都政改革本部会議(第15回)議事録

平成30年3月28日(水曜)
都庁第一本庁舎7階大会議室

10時30分開会

1.開会
○事務局(榎本) ただいまより、第15回都政改革本部会議を開催いたします。
 本日の会議はインターネット中継を行うとともに、タブレット端末を使用して進行してまいります。会議中、端末に不具合が発生した場合には、職員までお声がけください。
 また、本日の会議出席者は、座席表の配付をもってかえさせていただきます。
 それでは、まず、知事より御挨拶をいただきたいと思います。
 知事、よろしくお願いいたします。

2.知事挨拶
○小池知事 皆さん、おはようございます。今年度最後となります15回目の都政改革本部会議、これからスタートいたします。
 今年度におきましては、この本部会議を8回開催いたしました。この間も、都政改革、大きく前進をいたしたと、このように確信しております。
 いよいよ新年度、あと4日で迎えるわけでございますが、本日の会議におきましては、平成30年度も都庁一丸となって都政改革に臨んでいけるように、取り組むべき課題、そして、その進め方を整理していきたいと考えております。
 そして、本日の議題でございますが、まず、2月上旬に素案を公表いたしました「2020改革プラン」について、パブリックコメントをいただきました。また、議会での議論などを踏まえまして、最終的なプランとして取りまとめをいたしましたので、その報告をしてもらいます。
 それから、新年度の4月から職員主体の新たな推進体制で都政改革を進めていくことといたしましたので、その実施体制についての御報告がございます。
 そして、3点目ですが、平成30年度の「しごと改革」、「見える化改革」、「仕組み改革」、それぞれの改革及び施設サービス魅力向上プロジェクトをどのように進めていくのか、具体的な取組、そして、スケジュールなどについての報告をお願いいたします。
 限られた時間ではございますが、密度の濃い有意義な会議にしていただきたく、御協力のほどよろしくお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。

3.議題
○事務局(榎本) ありがとうございました。
 それでは、本日の議題に入らせていただきます。
 まず、「2020改革プラン」(案)についてでございます。
 事務局から説明させていただきます。

○事務局(豊田) それでは、「2020改革プラン」(案)につきまして御説明いたします。
 まず、都民の皆様からの意見公募の実施結果について御説明したいと思います。
 資料1の「2020改革プラン」(案)の137ページをごらんください。こちらで取りまとめて御説明いたします。
 前回の1月に、本部会議におきまして「2020改革プラン」(素案)を説明させていただきました。その後、2月5日に公表をいたしまして、パブリックコメントを2月19日まで実施し、御意見を募集したところでございます。
 こちらにありますとおり、ダウンロードいただいた件数としては、約21万件になっております。
 お寄せいただいた御意見は、40件でございました。
 プランの中では、そのうちの主な御意見を掲載するとともに、その御意見に対する都の考え方につきまして、プランにおける掲載しているページですとか、関連している内容のページを記載しながら説明をしてございます。
 本日は、プランに掲載している御意見の中の幾つかを御紹介させていただきます。
 まず、今御覧いただいているページですが、こちらはプランのいわゆる総論についての御意見をまとめたものになっております。
 1点目の御意見は、野心的な改革プランであるけれども、手法改革に過ぎないとも思う、今、行政に求められているのはむしろコンテンツではないかというような御意見でございました。
 こちらに対しましては、都の考え方として、こちらにありますとおり「2020改革」は、一律に削る、減らすことを主眼とするのではなくて、積極的に先行投資を行うことを基本理念としているということなどについて、考え方として記載しております。
 2点目の意見は、情報公開のレベルアップについて興味を持たれていることですとか、第四章、これまでの取組の成果と達成目標についての章になりますが、こちらの記載にばらつき、進捗の差があるのではないか、こういうような御意見でございました。
 こちらについても、都の考え方としては、取組状況をこれからいろいろ追加していきながら、追加すべき取組をプランに取り入れているということで、バージョンアップの説明をしてございます。また、情報公開をしながら、確実に、着実に推進していくということを記載しております。
 このほか、御意見のみを幾つか御紹介をさせていただきます。
 138ページでございますが、こちらは、「しごと改革」のペーパーレスについてでございます。
 プランについてパワーポイントで作成した今回のスタイルについて、地味だけれども、これからもこういったペーパーレススタイルに取り組んでほしいというような御意見などをいただいております。
 続いて、次の139ページ以降ですが、こちらは、「見える化改革」についての御意見になります。
 このページでは、学校運営・支援についてでございますが、都の教育委員会が学校に求める業務の見直しに関する御意見ですとか、学校事務のセンター化に関する御意見などをいただいております。
 続いて、140ページでございますが、こちらでは、工業用水道の今後のあり方ですとか、下水道事業のコンセッション方式の導入に関する御意見などをいただきました。
 御意見の最終ページになりますが、141ページでございます。こちらは、「仕組み改革」に関しまして、監理団体改革についての御意見です。
 団体の経営計画の公表、評価を求める御意見ですとか、監理団体ごとの実態に応じた対応を求める御意見など、多様な御意見をいただいております。
 その他の御意見につきましては、本日のお時間の関係もございますので、後ほど御覧いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上がパブリックコメントの実施結果についての御説明になります。
 続いて、「2020改革プラン」(案)の内容について御説明いたします。
 今申し上げたパブリックコメントでいただいた御意見によって、今回のプランの内容を変更ですとか、修正する箇所はございません。
 また、意見公募に関係するもの以外の箇所、プラン全体の内容につきましても、文言上の整理ですとか、いわゆる時点修正的なもの、こういったものは幾つかございますが、そういうものを除きまして、先だって素案を御説明した段階と比べまして、素案からの変更等はございません。
 全ての記載につきまして、前回の本部会議で御説明させていただいたときの内容と同様の内容となっております。
 以上がプランの内容についての御説明になります。
 最後に、今後の予定について申し上げます。
 このプランにつきましては、本日の御議論を踏まえた上で、「2020改革プラン」として確定をさせていただきまして、3月30日に公表をする予定で考えてございます。
 また、公表の際には、今回いただいたパブリックコメント、こちらの御意見についても全てホームページで掲載をいたします。
 「2020改革プラン」(案)についての御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○事務局(榎本) ただいまの報告に関しまして、御意見、御質問等はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。
 それでは、続きまして、二つ目の議題に入らせていただきます。今後の都政改革の実施体制についてでございます。
 まず、知事から御発言をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○小池知事 今後の都政改革の実施体制でありますが、「2020改革プラン」がまとまりました。これからは、いよいよ実践段階に入ります。
 実践的都政改革段階ということで、これまでの取組をベースにして、都政改革の土台が築かれておりますので、これからは、副知事、そして、各局長を中心として、職員主体の新たな実施体制のもとで、不断の都政改革に取り組むことといたします。
 そもそも自律改革でスタートしたものを、さらにその中身を濃くしていくということでございます。
 具体的には、私自身、本部長としてこの都政改革本部を行っているわけですが、引き続き私自身が改革の司令塔として全体の統括をいたします。
 そのもとに、各副知事、部会長となっていただいて、三つの推進部会を設けます。今御覧いただいているとおりであります。
 そして、各局が抱える都政の課題に対しての改革案など議論をしていただき、その結果を本部会議に報告をしていただきます。
 そして、各局におきましては、局長などをトップといたしまして局の実態に合わせた体制を整えて、課題によって自主的、自律的な取組を進めていただくことといたします。
 これからも都政改革を強力に推進をして、都庁の機能強化を図る、東京の抱える課題を精力的に解決していきたいと考えております。
 都政改革本部、ここまで育てていただき、そしてまた、これからまさに主役は都庁の職員の皆さんであり、見える化をするということも、これからの改革を進める上でも、これも変わりません。
 引き続き、都民の皆さんにわかるように、改革のペース、改革の中身、それぞれの段階で知らしめるような、そのような配慮をしっかりとやっていただきたい、このように思います。
 まず私の説明でございました。よろしくお願いします。

○事務局(小笠原) 事務局からも御説明をさせていただきます。
 引き続き、資料の2をごらんください。
 最初に、都政改革本部ですが、位置付けはもちろんですが、情報の公開のあり方などについても、これまでどおりとさせていただきます。
 今後は、「2020改革プラン」全体の進捗管理を行い、さらには、30年度の取組成果を反映して、30年度末にはまた、プランのバージョンアップの取りまとめを行ってまいります。
 新年度からは、都政改革本部のもとに、三つの推進部会を設けるわけですが、都政改革本部の会議の場で「見える化改革」の報告書を始めとする、各局の改革案を議論するに当たりまして、まずは推進部会ごとに各局の改革案の検討を深めまして、さらにはその後、3名の副知事による全員協議の場でチェックをしていただいた上で報告をするという仕組みにさせていただきます。
 また、1ページ目の一番下の各局のところでございますが、推進部会への報告に向けて「見える化改革」の手法で課題を分析していただくことになります。
 こうした取組を推進するための体制として、各局長等をトップとする体制を局の実態に合わせて構築をしていただきます。
 一番上の都政改革本部の四角に戻っていただき、※のところをごらんください。
 こうした体制で進めてまいりますが、プランのPDCAサイクルを回していくに当たりましては、第三者の視点からの評価も受けられるよう、仕組みを検討してまいります。
 次に、2ページをごらんください。
 推進部会の役割分担等を図にいたしました。副知事の皆様の担任局をベースとして、事務局において作成、整理をさせていただきました。
 先ほど、「本部会議にかける前には3副知事による全員協議を」と申し上げましたが、議論の過程でも副知事の皆様全員で協議していただくことなども必要になってくるかと思われます。御相談させていただきながら、柔軟に、かつ、機能するように工夫をして運営していければと考えております。
 3ページを御覧ください。各局の推進体制のイメージでございます。
 既存の組織を活用したやり方、プロジェクトチーム型のやり方、また、その両方を組み合わせた複合型のやり方などが考えられますが、局の実態に合わせたやり方で体制をつくっていただこうというふうに考えております。
 事務局からの説明は以上です。

○事務局(榎本) ただいまの報告に関しまして、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、続きまして、三つ目の議題に入らせていただきます。平成30年度の取組についてでございます。
 まず、事務局から全体のスケジュールについて報告いたします。

○事務局(小笠原) それでは、早速ですが、30年度何をやるかということで、資料3-1の全体スケジュールをごらんください。
 都政改革本部の本部会議につきましては、おおむね四半期ごとの開催を想定して、それぞれ現段階で考えている議題を書かせていただきました。
 ただ、これはあくまでも現段階で考えられるものということで書いてありますので、実際には、本部長とも相談をさせていただきながら設定をしてまいりたいというふうに考えております。
 推進部会については、各局の進捗に応じてその都度日程調整をさせていただきまして、開催をさせていただきたいと考えております。
 「2020改革」につきましては、全体像は1枚にするとこのようになりますが、それぞれ別に資料を用意いたしましたので、そちらで説明をさせていただきます。
 資料の3-2を御覧ください。最初に、施設サービス魅力向上プロジェクトでございます。
 1ページ、そして2ページは、前回の会議で御説明をさせていただいた資料の再掲でございます。
 2ページにございますように、利用者の行動に沿って点検・評価すること、多様な利用者の視点から点検・評価するということをポイントとして考えております。
 3ページを御覧ください。
 この間、「見える化改革」に係る関連施設の視察などとあわせまして、特別顧問、特別参与の皆様と一緒に17施設を見てまいりました。
 これについては、後ほど、特別参与からの報告もさせていただきます。
 4ページを御覧ください。
 視察も踏まえまして、こちらにございますように、基本的な点検項目と、点検評価の視点を網羅したチェックリスト、チェックリストについてはこの後御説明しますが、を作成いたしました。
 チェックリストを用いて必要な事項を漏れなくチェックしてまいりますとともに、また、当然でございますが、写真がないとわかりにくいので、写真を残して関係者間で課題の共有を図れるようにしてまいります。
 また、ダイバーシティの観点から、障害者、高齢者、外国人などに実際に御協力をいただきながら点検を行ってまいりたいと考えております。
 5ページは、点検の流れでございます。今申し上げた外部の方の協力も得て、再点検なども行い、再度課題の抽出をするなどしながら、チェックを繰り返した上で取りまとめて報告を行ってまいります。
 チェックリストにつきましては、7ページから11ページにかけて、利用者の行動に沿って、82項目を設定しております。
 例えば、7ページの1の行く準備のところですが、行く準備の段階といたしましては、例えばホームページや予約申請の点検を行い、必要な情報が記載されているか、多言語に対応しているか、予約の仕組みは簡便か、電子申請は可能かなどの点をチェックしてまいります。
 2のアクセスでは、案内表示があるか、駐車スペースがあるかというようなことを見てまいります。
 その他、3以下にございますように、利用者の動線とか、施設自体の案内表示、さらには、10ページに飛びまして、チラシ、ポスターの掲示や、トイレ、また、授乳スペース、11ページですが、利用者の声を聞く仕組みなどについて点検を行ってまいります。
 それでは、ここで、この間視察した施設のうち、2施設につきまして、特別参与からケース紹介を行っていただきます。
 安川参与、よろしくお願いいたします。

○安川特別参与 では、私、安川と、町田参与のほうから、二つの施設について例示的に御説明をさせていただきたいと思います。
 1ページ目ですが、先ほど御説明のあったチェックリスト欄によって、こういった初期点検というのを行いました。
 現段階であくまで赤、黄色、緑というのは、視察したメンバーでのディスカッションによるもので、細かいところを見ると修正点があるかと思いますが、こういったリストに基づいて、全設備を共通的に都民目線で見ていくとどういった改善点があるかということを浮き彫りにしていきたいというふうに思っております。
 具体的には、東京体育館ですが、これは皆さん御存じのとおり、非常にすばらしい設備で、立地も千駄ヶ谷駅、国立競技場駅近接で、都心の真ん中にある、非常に稼働率も高い設備でございます。
 近代的、かつ、大規模な施設設備を有する全都的総合体育施設が必要であろうという設立目的で都民に愛されている設備でございます。
 ただ、動線のほうで見て、改めてそういう視点で見てみると、これは非常にすばらしい設計であるのですが、駅から最短距離で、下りスロープでプール、ジムのような動線がありますが、ほとんどの利用者の方はプールやジムなのですが、なかなか陸上競技場というのが奥まったところにあって、私も毎月使うわけですが、なかなか存在そのものに気づかなかったりいたしました。
 こういったところ、幾つか利用者目線で考えていたところでございます。
 ちょっと戻りますが、その私たち参与のほうで、今回、三つの視点で施設の点検を行いました。
 一つは、都政改革にこれまで1年半かかわってきて、都の職員の方々とさまざまなディスカッションをさせていただいて、なかなか内部の都の職員の方々の仕事の進め方、これは必ずしも民間企業とは異なる、議会もございますし、条例もございますし、我々そういったことをあえて知らない前提で、あえて外部の視点として提言させて頂いてきたいうことであるのですが、我々もある程度都政の知見ができたので、都の職員として設備を見ていくというのが1点。
 もう一つ、これはやはり外部の民間の経験ということで、経営者の目線で見させていただいて、もし自分が一日館長を任されたら、ここの設備をどういうふうに経営するだろうかとか、改善点はあるのだろうかとか、これを民間設備として非常に自由度が高く運営できるとしたら、どういうふうに改善があるかというのを見ました。
 あとは、先ほど申し上げました都民ファーストの視点で、一利用者として、自分が使っている目線でこういったものは変えてもらいたい。
 この三つの視点で見てまいりました。
 3ページですが、そういった目線でいうと、利用者の観点でいうと、スロープでさっと入るのですが、どうしてもその動線が強くて、実はカフェのほうが裏手に回っていて、なかなか気づきにくい場所にあって。
 これは民間の設備、施設ですと、誘導するためにキャンペーンを打ってみたりするのですが、恐らく都の設備ということで、特定のところに、こういうところにありますよというようなことで特に強調もされていないので、利用者の方いらっしゃるとは思いますが、以前、非常に道に面して有名なカフェだったのですが、なかなか分かりにくいところに、私としてはあるなというふうに思いました。
 あと、案内看板ですが、料金表示がちょっと高いところにちょっと小さな文字で掲示がされていて、それを補足するために、さまざまな追加情報、恐らくこれ、分かりにくいからとか、これはミスがあったとか、これは自動販売機で買えないのでこっちで買ってくださいというようなものも後から後から追記されるので、非常にちょっと追加情報がランダムに掲示されていて分かりにくかったかなというふうに思いました。
 あと、5ページ目、6ページ目ですが、改めて見ると、非常に「禁止」という文字が目につきました。
 ごく一部の方が、そういった本来の目的でないものとか、迷惑行為というのをされているのだと思いますが。
 伺ったところ、どうしても都の設備とのことで、クレームが都庁のほうに行く場合もあると。そうしたら、都として何らかの対応を都民からの御指摘ということでしないといけないとなると、現場としては、やはりもう一度ポスターを貼るとか、そういったことしかないと。
 そういった指摘をされる方も非常に熱心な方ですので、「ポスターがまだ貼られてない」とか「はがされた」とか、非常に細かいチェックをされる方もいらっしゃるようで。
 現場としては、何らの大方針で、「クリーン東京で、なるべくポスターを減らす活動を全庁的にやっている、全施設的にやっているのです」的なことがないと、職員の方は何らか対応しなければいけないというふうになっているというふうに伺いました。
 あと、幾つか、例えば、コンセントの使用禁止なんていうのは細かいことではあるのですがあります。
 もしくは、非常に面白いのは、東京都のスポーツの施設なのですが、「敷地内でのトレーニングやランニングは御遠慮ください」というふうに書いてあったり。
 これは要するに、そこは歩くところで、公開空き地でとかあるのでしょうけれども、やはり皆スポーツしに来て、天気がよくて外でちょっとストレッチをしたいとかあると思いますが、ちょっとこのところは、非常に気になった点であります。
 そういった意味では、トレーニングをしたいとか、コンセントがありスマートフォンの充電をしたいというふうに勝手に挿したりされる方がいらっしゃるということだと思いますが、今の時代、新幹線でも充電できたり、いろんなカフェでもできますし、都民ニーズとしては、こういうふうに使いたいということがあることを目的外使用ということで即禁止というのではなくて、民間企業の発想で隠されたニーズというふうにとらまえて、サービス改善に使えないかと。
 そういう視点で、必ずしも禁止一辺倒で禁止のポスターを貼るというのではなくて、一部はニーズとしてとらえるとか、たくさんの掲示をなるべくシンプルにするというような形で対応ができないかなというふうに思いました。
 実際、6ページが、こういった形で貼られると、非常に、もともとすばらしい設備であるのですが、様々な注意喚起の掲示があって、美観を損ねている部分もあるのではないかなというふうに思っております。
 東京体育館のほうでは、7ページですが、現時点で改善ができるもの、御覧いただけるように、都度都度貼っていたものを1枚にまとめるですとか、冗長的なものは改善するとか、既に改善活動を進めていただいていますが、必要性ですとか、もう少しそれをサービス改善につなげるとかといったところは今後、検討していただければいいかなというふうに思っております。
 全体的な感想は、今既に申し上げましたとおり、すばらしい設備で、高齢者、女性も含めたプログラムの充実を図っておられたり、初心者と上級者に分けたトレーニングルームとか、指定管理事業者ティップネスさんと相談されながら、非常に充実したサービスとメニューを整備されています。
 ただ今のような、民間の施設からすると非常に美観を損なうような注意喚起ポスターが少し多過ぎるのではないかということです。
 今、稼働率がほぼ既に80%を超えていますので、一部のヘビーユーザーの利用で十分稼働しているという現実はあるのですが、都民の運動率向上ということであれば、何らか新しい人が使う喚起ですとか、設備の普及というものを今後やっていってもいいのではないかと。
 あとは、稼働率がかなり天井に張りついているということで、稼働時間ですね、それを上げていくことで利用絶対者数をふやしていくということを今後検討してはどうか。
 例えば、プールなども、一度試行的にやられたということなのですが、人件費ですとか燃料費の採算面の課題から導入には至ってないですが、これも一律の水温ですとか、一律追加料金を取れないという前提で発想していますが、これを何らか追加料金を払ってもいいから開けてほしいというアスリートの方とか、早朝そういうエクストリーム出社みたいな形を取られるようなエグゼクティブですとか、そういった方のニーズがあれば、これも柔軟に検討していってよいのではないかなというふうな感想を持ちました。
 私からは以上です。

○町田特別参与 続きまして、東京都美術館のほう、町田よりお伝えいたします。
 9ページになります。
 まず、ホームページ等を見ますと、館内の案内図が出てくるわけですが、御覧のように、非常に細かくて、色が多くて、どこに何があるのかなというのが第一印象でございました。
 ホームページも、奥のほうを一生懸命見ていくと、右のようなイラストみたいなものがあって、こちらのほうが分かりやすいかなと思いますが、左側に公募棟があります。公募の作品を見る場所ですね。
 それから、今はブリューゲル等、大変人気の企画展があって、よくたくさんの来訪者の方が並ばれるわけですが、その目的であるのが右側の企画棟ですね。
 それから、交流棟が後ろの方にございます。
 こういう主に三つの機能があるのですが、これの説明も左側では見られないために、どこで何をやっているのかが分かりづらくなっていたという形です。
 次へまいりまして10ページですが、例えば、屋外の掲示、地図の案内を見ましても、とても複雑で、入り口も分かりづらいですし、どこが企画展だろう、どこが公募展だろうというのも分かりづらくなっておりました。
 次が11ページです。では、入り口から中に入りますとどうなっていますかというと、まず一番目立ってまいりますのがこちらの看板でございます。「明日より開催」、「明日より開催」というのがたくさんあって、では、きょうは何をやっているのだろうというふうに思います。
 よく目をこらしていくと、下のほうに小さな「無料」というのがありまして、全体を見れば、きっとここはやっているのかなということがやっと気づくというような状況で、ちょっと分かりづらいようにも思いました。
 それから、四角いところに色がたくさんついているのですが、後で伺うと、これが場所と結びついていて、色、場所でわかるような仕組みだという御説明でしたが、それが最初にわかってないと、どこでやっているのか、色が何なのかも最初は気づきづらいというような入り口でした。
 次が12ページですが、ポスターとか展示ですね、企画の中に入る前の状況を見ますと、例えば、ブリューゲル展というのをやっていたのですが、非常にたくさんの場所にブリューゲル展のポスターが貼られており、これはデジタル表示の一例なのですが、デジタル表示板も同じところにたくさんあったりして、ここまで必要なのかなという印象を持ちました。
 次が13ページです。では、ブリューゲル展のほうに近づいていきますと何があるかというと、入り口のすぐ左側なのですが、目的の企画展以外のポスターかたくさんありまして、通常余りこういうのは貼らないか、あるいは、貼っても、出た後で次どこへ行こうかなというところで出てくるものなのですが、入り口側に貼ってありました。
 あと気づきましたのは、御案内のように、強い折り目があったりして、せっかくのポスターなのにもったいないなという気がいたしました。
 次の14ページも似たお話なのですが、ギャラリーという公募展の場所に貼られているポスターですが、統一感とか一貫性というのがなくて、貼られてない場所もあったり、大きさがまちまちで、余り美観としてはよろしくないかもしれないですし、しゃがまないと読めない場所に貼ってあったり、貼ってあるものも、しわしわだったりして、ちょっと美術館というには残念な状況でございました。
 現地の皆様ともお話しさせていただきまして、次の15ページにありますように、改善できるところはすぐに改善していただいたわけですが、例えば、レストランにもブリューゲル展のポスターがたくさん貼られていて、ブリューゲル展を見に来られた方でやっていることはさすがにおわかりだと思いますので、まあたくさんは必要ないだろうということで外してみましたところ、白いきれいな柱があらわれて、随分すっきりし始めたということでした。まだ奥にポスターは貼られている面もあるのですが、こういう形での改善活動が始まっているということでございます。
 次の16ページですが、そういう形で、さっきのポスターの右側を見ますと、すぐにギャラリーですね、公募展の場所があり、このすぐ左が企画展、ブリューゲル展の入り口になっているのですが、公募棟と企画棟の動線がほぼ同じですので、かつ、入り口も近くて、意識しないと、どっちが企画展で、どこで公募展をやっているのだろうというのがわかりづらいというのがございます。
 それから、見終わって出てまいりますと、次の17ページですが、ショップです。
 展示品、通常は企画展関連のものですとか、美術関連のものが置かれているわけですが、こちらでは特徴的に、江戸土産のようなものが前面のケースに入っていたり、あるいは、異例の大きな値札が貼られていたりして、ちょっと美観上、美術館らしくないなという状況がございました。
 ということで、18のほうに、美術館の三つのコンセプトをまとめております。三つの事業をやっておりまして、人気の企画展、それから、公募展、それから、ワークショップ事業というのをもう一つやっています。これも非常にいいものなのですが、中を回遊している限りではわからないという状況がございました。
 最後に、19ページに、運営・経営面でまとめておりますので、ごらんください。
 基本的には、美術館というのは、よく皆さんイメージされるとおり、統一コンセプトで非日常感とか美観とか、こういうところが非常に大事になるのですが、結果的には、どちらかというとそこからは少し距離があるような雰囲気をかもし出していたと思います。
 まず、一番の問題は、プロフェッショナルのための作品を見る企画展と、それから、市民活動で発表の場である公募展というのが明確に通常は分離されているのですが、都美では、サイン、動線、掲示物、その他、なかなかはっきり分かれていないために混乱しちゃってはいないか、あるいは、勘違いを起こさせる説明になっているのではないかというのが観察でございます。
 それから、何度も出ておりますとおり、ポスターとかパンフレット、これが非常に多くなっていまして、美観とか非日常感からは少し離れてしまっていて、非常にもったいないと思いました。
 それから、先ほどの江戸土産の問題ですね。美術関係ではない、コンセプトとちょっと違うものが前面に出ているというところが残念な発見でございました。
 一つの理由として、次にありますように、東京都美術館の場合は、コレクションを余り多く持っておりませんので、いわゆる常設展というのがないのですね。ですので、その上で、通常は常設展の上に企画展があるという形なのですが、それができないということでいろいろ難しい点もあるのだなというふうに思われますが。
 いずれにしても、名称は美術館なのですが、ギャラリーとかアートセンターに近いというのが実態でございまして、そういう意味では、非常に特殊な形態の施設ということがいえると思います。
 もちろん、美術館ですので、統一コンセプト、ビジュアルやサインの統一、分かりやすさ、こういったものを、作品展示の中身だけではなくて、館全体の支配人としてしっかり統括管理していくべき、ということが我々からのメッセージになります。
 先ほど申し上げたワークショップ事業も大変意欲的なのですが、なかなか歩いているだけではわからない。これも案内の問題ですね。これも大きな問題だというふうに考えました。
 以上、あくまで二つの事例ですが、顧問参与の視点で見てまいりました施設改善の一つの視点になります。
 この視点で、ぜひ今後の改革にも生かしていただければというふうに考えます。
 以上です。

○事務局(小笠原) どうもありがとうございました。
 事務局資料の12ページでございます。
 今、特別参与のお二人からお話もありましたが、今後、私どもの方で、局と相談しながらやっていく上でも、お話しいただいた経営者の視点で見ていくような点なども、非常に私どもが見ていく上でも重要な視点かと思いますので、そうした視点も踏まえてやっていければと思っております。
 12ページは、点検・評価を行った後の解決策のレベルの話ですが、既に今紹介させていただいたような、回っていただいたところにつきましては、改善活動を始めているところでございます。
 今後の点検につきましても、解決策のレベルに応じて、すぐ改善が必要なものはすぐ取り組んでいき、また、予算要求等が必要なものについては、必要な予算を精査した上で、所管局から要求を行っていくなどして進めてまいります。
 13ページをごらんください。今後、訪問する施設数の目安を記載しております。
 まず、事務局が中心となりまして点検・評価を行ってまいります。その後、施設所管局におきまして、自律改革で他の施設の点検・評価にも取り組んでいただくという流れでございます。
 そのスケジュールを更に図にいたしましたものが、14ページでございます。
 本プロジェクトにつきましては、上半期中に集中的に取り組みまして、その成果・結果を本部会議に報告させていただきたいと考えております。
 下半期からは、各局においても取り組んでいっていただきます。
 事務局からは以上でございます。

○事務局(榎本) ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告に関しまして、御意見、御質問等ございますでしょうか。
 知事、お願いいたします。

○小池知事 安川さん、そして町田さん、それぞれ点検していただいてありがとうございます。まさに使用者、都民目線の御指摘をいただいたと思います。
 特に東京体育館の、多分、指摘があったら、それに対してのポスターを貼って、何々するなというふうなことで、バンドエイド的にピッピッピッピッ貼っていった結果、かえって分かりにくくなったという。
 これは、ここだけでなくて、多分、多くの施設で同じような対処をしているのだろうと思いますので、それは早速、これからまた全部一つ一つチェックした上で、ここにはこういうメッセージとか指示を出すというのではなくて、これはすぐできることなので、共通して、こういう項目についてはすぐ施設に対しての指示を出して、もう一度こういう表記、サイネージもあるかと思いますが、チェックをすべしというようなことで、早速まとめて、スピーディーに対応していっていただきたいと思います。
 安川さん、東京体育館は走りに行くのですか。月1って。

○安川特別参与 泳ぎに行ったり、ジムを使ったりさせていただいています。

○小池知事 早朝にオープンしようとしたら、結局、人件費などが高くついちゃうのですか。

○安川特別参与 ボイラーの水温を保つために、ボイラーのものと、やはり人件費ということで、利用者と。
 発想としては、プラスの料金が取れないというふうに伺っていました。これは私も、やはり民間企業と違いまして、条例を変えるということが非常に重たいということで、なかなかできないということですけれども。
 オリンピックもあるわけですので、できるだけ、今、早朝、非常にプールはすごく混んでいますので、開けたら利用者はいるのではないかなと思います。

○小池知事 ちなみに、今、何時から何時までなんですか、東京体育館は。

○安川特別参与 9時ですね。7時ぐらいから開けても。
 逆に、ティップネスとか、そういったほかの民間は開けていたりしますし、まさにゴールドジムなんか24時間営業やっているわけですので、ある種のそういったニーズというのは都心における運動のニーズというのはある。
 70%の運動実施率を目指すのであれば、いろんな柔軟な検討をしてもいいのかなというふうに思っております。

○小池知事 私がキャスターやっていたころ、番組が終わってからテニスに行って、午前1時から3時までやっていたことがあるのですけれどね。ホテルのテニスコートです。
 驚いたことに、午前1時から3時までやった後に、次の人が控えて、早く帰れと言わんばかりに待っていて、3時からやっている人がいたというようなこと。
 それから、この間伺ったのは、パラリンピックも、都庁からも職員が出ていたのですが、パラリンピックのアイスホッケーの練習は午前3時からやっている。つまり、練習場所がないからというので、そういう時間しかやっていないと。
 午前3時からアイスホッケーの練習をパラリンピックの選手の皆さんはやっていたと初めて知りまして、そういうことも総合的に考えると、会場をどういうふうに活用していくのか、そもそも足りない、そしてそれを何時から何時までどう運営していくのか。
 少なくとも、アイスホッケーの練習場は午前3時でもやっているということにびっくりしましたけれどもね。
 いろいろ現場の御指摘ありがとうございました。

○事務局(榎本) ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、続きまして、これから三つの改革の取組についての御報告をさせていただきます。御意見、御質問につきましては、三つの報告が終わった後にまとめてお願いをしたいと思います。
 それでは、まず、平成30年度の「仕組み改革」の取組について、事務局から説明をさせていただきます。

○事務局(豊田) それでは、資料の3-3の1ページをごらんください。
 こちらは、「2020改革プラン」の中で、「仕組み改革」として記載している内容を改めて、これまでの主な取組と、30年度の主な取組、こちらについて整理したものでございます。
 合計10テーマ、「仕組み改革」のテーマとしてございます。この中で、色のついたテーマ四つございますが、こちらが現時点で構築段階、これから本格的に取り組んでいく、そういったものでございます。
 その他の色のついてないテーマにつきましては、試行段階、実施段階のものになってございます。
 本日、構築段階の四つのものについて御説明したいと思います。
 その中の②のPDCA型政策評価と、⑩の監理団体改革につきましては、後ほどページをつくって御説明いたしますので、このページでは、その他の二つについて簡単に申し上げます。
 ⑥番のアセットの有効活用(不動産等)、こちらのテーマでございますが、平成30年度につきましては、こちらにありますように、庁内全ての未利用地情報をリスト化するですとか、全庁的なマネジメント体制を構築していく、こういった取組をしていく予定になっております。
 ⑨番の官民連携につきましては、平成30年度は、引き続き「見える化改革」を通じて各局が官民連携や官民分担のあり方を検討していくわけですが、民間との連携に係る庁内の窓口の設置等についても検討してまいります。
 続きまして、2ページをごらんください。PCDA型政策評価の取組概要について御説明をいたします。
 こちらについては、「2020改革プラン」におきまして平成31年度に政策評価制度の試行、これをスタートさせるということになっております。したがいまして、平成30年度につきましては、その制度構築に向けて取り組んでまいります。
 真ん中のあたりに、総務局の取組を記載しております。
 総務局が中心となって制度設計に向けた検討を進めていきまして、先ほども御説明ありました推進部会に進捗報告等をしていって、議論を深めていきながら、こちらの表にもありますように、10月から12月ごろの本部会議に報告をしていくことを目指しまして、検討を進めていきたいと考えております。
 その後、平成31年4月からの試行開始を目指してまいります。
 この政策評価につきましては、「2020改革プラン」の中でも当然、記載している項目としてございます。
 その中では、各局が政策等について自ら評価、検証していくということとあわせまして、第三者によるチェック、そして、評価結果の公開、こういったものについてもプランの中で書いてございますので、そういった点についても留意しながら検討を進めていきたいと考えてございます。
 また、このページの一番下のあたり、各局のことを記載しております。
 今進めている「見える化改革」については、後ほどまた説明がございますが、平成30年度いっぱいまでにユニット分析を終了させていく予定で進めております。
 この終了の後、この政策評価制度の試行がスタートできるような、そういった流れを想定しながら、これから準備をしていきたいと考えてございます。
 以上が政策評価についての御説明です。
 続きまして、3ページをごらんください。監理団体改革の取組の概要です。
 こちらは、「2020改革プラン」に盛り込んでいる内容について改めて、監理団体、所管局、総務局の3者による改革の、平成30年度の取組概要のポイントをまとめております。
 監理団体については、平成30年4月を目途に、全団体が経営改革プラン、こちらを策定いたします。
 この経営改革プランをもとに、外部有識者で構成しております経営目標評価委員会、これを活用しながら、進捗を管理していきたいと考えております。
 その他、経営情報の見える化ですとか、ガバナンスの強化についても検討を実施していく予定でございます。
 続いて、所管局についてでございます。
 「見える化改革」を踏まえて、所管局それぞれが、監理団体の役割の再整理ですとか、団体のあり方の見直しなどを整理していきます。
 今後の監理団体活用に向けた戦略の検討状況について、都政改革本部会議へ報告なども行いながら、こちらにもありますように、「監理団体活用戦略」、こういったものを、31年の4月ごろまでに各局が策定する予定でおります。
 最後に、総務局についてでございます。
 都の職員派遣方針ですとか、役員公募のガイドライン、こういったものを策定するとともに、都が関与すべき団体の定義等について検討してまいります。
 これらを踏まえまして、平成31年度末を目途に、「東京都監理団体指導監督要綱」等の改定ですとか、見直しをする予定でございます。
 以上が監理団体改革についてのページの説明でございまして、「仕組み改革」の取組の御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○事務局(榎本) 続きまして、平成30年度「見える化改革」の取組について、事務局から説明をさせていただきます。

○事務局(小笠原) それでは、資料3-4の1ページをごらんください。
 こちら、「見える化改革」の事業ユニットの一覧表でございます。
 色分けをしておりますが、報告済みのユニットが15で、残っているのが48、全体で63ということになっております。
 残りの48のユニットにつきまして、平成30年度中に本部会議に報告を行うというスケジュールとしておりますので、各局には精力的に分析に取り組んでいただきまして、また、事務局といたしましても、推進部会の副知事の皆様とも相談しながら、しっかりとスケジュールを管理していきたいと考えております。
 2ページをごらんください。まず、早速、4月に事務局におきまして、各局の皆さんとのヒアリングを実施していきたいと考えております。
 事業ユニットごとの課題ですとか、分析のポイントなどを議論しまして、認識のすり合わせを行ってまいりたいと考えております。
 その後、推進部会の副知事の皆様や、本部長、知事とも御相談をしながら、本部会議の報告を目指して、「見える化改革」の分析を進めてまいります。
 また、今の話は未報告ユニットについてでございますが、既に報告をさせていただいた15のユニットにつきましても、今回の「2020改革」におきましては、その後も進捗管理をしっかり行っていって、取組のバージョンアップをしていくとしてございますので、進捗状況をしっかりチェックしていくとともに、バージョンアップを図ってまいりたいと考えております。
 事務局からは以上です。

○事務局(榎本) 引き続きまして、平成30年度の「しごと改革」の取組について、事務局、それから、総務局から説明させていただきます。

○事務局(小笠原) 「しごと改革」でございます。
 資料3-5をごらんください。
 1ページに、昨年9月の本部会議で御説明いたしました都庁BPRの取組の全体像を掲載、再掲をしております。
 また、2ページでございますが、全体スケジュール、こちらも再掲でございます。
 その上で、平成30年度の取組ということでございますが、4ページをご覧ください。
 ペーパーレスにつきましては、プランで今後3年間で紙使用量の20%削減と、ペーパーレス会議の実施率を9割に引き上げるという目標を掲げております。
 平成30年度は、その計画期間の初年度となります。早速、各局とも協議をしまして、5月までに局ごとの削減目標と、各部の具体的取組を設定していただこうと考えております。
 また、紙使用量そのものの調査を今もやっているのですが、加えて、コピー機の使用実績の調査も実施をしてまいります。
 また、事務局の取組といたしましては、各局の好事例の紹介や、ペーパーレス会議を行うための機器の機能や活用方法の紹介などについて、庁内の掲示板やe-ラーニングの仕組みを活用して情報発信を行ってまいります。
 また、第4四半期には、本庁全管理職のTAIMS端末の更新が予定されております。持ち運びやすく、また、セキュリティも確保された端末に切り変わります。
 テレワークの推進とあわせまして、その前提となるという意味でも不可欠なペーパーレスを加速させてまいります。
 続いて、5ページを御覧ください。キャッシュレスでございます。
 12月の本部会議で御報告をさせていただきましたように、支出、収入とも、比率としては99%以上がキャッシュレスにはなっているのですが、件数、事務量ともに非常にまだ多いという実態がございます。
 まず、支出についてでございますが、赴任・帰住旅費と特別職非常勤職員の旅費につきましては、新年度から早速口座振替に移行いたします。
 その他の旅費につきましては、各局への調査を行って実態を把握した上で、キャッシュレス化策を検討いたしますが、平成30年度中には制度改正まで終えて、31年度にキャッシュレス化というスケジュールで進めてまいります。
 資金前渡につきましても、まずは調査を行った上で、キャッシュレス化策を検討いたしまして、31年1月に試行をスタートいたします。その検証を踏まえて、本格実施というスケジュールでございます。
 収入につきましては、都民の皆様からいただく使用料、手数料でもございますので、各局と相談しながら、順次、キャッシュレス収納の拡大を図ってまいります。
 残るはんこレスと総務事務改革につきましては、総務局行政改革推進部長から御説明をお願いいたします。

○小林総務局行政改革推進部長 では、次のページ、別紙ということになりますが、はんこレス(中間処理レス)について総務局から御報告いたします。
 まず、1ページをごらんください。
 総務事務ということですが、まず定義、一番目の○の括弧ですが、給与ですとか会計など、どの組織にも存在する内部管理的な業務ととらえてございます。
 都庁の仕事、下のほうのイメージの絵ですが、大きく分けると、こうした内部管理的な業務、それから、都民向けのサービス、事業と、この二つに分けられるかと思います。このうち、内部管理的な業務を圧縮して、都民のためになる仕事に職員のマンパワーを割いていくということが、この取組のコンセプトでございます。
 次の2ページ、お願いします。
 これは前回の12月の本部会議資料でございますが、はんこレスについて、中間処理の存在、紙、はんこの使用、定型反復業務ということを繰り返し記載したものです。
 次お願いします。
 3ページ目、今回、これら総務事務につきまして846、この業務について事務フローとして、それから、そこで使っております紙ですとか、あるいは、はんこについて整理をしたということでございます。
 次お願いします。
 4ページ目は、これらを、給与・旅費から物品まで、合計846の事務について、中間処理の存在、紙の使用、はんこの使用についてカウントしたものでございます。
 5ページ、お願いします。
 こういった分析を通じまして、やはり中間処理が存在して、約半数の事務について中間処理を行っている、紙の使用、はんこの使用については、それぞれ9割、7割近く使っているといったことがやはり課題として確認できたということでございます。
 6ページ、お願いします。
 こうした課題につきまして、2025年度までの進め方を示したものでございまして、それぞれの事務について制度所管部署が、短期、それから、中期、長期の取組をしっかり進めて、副知事を座長とする会議体で進行管理をしていくということでございます。
 7ページ、お願いします。
 取り組んでいくに当たりまして、基本方針として五つ定めたということでございまして、まず一つ目がデジタルファースト。
 資料や決定、決裁をできる限り電子化をするということで、どこでも職場と同様に仕事ができる環境を整えて、あわせて、テレワークにも寄与していきたいということでございます。
 はんこレスの意義ですが、チェックや確認の機能はしっかり担保しながら、関与・決定の日時が電子的に記録されるという、デジタルツールのよい面を生かしていきたいということを考えてございます。
 次、8ページでございます。
 二つ目の方針として、発生源入力と集中管理ということでございまして、職員が申請することについては、担当者を介在させずに、直接システムに入力をして、フローを簡略化したいということ。
 また、できるだけ集約をして一括処理しながら効率化を図るということでございます。
 3番目として、RPAなどの自動化の処理をするということです。
 RPAは、9ページに概念図がございます。Robotic Process Automationという形で、パソコンの作業について自動化をするソフトウェアとイメージしていただければ結構かと思います。
 次、10ページ、お願いします。
 方針の四つ目、五つ目については、こういった取組を進めるに当たりましても、業務システムの運用コストについてはきちんと意識をする、それから、事務の統制環境についてもきちんと意識をして作業を進めていくということでございます。
 11ページ、お願いします。
 今申し上げました取組について、それぞれ、人事系、会計・契約系と入れておりますが、集約組織の検討ですとか、ペーパーレスを使いながら意思決定を電子化するということ、それらについて記載したものでございます。
 12ページ、お願いします。
 これはスケジュール、2020年、それから、2025年までということを意識したものでございます。
 13ページ、お願いします。
 13、14ページは、総務局内で、今回、こういった分析をするに当たりまして、実態調査をしたものでございまして、職員が実際に作業している場面に調査員を張りつけて計測した時間が(1)のところに記載されております。
 部の担当者の場合、2時間弱ぐらい1日当たり費やしているということ。
 14ページでは、そのうち、ルーティンの業務、紙や表計算ソフトを使った仕事、7割近く費やしているということで、ここを今回の事務改善のターゲットにしたいと考えております。
 以上でございます。

○事務局(榎本) ありがとうございました。
 それでは、これまでの報告に関しまして、御意見、御質問等ございますでしょうか。
 知事、お願いいたします。

○小池知事 それぞれ、「仕組み改革」、「見える化改革」、「しごと改革」分析していただき、進捗状況もわかりました。
 また、特に、はんこレスというのは、日本のというか、東洋の文化そのもので、かつ、権威の象徴みたいなところもあるので、若干そのあたり、急に意識の切りかえも大変かと思いますが、ほかの世界の多くの国は、はんこがない中でそれぞれ承認などのシステムを使っているわけですから、ぜひ東京都庁として、このはんこレスの文化をつくっていただきたいと思います。
 この漫画は大変わかりやすい漫画になって、どこからこんな漫画が出てくるのだろうと思って、そっちのほうに関心もしておりました。
 御苦労さまです。よろしくお願いします。

○事務局(榎本) ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。
 それでは、この間、都政改革にさまざまな御助言をいただきました特別顧問、特別参与の皆様におかれましては、3月末で任期が満了となります。最後に何か御発言ございましたら、お願いいたします。
 では、上山特別顧問、お願いいたします。

○上山特別顧問 「2020改革プラン」ですが、さっきお話がありましたように、「見える化改革」は今年から佳境に入ります。15個の事業が終わっていますが、残りの48個について、「分析品質」と書いていますが、努力していただきたいところがありますので、これまでやってきた気づきの点を中心に、簡単にお話をしたいと思います。
 一つは、都民の苦情とか、さまざまな御意見。
 これは、とにかく全部集めて、3カ年分ぐらいを集計して、そこを出発点として、何が問題なのかということを考え始める。
 「苦情は改善の山」という位置づけで、生の言葉をちゃんと収集してから作業するところからスタートしていただきたい。もちろん全てが正しく状況認識されているとも限らないのですが。
 あと、2番目ですが、かなり専門知識が必要となるようなサービスとか施設が多いわけです。スポーツ、文化、あるいは、医療、教育の現場もそうです。プロの現場の人たち、医師、看護師、教員、ケースワーカー、そして職員の皆さんがプロという場合ももちろんありますが、その方々が、かなりいろんな情報を持っているし、制度の矛盾とか問題意識を持っている。利用者がなかなかもどかしくて気がついてないようなところについても、彼らが知っているので、特に本庁の皆さんは、各局職員が本庁の中の資料で仕事をせずに、一度きっちり現場の第一線の人たちの話を聞くというところから作業をやっていただきたい。そうでないとえてして、過去の庁内資料で書いたことを大前提に「見える化改革」をやることになります。しかし、これは自己矛盾でありまして、過去の資料に書いてあることを見直すから「見える化改革」になるわけです。
 なので、それを見直すというのは、現場を見るという以外に方法はないので、現場ヒアリングと現場調査から出発していただきたい。過去のファイルをめくる前に、現場に行ってください。
 3番目ですが、見える化分析の対象事業の範囲は、非常に広い。
 地下鉄とかバスとか書いてあるわけですが、その中のどこをどのように変えるのかという仮説を、局長、副知事のレベルでよく相談されて、照準を定めてそこを中心に分析していただく。
 そうでなく全体としてどうなのという議論を抽象的にやると、うまくいっているとなるに決まっている。そういう意味で、ピンポイントした仮説づくり、これを最初の段階で、幹部の人が中心にしてやっていただく、これが非常に大事だと思います。
 若手に任せていると、全体をこつこつ現状報告するレポートができてしまって、そこからやり直しということになると膨大なむだが発生します。幹部が最初によく議論するのをぜひお願いしたいと思います。
 「見える化改革」をやった当初に出てきた現象は、事業概要の説明資料をホチキスでとじて、分厚いのを持ってこられて、これだけ見えましたという。
 確かに、いろんなことが書いてあって、情報公開にはなっているのですが、都民ファーストとか、ワイズ・スペンディングという視点からやるのが「見える化改革」であって、従来の事業概要説明に毛の生えたようなものでは、改革につながらない。
 実態がわからないものは情報公開をちゃんとやっていただくということは大事ですが、きちんとした課題認識のもとにチェックをする。評価という視点でやっていただきたい。
 その際に重要なのは、やはり、ラインの上下関係でチェックというのは、日常業務をやっている同士で自己否定というのはできないので、副知事の役割が非常に重要だと思います。
 所掌を超えた立場から、3人の副知事が、知事の目線、都民の目線に立って、早い段階からチェックをしていただく。
 特に下から積み上げで上がってきたものを、最後の最後になってチェックをするって、なかなか難しい。最初の段階、仮説構築のころから副知事は入っていただきたいし、現場にも行っていただくのが必然だと思います。
 それから、情報公開の徹底についてです。
 報告書をホームページに載せるというのは最低限でしかなくて、担当局長、副知事が記者向けの懇談会で説明するとか、あるいは、石原都政のころにやっていたようですが、市民向けの出前講義など、要請があれば説明にも行く。
 特に、都民の関心の高い領域については、公開の場で「見える化改革」の結果を情報発信するべき。
 それから、あとは進捗管理ですね。
 これは先ほどの政策評価型PDCAがまさにそうですが、あの計画では、1年かけて設計となっています。しかしできるだけ前倒しで設計作業を終え、進捗状況を外に対して、それ自体も見える化して発信していただきたい。
 以上です。

○事務局(榎本) ありがとうございました。
 それでは、最後に知事から御発言を頂戴できればと思います。
 知事、よろしくお願いいたします。

○小池知事 28年の9月1日に始まりました都政改革本部、こちらは、今日は15回目ということになりました。
 今、上山特別顧問から、いろいろな角度から、率直な御意見も賜りました。
 上山特別顧問を初めとする皆様、特別参与の皆様、3月末をもちまして任期満了となりますが、この間、都政のさまざまな課題に対しまして、本当に客観的な第三者の視点から多くの助言、御提言をいただきました。
 皆様方には本当に御苦労をかけ、そしてまた、新しい視点をばしっと提供していただきましたこと、心から御礼を申し上げたく存じます。
 そして、その上で、本日の会議でございますが、「2020改革プラン」の報告とさせていただいているわけでありますが、プランをつくったというのがゴールではございません。ここからがスタートということになるものです。
 そして、毎年度これをバージョンアップしていく、磨きをかけていく、その成果もしっかりと伝えていくというその作業が、まさしく実践的な段階で必要なことではないか、このように思っております。
 引き続き、都庁内外のさまざまなお声を聞かせていただいて、継続的に改革に取り組んでいってほしいと思っております。
 それから、平成30年度の具体的な取組についても報告がございました。まさしく検討段階から実践段階に移っていくということで、タイムスケジュールなど項目に加えて、いつまでに何をということを明確にしていただいたわけであります。
 ぜひこの都政改革本部、1回目から今日に至るまで、いろんな改革が既に進んでおります。まだ道半ばのものもございます。こういう中で、職員の皆さん、培われた改革マインドを生かして、各局がそれぞれの課題を正面から受けとめながら、自主性、自律性をより一層発揮していただきたいと、このように思います。
 先日も知事室の中の会議で私申し上げました。先日、ピョンチャンのオリンピックで、スケートでパシュートという追いかけっこみたいな競技で日本の女子が大変いい成績をおさめて、あれを見ながらつらつら考えておりました。
 ああ、こんな競技があったのだというのと、それから、前を行く人は風圧を感じるわけで、大変体力も消耗すると。しかし、その人がいないとその次が進めなく、かつ、金メダルも、メダルもねらえないということで、改革というのはこのパシュートではないか。
 今後の都政改革本部というのは、実行プランに基づいて、正面に立つときは風圧を感じる。じゃなければ、改革に値しないと思います。
 そして、そうやってくるくると風圧を感じながらも改革を進め、そしてまた、次の人がさらに改革を進め、ぐるぐるぐるぐると、都庁がそういう中で同じ方向を向き、スピード感と、そして、改革の中身と、それを競い合っていくということが、都民にとってのプラスにつながるのではないか、ワイズ・スペンディングにつながるのではないか、それをみんなに見てもらうということで、見える化につながるのではないか、このように思っております。
 それは結果として、都庁に勤める都職員の皆さんの達成感にもつながるし、仕事のやりがいにもなるし。
 それからあと、ペーパーレス、そして、はんこレスなども、これまで当たり前のことだと思ってやってきた長時間労働を少しでも軽減をすることによって、都の職員の皆さんも自分の時間ができて、自分磨きもできて、それがまた都政においてプラスに生かされるという、そのような正のスパイラルを、ぜひこの都政改革本部、引き続きつくっていただきたいと思っております。
 この都政改革本部が司令塔でございます。そして、副知事、教育長、都技監、そして各局の皆さんとともに、パシュートの精神で、一人一人の職員の力を最大限引き出しながら、丁寧に、そして時には大胆に、都政改革に取り組んでいきたいと思っております。
 来年度も引き続きよろしくお願いを申し上げます。そして、皆さんに感謝を申し上げます。ありがとうございました。

○事務局(榎本) どうもありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、第15回都政改革本部会議を閉会いたします。どうもありがとうございました。

11時44分閉会

▲このページの先頭へ