたしまして、就農者の定着をマネジメントする支援機能が必要と考えております。
 次に21ページを御覧ください。就農後の段階の支援でございます。農業者へのアンケートの結果、今後、研修を受けたいことといたしまして、先進的な機械・設備の導入など、高度な栽培技術に対するニーズが高くなっております。しかし、現在は、高度技術研修におきましては、一部の地域での開催に留まっておりまして、体系的な実施には至っておりません。今後は、都内全域を対象といたしまして、高度技術研修を実施し、ICTを活用した先端技術の導入等による農業者の経営発展を支援していく必要がございます。
 次に22ページを御覧ください。農業の担い手の確保・育成に関する現行施策の強化イメージでございます。吹き出しにございますとおり、新規施策、あるいは拡充、見直し等によりまして、さまざまなニーズを持った方々を着実に就農へ結びつけられるよう、就農から経営発展までの施策を切れ目なく体系的に整備をいたしまして、いわゆる農業分野における起業・創業といったことを強力に支援してまいります。
 最後、23ページのほうは、全体の農業分野以外も含めた検証結果のまとめでございます。
 農林水産業については以上でございます。
 続きまして、「雇用就業対策」について御報告させていただきます。
 1ページ目から3ページ目までは、報告書の要旨でございます。
 4ページを御覧ください。今回の「見える化改革」の全体像でございます。まず、全事業を対象として点検をした上で、これまでの見直し等々の状況から、7項目について検証を行い、あわせまして、施策全体に共通するテーマについても検証を行っております。
 7ページを御覧ください。施策体系のうち、黄色の部分が今回の分析を行った事項でございます。これらの七つのテーマにつきまして、求職側と、それから企業・経営者側、双方の視点に立った分析を行っております。本日は、このうち女性、高齢者、テレワーク、青い星印がついた三つについて御説明を申し上げます。
 9ページをお願いいたします。女性の再就職支援や就業拡大についての分析でございます。中段のちょっと小さくて恐縮でございます、図1に、女性の有業率等を示してございます。3本ございますが、この青ラインと緑のラインの差が、仕事につきたいと思いながら仕事をしていない女性の規模になりまして、一定規模の潜在労働力があることがわかります。
 次に10ページでございますが、図3のとおり、子育て中の多くの女性が、再就職前には子育てと両立できるかどうかなど、さまざまな不安を抱えております。
 11ページをお願いいたします。これらの課題の解決に向けましては、地域に眠る女性の力を引き出すため、再就職に向けた支援を充実することが重要でございまして、身近な場所でカウンセリングを受け、地域において就職できるよう、事業の地域展開を図ることが重要と考えております。
 次は、高齢者の就業支援でございます。13ページをお願いいたします。図1の帯グラフのとおり、60歳以上の方の65.9%が、65歳を超えても働きたいと考えております。
 右の65歳以上で就業をしているのは23%となっておりますので、高齢者の方も、次の14ページのほうをお願いいたします。高齢者が応募できる求人がないということをトップに挙げ、また、企業のほうは、逆に中途採用を考えていないというような結果がございます。
 15ページをお願いいたします。こういったことから、生涯現役でいきいきと働けるよう、高齢者の新たなチャレンジを後押しする必要がございまして、リカレント教育の一環としての学びの場の創出や、就業体験を実施してまいります。
 次にテレワーク、17ページでございます。テレワークの実施に関しましては、都内企業のテレワーク導入率、昨年6月の時点で6.8%となっておりまして、右側の調査でも、まだ4割以上が様子見ということで、まだまだ躊躇している企業が多いということで、テレワークが当たり前になる社会に向け、取組を加速していく必要があると考えております。
 19ページを御覧ください。最後に、共通テーマでございます。中段のイメージでは、左側に働く方、女性、高齢者、それから右側に企業等ございますが、いずれにしても、こういった全体の働き方を取り巻く環境に対応して施策を打つことが重要でございます。
 21ページでございますけれども、求職者のニーズといたしましては、女性も高齢者も身近な地域で就職をしたいということの結果が出ております。
 また、22ページを御覧ください。区市町村にアンケート調査を行いました。区市町村の中では、熱心に取り組む区市町村がある一方で、専属の体制がないなど、まだまだ十分ではございません。今後は、取組意欲の高い区市町村と連携を図りまして、こういったモデルを他の自治体にも普及していきたいというふうに思います。
 それから、23ページでございます。続いて、企業向け支援施策でございますが、通常、企業は金融機関や商工団体との日ごろのおつき合いが多いということがございますので、こういった団体が持つネットワークを活用して、効果的な支援に結びつけていきたいというふうに考えております。
 24ページ以降は全体のまとめでございます。
 説明は以上でございます。

○事務局(榎本)ありがとうございました。
 それでは、次に東京消防庁から「消防」ユニットについての報告をお願いいたします。

○村上消防総監 それでは、「消防」の事業ユニット分析について御説明をいたします。
 3ページを御覧いただきたいと思います。今回の分析につきましては、災害による被害の低減、アウトカムといたしまして、火災・水災、日常生活事故といった、発生頻度の高い災害を対象に、「災害を起こさせない」、「災害が起こっても早く対応する」、「災害の被害拡大を防ぐ」の三つの視点で分析を進め、抽出されました課題に対する取組の方向性を示しました。なお、震災等の大規模災害の対応につきましては、都が現在実施しております防災事業の緊急総点検等の中で取り組んでまいります。
 それでは、次のページをお願いします。まず、「災害を起こさせない」についてです。上のグラフのように、東京の発展とともに、近年、建物の大規模化・高層化・複雑化が進んでおります。建物の安全性を確認するため、消防職員が立入検査を実施しているところです。その結果を見ますと、下のグラフのように、事務所ビルでの違反のある建物の割合が減少している一方、雑居ビルでは増加しており、建物用途によって危険性が異なっている状況にあります。
 5ページを御覧ください。東京2020大会を迎えるに当たりまして、ターミナル施設、ホテル等、大会関係者や観光客等の安全性を確保する必要があります。関連する建物の立入検査は昨年度で終了いたしまして、現在は違反是正に取り組んでおります。
 6ページを御覧ください。このような現状を踏まえた取組の方向性についてですけれども、まず、高度な知識を有する立入検査専従職員が火災危険の高い建物の立入検査を実施し、違反是正を推進してまいります。また、平素は主に消防活動に従事している消防職員によるICTを活用した立入検査や、危険性の低い建物での関係者等による自主防火管理の促進を支援する体制を強化いたします。さらに、宿泊施設関係者が活用できるよう、当庁ホームページに多言語リーフレットを掲載するなど、外国人観光客へ災害時にとるべき行動等を周知できる取組を推進してまいります。
 7ページを御覧ください。次に、住宅に目を向けます。まず火災ですが、建物火災の約9割が住宅の火災であり、死者の約7割が高齢者となっております。
 8ページを御覧ください。次に、転んだりぶつかったりする日常生活事故についてです。日常生活事故で救急搬送される方は、この10年間、増加の一途をたどっております。また、熱中症による搬送人員は、本年8月31日現在で、昨年の2倍以上に急増しております。
 9ページを御覧ください。このような現状を踏まえた取組の方向性についてですが、住宅火災や日常生活事故のビッグデータ分析等から対応策を見出し、高齢者世帯等への防火防災診断等の機会を捉え、対策を進めてまいります。また、外国人も含めた都民等への情報提供も重要ですので、多言語アプリを開発し、災害への備え・対応等について、ニーズに応じて提供を行ってまいります。
 10ページを御覧ください。次に、「災害が起こっても早く対応する」についてです。まず、住宅火災における主な死者の発生要因は、グラフのとおり、発見のおくれや逃げおくれが多くなっており、死者の発生を防ぐためには、火災の発生を早く認知するとともに、早期に消防機関に通報することが重要であります。
 11ページを御覧ください。次に、水災についてです。近年、ゲリラ豪雨などの集中豪雨は増加傾向です。過去の豪雨災害を見ると、夜間に発生した災害の方が、人命危険が高くなる傾向が認められます。被害を軽減するためには、迅速に情報収集を行い、関係機関と情報共有を図っていく必要があります。
 12ページを御覧ください。こちらは荒川及び江戸川が氾濫した際の浸水想定区域地です。西日本豪雨等では、ハザードマップのとおり被害が発生しておりますので、河川の氾濫も踏まえた体制整備を図っていく必要があります。
 13ページを御覧ください。消防隊の火災における現場到着時間を見ますと、大阪市と比較して遅くなっております。そのうち、道路狭あい地域について分析いたしますと、小型のポンプ車であっても、現場到着まで時間を要している状況ですので、何らかの対策が必要です。
 14ページを御覧ください。高齢者世帯等の火災通報を早く受信する試みとして、契約先からセンサーによる通報を受けた警備会社等が、現地を確認する前に119番通報できる「代理通報」を本年4月より試行しております。人命救助等に効果が認められておりますことから、本行に向けて準備を進めてまいります。
 15ページを御覧ください。このような現状を踏まえた取組の方向性についてですが、高齢者世帯等から自動的に通報できる制度を進めてまいります。また、災害時における関係機関との迅速・的確な情報共有体制を拡充するとともに、多言語による情報発信をしてまいります。さらに、道路狭あい地域等で電動三輪車や小型の電気自動車等の活用を検討いたしまして、現場到着時間の短縮を図ってまいります。
 16ページを御覧ください。最後に、「災害の被害拡大を防ぐ」です。火災における損害は、燃えた損害に加え、放水により損害が生じる水損や、煙による汚損などがあり、耐火建築物では、このような被害が発生しやすい状況にあります。
 17ページを御覧ください。東京消防庁管内では、高層建物、地階を有する建物、大規模河川に加え、外国人観光客等の増加など、他都市にはない多種多様な都市構造を有しております。こうした状況を踏まえ、災害への対応体制を整備していく必要があります。
 18ページを御覧ください。このような現状を踏まえた取組の方向性ですが、浸水地域等の災害現場に浸入可能な走破性の高い車両や、ドローン等を活用し、迅速に災害状況を指揮本部が把握し、状況に応じて効果的・効率的に必要部隊を投入できる体制を整備してまいります。また、AIを活用した浸水予測とその活用を進めるほか、VR技術等を活用し、多様化する災害に即した訓練を推進してまいります。
 さらに、近年発生が増加している、集中豪雨や熱中症など、多種多様な災害への対応として、浸水地域等における夜間の消防活動が可能な照明資機材や、走破性の高い車両、熱中症への対応が可能な資機材や車両等を整備し、活動体制を強化してまいります。
 御説明は以上となります。

○事務局(榎本)ありがとうございました。
 それではただいまの推進部会Ⅲの報告に関しまして、御意見、御質問等はございますでしょうか。
 多羅尾副知事、お願いいたします。

○多羅尾副知事 それでは、まず、農林水産業対策でございますけれども、東京の農林水産業を取り巻く状況が大きく変化する中、現在の施策を総合的に点検・評価していただきました。東京の農地は、農産物の生産という、本来の機能に加えて、災害時の避難場所やヒートアイランド現象の緩和といった、防災機能や環境保全機能等の多面的な機能を有している、大切な存在だと思います。しかし、ただいま御報告があったように、農地が年々減少している事に加え、2022年問題により、一層の減少が懸念されているということでございます。
 都として、農地の保全、農業の振興のため、新規就農者や、経営規模拡大を図る農業者の確保・育成を推進していかなければならない。そのためには、稼げる力をつけてもらうことが重要であるとの御報告がありました、農業を職業としようかと考える、就農検討期から、経営発展期まで、切れ目なく支援を行う観点から、今後の施策の機能強化のイメージが示されておりますけれども、ICTを活用した農業経営や、江戸東京野菜といったブランディング等、新たなテーマも含めて、東京の農業の振興に向け、一層の検討を深めていただければと思います。
 また、本日は時間の関係で御報告はございませんでしたけれども、林業につきましても、多摩産材の利用拡大・防災対策を含めまして検討を深めていただければと思います。
 次に、雇用就業対策でございます。
 女性、高齢者、障害者の方に対する就業支援策や働き方改革、テレワークの推進など、東京都の雇用就業施策の総点検を行い、都を取り巻く雇用情勢を踏まえて今後の方向性を示していただきました。
 特に女性、高齢者、障害者の方は、自宅近くでの就労希望が多いとの分析に基づき、地域の区市町村や就労支援団体との連携及び、金融機関・商工団体とのネットワークの活用を積極的に進めていくという視点は、大変重要だと思いました。
 また、就労支援は、他の行政分野とも関連することが多く、例えば就労支援と子育て支援は、非常に密接な関係があると思います。施策を進めるに当たっては、庁内の関係部署との横串を通すことにも留意していただければと思います。
 テレワークについては、4割以上の企業が導入について、様子見とのお話がございました。企業の皆さんに導入の意義をよく理解いただくためにも、金融機関や商工団体など、多様な主体と連携し、一層のインパクトのある普及啓発に努めるとともに、各企業の状況に応じた、きめ細かな支援を進めていただきたいと思います。
 次に消防関係でございます。今回の報告では一般火災や熱中症等の日常災害、さらに水害についても分析を行い、取組の方向性を示していただきました。
 この10年間で、建物は約10万軒増加しておりまして、また、大規模化、高層化、複合化しているため、立入検査の業務が複雑化しているとのことでございました。また、小規模の雑居ビルでは、立入検査で違反を指摘される割合が増えている実態も分析していただきました
 業務量が増加する中にあって、立入検査業務を、一層効率的、効果的に実施するためには、AI分析などを初めとする、ICTを活用する視点は大変有効だと思います。東京消防庁の取組は、全国の取組をリードするモデルにもなると思いますので、ぜひ検討を進めていっていただきたいと思います。
 また、2020年大会に向けて、重点的に行っている、ホテル、旅館等への立入検査の取組も重要だと思います。昨年度までに立入検査は完了したとのことでございますが、引き続き、違反建物への是正指導をしっかり行っていただくなど、大会関係者や外国人観光客にも安心していただけるよう、取組をより一層進めていっていただきたいと思います。

○事務局(榎本)そのほか、御意見、御質問等はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、本日の議題の三つ目になります。施設サービス魅力向上プロジェクトについてです。 事務局から報告をさせていただきます。

○事務局(豊田)それでは、施設サービス魅力向上プロジェクトにつきまして、事務局から御説明いたします。資料3の2ページを御覧ください。
 こちらは本年3月の本部会議の資料でございますが、プロジェクトの概要をまとめております。背景の項目の上から三つ目のマル印にありますとおり、公園や文化施設、スポーツ施設のうち、特に来場者の多い施設を対象に、サービスを利用者目線で点検・評価し、必要な改善、サービスの向上を図るプロジェクトでございます。
 次のページを御覧ください。点検評価の概要でございます。今回の点検は事前準備から、利用後の対応までの利用者の一連の行動に沿った形で行いました。また、障害者や外国人などの多様な利用者の視点も踏まえて点検を行ったところでございます。
 4ページを御覧ください。対象施設の選定でございますけれども、公園や文化施設・スポーツ施設は、左側の表にございますとおり、148カ所ございます。この中から、右側の表にありますとおり、利用者の数ですとか、地域性・指定管理者等を考慮しまして、今回は28の対象施設を選定いたしました。
 5ページを御覧ください。今申し上げました対象施設28施設の一覧でございます。
 6ページを御覧ください。多様な利用者の視点からの点検といたしまして、今回は首都大学東京の留学生、障害のある学生に御協力をいただきまして、ヒアリングや実地の点検を行いました。
 続きまして、主な点検結果について、御説明いたします。8ページを御覧ください。今回の点検内容をまとめたものでございます。利用者の行動に沿った点検として、サービス利用の前から利用の後まで、それぞれの段階に応じて、ホームページ、施設内の利用者の動線、あるいは案内表示、トイレなど、施設設備の点検を実施いたしました。10ページを御覧ください。
 これ以降、点検結果の具体的な項目を記載しておりますけれども、冒頭、資料の構成について御説明いたします。
 こちらのページの上の左にありますとおり、こちらは要確認ということでまとめております。今回の報告では、私ども都政改革本部の事務局の職員が利用者の視点に立って、分かりづらい、あるいは利用しづらいというように感じた事例につきまして、改めて今後確認が必要ということから、要確認ということで、記載しております。
 また、この後のページで出てまいりますけれども、逆に、利用するに当たって、分かりやすい、あるいは使いやすいというように感じた事例を好事例という形で、項目ごとに併せて紹介をいたしております。
 それでは説明に入ります。こちらのページはホームページの要確認の事例になっております。こちらは一つの同一の公園につきまして、二つのホームページが存在するケースになっておりまして、項目によってその情報量に差があるため、利用者が両方のホームページを見なければ、施設に関する全ての情報を得られない可能性があるということで、今回の事例に紹介しております。
 11ページを御覧ください。同一の公園についての園内マップでございますけれども、こちらにありますとおり、異なるものが掲載されてございます。
 次のページを御覧ください。同一の公園の中にある、自然観察園という施設についてのページですが、左のホームページの方が詳細に案内されている状況になっております。
 次のページを御覧ください。こちらも同じ公園の売店についてのページですけれども、今度は逆に右側のホームページの情報が充実しているという状況になっております。このようなことから、利用者がどちらのホームページをチェックしても、同じ情報を得られるようにしていく必要があるのではないかということから、要確認としております。
 14ページを御覧ください。こちらは好事例のケースでございます。都立の海上公園が区立の公園と一体的に整備されているケースで、両方の公園を一つのホームページにまとめて案内しておりまして、利用者がワンストップで情報を入手できる事例となっております。
 続きまして、利用者の動線について御説明します。16ページを御覧ください。こちらは、要確認でございます。園内マップの中で、車いす通行可ルートとして案内されているルート上に車いすでは通行しにくいと思われるような段差等がある事例がございました。改修等が難しい場合でも、園内マップ等に段差がある旨を予め表示するなど、利用者の方が予め把握できるような工夫をする必要があるのではないかということから、要確認としております。
 17ページを御覧ください。このページは好事例でございます。この公園では、バリアフリーマップの園路を、勾配に応じまして青赤黒の3色に分けて表示をしております。高齢者や車いすの方など、利用者御自身の状況に応じてルートを選択できるような事例になっております。
 18ページを御覧ください。こちらは好事例ですけれども、園内通路から内側の休憩所等に入る際の段差を切り下げている、そういった事例になっておりまして、車いすの方やベビーカーの利用者の方へ配慮している事例ということで紹介しております。
 19ページを御覧ください。案内表示について御説明いたします。
 20ページですけれども、このように劣化ですとか、損傷等が激しい案内表示が、今回対象施設の中で幾つか見受けられましたので、要確認とさせていただきました。
 21ページを御覧ください。案内表示の好事例でございます。こちらについては、設置場所に応じて、向きや方位を変えて表示しておりまして、案内図を見る利用者の方が方向を把握しやすいように工夫している例になっております。
 22ページを御覧ください。多言語表記に関する項目でございます。同じ場所に関する表記が、一方ではローマ字、一方では英語という形で混在している事例が幾つかございました。外国人の利用者が混乱する可能性があるということから、要確認とさせていただいております。
 23ページを御覧ください。続けて、多言語表記に関する要確認でございますが、英語表記の案内はしているのですが、こちらにあるように、非常に文字が小さく見づらいような状況になっている例でございます。特に危険等の注意喚起につきましては、大きく英語表記をするといった対応も必要ではないかということから、要確認としております。
 24ページを御覧ください。こちらは好事例でございます。左の庭園では、お茶の点て方マニュアルを複数の言語で訳したものを用意しております。また、右側の公園では、ローマ字と英語の表記が併記されている状況でございます。いずれも外国人の方の利便性を配慮した事例ということで紹介をしております。
 25ページを御覧ください。利用者へ禁止事項を呼びかける案内表示のページでございます。こちらは事故防止ですとか、周辺住民の方からの御要望等の観点から、案内表示の必要性がある一方で、場合によっては、設置している数が多いなど、施設のイメージ悪化につながる状況になっていないかと言った視点からも、改めて検討が必要ではないかということでまとめております。
 26ページを御覧ください。こちらは好事例でございます。否定的な表現を避けた表現ですとか、やわらかい色合いなど、利用者に不快感を与えないような配慮をしている事例を紹介しております。
 27ページを御覧ください。バリアフリー対応に係る案内表示でございます。左は掲示板の一番高い位置にバリアフリーマップが掲示されておりますが、車いす利用者が見づらいのではないか、また、右は触知図の前に車止めのポールが設置されておりまして、視覚に障害のある方が利用しづらいのではないかということで、要確認としております。
 28ページを御覧ください。こちらは好事例でございます。バリアフリーに関する項目をピクトグラムでまとめている例でございます。
 次はチラシ、ポスターについてでございますけれども、30ページを御覧ください。こちらはポスターが重なっているような掲示等を今回要確認でまとめております。
 31ページを御覧ください。こちらは好事例でございますけれども、イベントの情報ですとか、恒常的な案内を分けて、工夫して掲示している例でございます。
 32ページを御覧ください。こちらも好事例でございますけれども、園内マップ等のリーフレットにつきまして、サービスセンター以外の、売店ですとか、園内の各所で配布しておりまして、営業時間外も含めて、リーフレットを入手しやすい工夫がされておりました。
 続きまして、トイレ等の設備でございます。34ページを御覧ください。左は、男女共用のだれでもトイレの入り口ですが、中央を壁で仕切った女性トイレ側にございまして、男性が利用しづらいのではないかということで、紹介しております。だれでもトイレにつきましては、異性の介護者が同伴する場合もございますので、案内表示などで工夫する必要があるのではないかということで、今回紹介しております。
 次のページを御覧ください。こちらは好事例でございますけれども、トイレの清掃状況を見える化している事例ですとか、おむつ用のごみ箱ですとか、子供用補助便座を用意している例を紹介しております。
 36ページを御覧ください。こちらも好事例でございます。だれでもトイレの音声案内の事例でございますけれども、トイレ内の配置まで音声で案内して、視覚に障害のある方にも利用しやすい工夫をしている例でございます。
 最後に、意見箱・アンケートについての御説明でございます。38ページを御覧ください。ほとんどの施設では意見箱等を設置しておりますけれども、施設によっては記入しづらいような場所に設置されている例がございましたので、紹介をしております。
 39ページを御覧ください。こちらは好事例ということで、記入場所の設置が難しい場合でも、バインダー等を用意しているなど、工夫している事例を紹介しております。
 続きまして、多様な利用者の視点からの点検結果ということで、41ページを御覧ください。首都大学東京に在籍する、障害のある学生に御協力いただきまして、ヒアリングを行いました、共通した意見としましては、展示物等の説明の案内等について、音声案内ですとか点字等で、一部省略されてしまうような場合があるということで、障害のない利用者の方と同じ情報量を案内してほしいという意見がございました。
 次のページ、42ページを御覧ください。こちらも首都大学東京の留学生に御協力いただきました。障害がある学生からの意見もありましたけれども、やはり、情報量について、省略せずに、日本語と同じ内容を多言語に訳したものが欲しいという御意見がございました。
 以上が点検結果の御報告になります。
 最後に今後の予定について御説明いたします。45ページを御覧ください。本日は点検結果の主な事例を御報告させていただきました。今回、事務局として、要確認とした事項につきましては、一部は速やかに施設で対応をいただきまして、既に改善したものもございますけれども、今後、本日の御報告の後、全28施設につきまして、結果を各所管局と情報共有いたします。その上で特に事務局で要確認事項とした項目につきましては、各局に対しまして、改善の必要性などの状況確認、また、改善に向けた対応方針の検討を依頼します。その上で事務局として、これらの対応方針を取りまとめまして、後日の本部会議で報告をさせていただく予定でございます。
 なお、今回の点検対象以外の公園・文化施設・スポーツ施設、さらには、それ以外の都民が利用される施設につきましても、今回のプロジェクトの点検結果の視点ですとか、チェックリストを活用することができると考えておりますので、今後も各局と情報を共有しまして、それぞれの自律改革として、サービス改善に取り組んでいきたいと考えております。事務局からの説明は以上でございます。

○事務局(榎本)ただいまの報告に関しまして、御意見・御質問等、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、会議の最後になりますが、知事から御発言を頂戴できればと思います。知事、よろしくお願いいたします。

○小池知事 第18回の本部会議でございました。きょうは五つの局から、見える化について、また、その報告の際には自律改革という観点で、改めて自らを点検をしていただいた上で、その方策などを御説明、また、報告をしていただきました。この都政改革は、まさしく自律、自らでということが基本でありますので、その意味では、現場の現状プラス客観的な部分も含めて、改革への案、また、課題等についてもまとめていただいたものだと思います。
 先ほどの交通局の運転手がこれから足りなくなるというお話等は、まさしく、今の東京の、もしくは日本の課題を象徴しているかのようなものでございました。
 高齢化と人口減少と、この二つをどうやって考え、そしてまた機能させていくのかというのは、もう待ったなしの課題でございますので、また再雇用とか再任用とか、さまざまな形はあるかと思いますけれども、でも全体を考えれば、逃げ切れない高齢化と人口減少。そこにおいて、東京都として、どうすべきかと、鳥の目になって考える必要があろうかと思います。
 きょうも、ちょうど北と南の半島で抱き合っているシーンがありましたし、それから、米中貿易戦争というのは、交渉事とはいえかなり激しいですね。そうして次は、今度は日本に対して、どういう交渉事が投げかけられるかというのは、余り予断を許さないのではないかと思います。ものづくり産業であるとか、農業とか、そういう日本にとっての根幹の部分まで、がっとやって来られた時に、首都東京としてどうやって維持していくのか、発展をさらにしていくのかという、とても大きな時代の節目だと思いますので、現場は日々粛々とこの役割を担っていただきたいですが、一方でそういう大きな変化について、どうやっていくのかということについては、やはりまた、副知事をはじめ、局長をはじめとして、しっかりと戦略を練っていないとまずいのではないかなというふうに思っております。
 そしてまた、高齢化と人口減少ということでありますけれども、例えば教育庁のほうで
、このコーディネーターを置くというのも、ある意味高齢者が元気で、これまで生きてきた中でのノウハウを地域でもって生かして、その人にとってもやりがいがあって、名詞が持てて、そして、子供たちにとってもプラスという、このいいモデル事例を、ぜひつくりあげていただきたいというふうに思います。
 テレワークについても、まだまだだということですが、4割様子見ということは、要は4割を後押ししてあげればかなり動くという、そういうサインではないかと思いますし、働き方改革、それからAIなどは、金融業界では、既にすごいことになりかけていますので、これらも逆に都としてAIを生かしつつ、ビッグデータをまとめたりプラス面で生かせるような、そういう努力をそれぞれやっていただきたいと思っております。
 最後に、前にとても具体的に都民サービスとしての課題をまとめていただきました。早速いい事例をそれぞれの現場で徹底して進めていっていただいて、都民ファーストの目線ということを、ぜひ実現していただきたい。
 それから、前もお話があったかと思いますけど、「ガバメント2.0」といって、都民が今持っているスマホなどで、ここに道路に穴が開いているですとか、ここの入り口が使いにくいじゃないか、段差を何とかしろとか、そういうのが場所と画像で知らせてきて、そこで改善をするというのは、もう既に世界各国で使われている手法であります。そういうのもうまく取り入れていくことによって、都民へのサービスを都民とともに進めていくようにしていただきたいと思っております。
 最後に、思うんですけれども、今、世界のスピード感がむちゃくちゃ早いと思うんですね。国政もそうですけれども、都でも、また地方自治においても、スピード感を上げていかないと、色々やっていても、色々いい材料があっても、取り残されると。私はいつもその危機感でいっぱいなんです。ですから、きょう一つ一つの改革案が出てきましたが、スピード感を持って、また、道路であるとか、建設関係は一朝一夕にできるものではありませんけれども、できるだけ前倒しにするためにはどうすればいいかということで、また知恵を絞っていただきたいと思います。
 ということで、きょうは御苦労様でございました。
 これは紙でやっていたらこんなに分厚くて、すごい資料になっていたかと思いますけれども、見える化、これは情報公開につながりますし、また、ペーパーレスだ、はんこレスだ、キャッシュレスだといったようなのも、皆さんの仕事も、より仕事がしやすくなる、そういう流れをぜひ早急に確立していただきたいと思っております。
 今回もご苦労様でございました。また頑張ってまいりましょう。

 4.閉会
○事務局(榎本)ありがとうございました。
 次回は第19回になりますが、10月の開催を予定しております。
 以上をもちまして、第18回の都政改革本部会議を閉会いたします。
 どうもありがとうございました。


11時58分 閉会

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